バツ2子持ちのアラフォー“地下アイドル”が語る20代の妊娠 #1

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2024-08-26 16:25
投稿日:2023-04-14 06:00

再活動に誘われたけど…

――適応力があるということですね。

「そうかもしれません(笑)。何よりも収入が良かったんです。20時から午前1時までの5時間の勤務で日給3万円。ヘアセット代やレンタルドレス代を引かれても、ありがたい金額でした。育児があるので週3勤務にしても8万円は稼げますし、時々チップをくれるお客さんもいて、私も母も大助かり。

 その上、ホステス仲間には、私と同じようにバツイチ子持ちの女性がいたので、母親としての情報交換もできる。お酒もタダで飲めるし、食事もお客様にご馳走してもらえる。夜の仕事はありがたかったですね」

――アイドルに戻ろうとは思わなかったんですか?

「実は少しだけ思いました。ただ、その時期にはメインのメンバーの卒業が相次ぎ、グループは解散していたんです。仲の良かった数人のメンバーが『地下アイドルとして再活動しない?』と声をかけてくれたんですが、実はその時、クラブの黒服の男性と付き合っていたんです」

「担当」の黒服と極秘交際

――えっ! そうなんですか?

「はい……。クラブのホステスたちには黒服の『担当』がつくんです。仕事や人間関係での悩み事を聞いてくれる担当者なんですが、2つ年上のNさん(26歳/独身)が私の担当でした。

 すらっと背が高く、顔立ちは野性味のある濃い顔でしょうか。同じ六本木のサパークラブでホストをしたのち、うちの店の黒服となった人です。

 彼はアイドル時代の私を知っていて、コンサートにも通ってくれたみたいです。『推し』は3人いて、その中に私も入っていたと聞かされました。実はファンだったんですね(笑)。

 でも、クラブでの指導は厳しかったかな。彼自身がホスト経験者だから、私が気を抜いた接客をしていると、『R美ちゃん、あんなだらけた接客ではお客様に失礼だよ。もっとプロ意識をもって』などと注意をされる。半面、お客様から指名が入ったら、『R美ちゃん、その調子』と褒めてくれる。

 いかにお客様にリピートしてもらえるか、どのように売り上げを伸ばすかも親身になって考えてくれましたね。アメとムチ……ではありませんが、彼の笑顔を見たいがために頑張っている自分がいました。

 気づけば彼に惹かれていて……。ホステスと黒服の恋愛は禁止ですが、この気持ちは止められませんでした。

「プロ失格」の言葉に涙

 付き合うきっかけとなった夜のことは今も覚えています。あの日の閉店後、私は更衣室で一人、泣いていました。

 高級料亭での同伴でお酒を飲みすぎて……。20時出勤のはずが、1時間も遅刻しちゃったんです。当然、他のホステスやママに大迷惑をかけてしまって……。

 先輩ホステスの『プロ失格よ!』の怒声が酒の残った頭の中をぐるぐる回り、育児疲れもあって泣いてしまったんです。

――R美ちゃん、大丈夫?

 更衣室のドア越しに、Nさんの声が聞こえてきました。

――大丈夫です。今日は本当にすみませんでした。

 私はティッシュでこぼれる涙を拭いながら言いました。

穏やかな声にたまらず

――着替えが済んだら少し話さない? 悩みでも、文句でも、言いたいことは何でも言っていいから、話を聞くよ。スタッフもホステスも帰ったから大丈夫。

 とても穏やかな声でした。そのころにはすっかり『夜の世界』に染まっていましたが、指名や同伴のノルマをこなし、日々の営業メールや接客の慌ただしさに体も心も疲弊(ひへい)していました。加えて、帰宅をすれば育児や家事が待っています。

 息子にイライラは見せられないし、お客様の前でも笑顔で接客しなくちゃいけない。本当の私を晒せるのはどこなの……? と思っていたところに、Nさんからかけられた言葉でした。

――ごめんなさい。少しだけ、甘えさせて……。

 私はドアを開けるなり、Nさんの胸に抱きついたんです。

 続きは次回。

蒼井凜花
記事一覧
官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
オフィシャルサイトYouTube

関連キーワード

エロコク 新着一覧


向上心は大事!デリヘル嬢のフェラ講習を受けた21歳女子大生
「今の時代、会社が倒産することも十分考えられるからね。早めに手を打っておかないと」  と、副業セミナーに参加する予...
中山美里 2023-10-17 06:00 エロコク
我を忘れるほどの快感を得たい人へ…凄腕バイブで即昇天♡
 ローターは多種多様な形状があるのに比べ、バイブレーターは“棒型”が基本です。  女性の体の構造を考えると、挿入す...
桃子 2023-10-15 06:00 エロコク
結婚直前に元カレとセックス! すると、霊感アリ婚約者から着信が… #4
 11月に結婚を控えている弓香さん(仮名・28歳ネイリスト)。婚約者の英明さん(仮名・30歳美容機器メーカー)とは、知人...
蒼井凜花 2023-10-20 16:17 エロコク
有名AV嬢になればお手当もアップする!夢見る23歳フリーター
 AVモデルプロダクションの営業さん数人から、こんな話が……。 「不況で撮影自体が減っちゃって。正直、所属してるモ...
中山美里 2023-10-10 06:00 エロコク
まるで天狗のお面♡ 突起部分を敏感なアソコにあててみると
 天狗のお面って、エロチシズムを感じませんか? と、いきなりゴメンナサイ。新作ローター「サティスファイヤー スポットオン...
桃子 2023-10-07 19:24 エロコク
玄関先で霊感アリ婚約者と濃厚SEX!私が立ったままイクなんて… #3
 11月に結婚を控えている弓香さん(仮名・28歳ネイリスト)。婚約者の英明さん(仮名・30歳美容機器メーカー)とは、知人...
蒼井凜花 2023-10-13 11:15 エロコク
週末のお楽しみ♡34歳バツイチOLはパチンコ&セックスに夢中
 今回ご登場いただく愛人さんは、パチンコ依存気味な女性。 「コロナ禍の初めのころ、3密だってヤリ玉に挙がったじゃな...
中山美里 2023-10-03 06:00 エロコク
韓国発バイブ! 吸引系が大きめでクリを納めやすいのが魅力
 韓国のラブグッズブランド「オググ」が上陸しました。いまやラブグッズの世界は国際色豊かで、日本にいながらにして世界のグッ...
桃子 2023-10-01 06:00 エロコク
元カレの性癖と未練がバレた? 霊感アリ婚約者が挿入前に衝撃発言 #2
 11月に結婚を控えている弓香さん(仮名・28歳ネイリスト)。婚約者の英明さん(仮名・30歳美容機器メーカー)とは、知人...
蒼井凜花 2023-10-11 19:14 エロコク
70歳のおじいちゃんにも性欲があるなんて…美BODY女子の誤算
 ラブホ街を行き来していると、ときどき見かけるのが70歳くらいのおじいちゃんの姿。  以前、デリで働く子に聞いたこ...
中山美里 2023-09-26 06:00 エロコク
シャワオナ派のあなたへ! 気持ちよくなるシャワーヘッド
 セルフプレジャーをはじめたきっかけ、女性には“偶然派”が相当数いると感じます。床に座ってモゾモゾしていたら、あるいはの...
桃子 2023-09-24 06:00 エロコク
大失恋を経て婚約した男は視えてる? 20代ネイリストの幸福と恐怖 #1
 秋は結婚式の多い季節。 「ゼクシィ結婚トレンド調査2022」によると、結婚式の多い月は11月、10月、5月となっ...
蒼井凜花 2024-09-03 13:53 エロコク
略奪劇場は古い? 26歳OLが「正妻」になりたがらないワケ
 昭和のサスペンスドラマでは正妻と、正妻の座を狙う愛人なんて構図がありがちでしたが……。  愛人像は、あのころと随...
中山美里 2023-09-19 06:00 エロコク
手ごろな値段でおススメのバイブ! 息子くんの愛撫にも♡
 ラブグッズのお値段はピンからキリまであり、高ければいいということはありません。でも低価格帯の商品のなかには、お勧めしに...
桃子 2023-09-17 06:00 エロコク
「東京に帰したくない」南国美青年のペニスの猛威に溺れ尽くして #5
 飲料メーカーに勤めるミクさん(仮名・28歳/独身)は不倫中。相手は上司・アツオ部長(仮名・43歳飲料メーカー/妻子アリ...
蒼井凜花 2023-09-15 06:00 エロコク
生き残りに必死! 25歳の“凄腕”愛人女子が努力していること
 愛人探しをしている男性に話を聞くと、「風俗でプロと遊ぶの飽きちゃったからさ。パパ活女子は素人っぽいところがいいんだよね...
中山美里 2023-09-12 06:00 エロコク