美術館で「名画の習作」から教えられたこと 2023.7.26(水)

小原玲 動物写真家
更新日:2023-07-26 06:00
投稿日:2023-07-26 06:00
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナガの写真とともに、勉強に仕事に恋愛に、毎日をがんばる私たちの背中を押してくれる、きょうのシマエナガちゃんの“ひとこと”です。

 子どもがクレヨンで書きなぐった線ってすごくきれい。

「こう見られたい」みたいなのがないからなのかな? 画用紙に色をのせる行為を純粋に楽しんでいるのが伝わってくる。

 美術館で一見してみると落書きのような、同じようなドローイングが何枚も展示されていた。順路に沿って進んでいくと、それがある名画の習作だと知った。

 モチーフと向き合って、なぞって壊して、再構築を何度も重ねた工程の先に表現がある。ひとつの作品が生まれるまでには意外と時間がかかるんだなあ。

 子どもみたいな純粋な線はもう書けないけれど、じっくり時間をかけることだったら僕らにもできそう。

小原玲
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動物写真家
1961年、東京都生まれ。茨城大人文学部卒。写真誌「フライデー」の専属カメラマンを経て報道写真家として国内外の雑誌での活動後、動物写真家に転身。近著に写真集「シマエナガちゃんの日々 - ぼくはここにいるよ -」(ワニブックス)や「Kiss!」(小学館)や「アザラシの赤ちゃん かわいいのヒミツ」(講談社)などがある。2021年11月、永眠。
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