#3 大切なのはいかに互いの性を理解し肯定しようとするか

うかみ綾乃 小説家
更新日:2019-08-26 12:18
投稿日:2019-06-14 06:00

互いの本音を伝え合った上で一度だけ

素直に相手を求めることができた(写真:iStock)
素直に相手を求めることができた (写真:iStock)

 交際当時、週に二回はセックスしていた彼が、別れて10年近く経ってから言ったのは、

「実は俺、セックスってそう好きじゃないんだ。でもそれじゃおまえに悪いから、頑張りすぎてたんだよ」 

 私は呆気に取られ、笑いました。

「実は私も。自分で勝手に頑張ってたくせに、『セックスを付き合ってあげている』っていう、妙な上から目線と被害者意識があった。そのストレスのせいで互いに喧嘩が多くて、最後まで本音を言えないまま別れたんだね」

 おかしな話ですが、彼とはその夜、一度だけのやり直しセックスをしました。

 すると、互いの本音を伝え合った上でのセックスは、想像以上に幸福感を覚えるものでした。

 衣服は中途半端に着けたまま。でもそのうち、自然と全裸で抱き合いたくなります。フェラチオはしなくて済むなら済ませたいけれど、相手が悦んでくれるのなら、むしろ愛しいものとして口をつけたくなる。

 自分が舐められるのも、気を遣って感じてみせる必要もなく、相手もやめたいときにやめてくれる安心がある中では、こちらも存分に集中できる

 素直に相手を求め、振る舞え、享楽的になれたひとときでした。

うかみ綾乃
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小説家
2011年「窓ごしの欲情」(宝島社文庫)で日本官能文庫大賞新人賞受賞。’12年「蝮の舌」(悦文庫)で第二回団鬼六賞大賞受賞。コラムニスト、映画の原作&脚本家としても活躍中。近著に「蜜味の指」(幻冬舎アウトロー文庫)。2020年から原作映画『モンブランの女』(『モンブランを買う男』AubeBooks)が全国で公開中。
ブログ http://ukamiayano.blog.fc2.com/

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