がん告知される前と後では何も変わらない
【Note.08】
子宮全摘が決定的になった私。とてもショックなことではありますが、そこで泣くことはありませんでした。
がんを宣告されてからずっと「この先どうなるんだろう?」と不安だったし、今朝は大量出血をしていて「もうダメなんじゃないか」と絶望していたので、「子宮を取ればとりあえず大丈夫なんですね。はいはい、それじゃ取りますよ!」という気持ちだったのかも……。
40歳を越えていた、ということも大きかったです。母も同様だったよう。
先生は私たちに向かって、「ふたりとも精神的に安定してますね。なら大丈夫だ。明日から会社に行って、入院までしっかり働いて」と言います。
そして、
「出血はおさまってきているし、止血剤も出すし、大丈夫。編集者なんでしょ? バリバリ赤字いれちゃうんでしょ~?」と、ペンで書き殴るしぐさをされます。
「えっ……いいんですか?」
「だって、今どこも具合悪くないでしょ? がんだって知らなかったら今日だって働いてるでしょ?」
たしかに。がん告知される前と後で、私はなにも変わってないんだ……。
「“子宮をとります”って言うと、たいていの患者さんは、泣き崩れてしまうんだよねぇ。結婚したばかりの人はとくに。旦那さんがつかみかかってきたり、お母さんが泣き崩れたりすることもある。そうなると、こちらの話もまともに聞いてもらえないの」
それはそうだろうな……。未婚の42歳でもショックなのですから、当然です。
「なにも手につかず、仕事や家事ができなくなったりする人もいる。でも、コクリコさん親子は平気そうだ。だったら、手術までは普通に暮らして、しっかり治療費を稼いできてください。がんはお金がかかるからね」
がんになるとお金がかかるのか……(これについては改めてお話させていただきますね)。
「じゃあ会社行きます」
「そうして。あと、運動もした方がいいね」
すると、今度は母が「えっ? 先生、運動なんてしても大丈夫なんですか??」と聞きます。
「大丈夫ですよ。だってこの間まで普通に運動もしてたでしょ? 腹筋があるほうが、術後にすぐ立てるし。ところで……すごい腹筋しているけど、なんのスポーツしてるの?」と先生。
CT画像を指さし、「これ腹筋なんだよね。2㎝くらいあるの。すごいね」
がんになるまで、ピラティスに毎週通っていたかいがあり、私のお腹にはがっつり腹筋がついていました。なんだかちょっと恥ずかしい!
「ピラティス、よく知らないけどいいんじゃない。じゃあ入院までピラティスもしておこう。なんでも食べて、手術の日まではできるだけ普通に暮らして」
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