綾と竹雄のベストカップル誕生!遠巻きキスシーンに阿吽の狛犬

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2023-06-27 14:07
投稿日:2023-06-27 14:00

NHK朝ドラ「らんまん」~第13週「ヤマザクラ」#62

 酒屋の組合を作ろうと翻弄する綾(佐久間由衣)と竹雄(志尊淳)。が、女の蔵元というだけで心無い言葉を浴びせられ、協力者は得られず。

 帰り道、立ち寄った神社で、心折れた綾が「私が蔵元というだけで峰屋のこの酒が閉ざされるがじゃのう。私が呪いながじゃ」と弱音を吐くも、深い愛情をもって励まし諭す竹雄。ついにふたりの想いが通じ合う。

 一方、ヤマザクラの病をなんとかしたい万太郎(神木隆之介)は食事をとるのも忘れて研究に没頭。寿恵子(浜辺美波)の言葉も耳に入らず、ついには、「構わんとってくれんか。寿恵子さん頼む、今は邪魔じゃき」と。

 気づけば部屋からいなくなっていた寿恵子を探し回る万太郎。「幸せな家にしたいのに、万太郎さん邪魔だって」と綾と竹雄に訴える寿恵子を見つけ、その本心を知り、土下座で謝る万太郎。「一生、幸せにする」と改めて誓った。

【本日のツボ】

「竹雄、面倒くさいき」(綾の台詞)

 女の蔵元である自分の言葉をまともに聞いてくれる同業者はおらず、それどころか暴言を吐かれて落ち込む綾。帰途、神社の草に寝転び、「わたしが呪いながじゃ」と弱音を吐き、「のう竹雄、夫婦(めおと)になろうか」と自棄気味にプロポーズ。

 ついに長年の想いが成就、やったね、竹雄! と思ったら、竹雄の口から出た言葉はまさかの「嫌じゃけ」。そして、「そりゃ真から欲しい言葉じゃ。欲しゅうて欲しゅうてたまらんけんど、今の綾さまからは欲しゅうない」と。

 万策尽きて、「私がおるき、いかんじゃが」と思い詰める綾を深い愛情をもって励まし、「あなたは呪いじゃない。祝いじゃ。酒蔵におるがが女神じゃいうがやったら、あなたこそ峰屋の祝いの女神じゃき。わしはそういう女神様に欲しがられたいがじゃ」とその想いをぶつけました。

 綾にとって、絶対的な味方であり、時に叱り、時に励ましてくれる竹雄は最良のパートナーと、誰もがわかる名シーンでした。

 初めて唇を重ねるふたりがアップではなく、ロングショットで、なおかつ、そんなふたりを挟むように、さりげなく阿吽の狛犬が映っていました。

 狛犬も阿吽の呼吸のベストカップル誕生を祝っていたことでしょう。

桧山珠美
記事一覧
TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。読売新聞「アンテナ」、放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

エンタメ 新着一覧


平手&長濱“欅坂46両雄”ドラマ界本格復帰記念にプレイバック
 元欅坂46の平手友梨奈(20)が今月10日、22年7月期放送のドラマ「六本木クラス」(テレビ朝日系)に出演することが番...
こじらぶ 2022-05-14 06:00 エンタメ
吉高由里子主演「光る君へ」NHK&民放MIX“イケメン再演”の目
 NHKは11日、2024年に放送予定の大河ドラマについて、タイトルは「光る君へ」で、主人公の紫式部を吉高由里子(33)...
神木隆之介は元子役クズ説を覆す男、女性の噂も皆無だけど…
 元人気子役というと悪い印象しかないのは、間違いなく坂上忍と杉田かおるのせいでしょう。  子どもの頃あんなに可愛か...
松下洸平“低視聴率”でも高評価 ゴチで得た天然ポンコツの座
 5月1日に俳優業デビューから12年を迎えた松下洸平(35)がノリに乗っており、ツイッターでは「#松下洸平12周年」のお...
ディーン様は浮世離れしていてナンボ!お宝シーンよもう一度
「あいわらずお美しいこと!」  そう言わずにはいられないのがディーン・フジオカ(41)、通称おディーン様です。4月...
浅香航大は“理想の元彼NO.1”!本人自覚ゼロでも色気だだ漏れ
 昨今、やたらと考察ドラマが多いと思いませんか。前クールの「真犯人フラグ」とか「ミステリと言う勿れ」とか「愛しい嘘~優し...
松潤・キムタク・ニノ…主演作の明暗、私生活切売りがアダ?
「ドクターX~外科医・大門未知子~」など数々の人気作を生み出してきたテレビ朝日の木曜ドラマが2クール連続で苦戦している。...
こじらぶ 2022-06-01 12:36 エンタメ
SixTONES松村が傷物に…「恋マジ」時代錯誤設定にキモイの声
 今月18日にスタートしたフジテレビ系ドラマ「恋なんて、本気でやってどうするの?」(月曜午後10時)が、女性から酷評され...
山P「正直不動産」番宣拒否報道もあったがいいやつじゃん!
「正直不動産」(NHK総合)の山下智久(37)を見ていて、山Pもずいぶん丸くなったなあと思う。  山P演じる主人公...
「芸能人二世」サバイバル! 生き残るための“最大武器”は?
 この春も芸能界は二世が注目を集めるようでーー。タレントの中山秀征(54)の長男・中山翔貴(23)は4月8日スタートのテ...
城田優「カムカム」で甘美な声も…驕る“イケメン”久しからず
 日本人と外国人との間に生まれた子どもを「ハーフ」って言いますが、「ハーフ」は半分という意味だから「ダブル」や「ミックス...
坂口拓が園子温監督“性加害”報道で謝罪 ネットは別の反応も
 映画監督や出演者による性加害報道が相次いでいる。今月4日には「週刊女性PRIME」で園子温監督(60)が複数の女優に出...
2022-04-08 06:00 エンタメ
乃木坂46秋元真夏が炎上…本当に性的マイノリティをネタに?
 今月1日、乃木坂46の秋元真夏(28)が自身のInstagramで、「この度、友人の生田絵梨花と式を挙げました」との一...
こじらぶ 2022-04-07 09:48 エンタメ
柄本佑「イケメン問題」気付けばモテポジション確立の謎解き
 かねてからどうしたものかと悩んでいるのが柄本佑(35)イケメン問題です。この冬のドラマ「ドクターホワイト」(カンテレ/...
小林麻耶と松居一代の共通点は?“赤裸々暴露”する女性の心理
 フリーアナウンサーの小林麻耶(42)と元夫で整体師の國光吟氏(38)が、3月28日にそれぞれのブログで再婚することを発...
西島秀俊“無双”の挑戦…同性愛者からピカ声までモノにする男
「あすなろ白書」(フジテレビ)をご存知でしょうか? 1993年10月期の連ドラなので、かれこれ29年も前の作品ということ...