「写ルンです」が流行る若者のレトロブームは、何を写しているのか

山口明 プロ童貞・現代アーティスト
更新日:2024-07-09 21:54
投稿日:2023-11-18 06:00
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(63)。多忙な現役時代を経て、56歳の時に仕事中心で働く生き方をドロップアウト。
 現在は悠々自適な老後(?)を送りながら、還暦過ぎの童貞として注目を集めています。
 今回の「気になるアレ」は若者たちのレトロブーム。昭和世代にとっては懐かしい? それとも──。

レトロブームを先導するZ世代

 少し前からレトロブームなんて言われて、「写ルンです」が再び流行したり、昭和歌謡や80年代の「シティポップ」が再評価されて、CDショップに行くとアナログレコードのコーナーがあったりするよね。

 古いゲーム機やソフトは高値で取引きされているし、昔ながらの「純喫茶」や道路沿いの「ドライブイン」とかも脚光を浴びているみたいなんだ。

 このブームを先導するのは、1990年代半ば以降に生まれたZ世代と呼ばれる若い人たち。

 ということは「昔はよかった」みたいな懐古主義的な現象ではなくて、完全に新しいモノとして楽しんでるのかな。だいたい生まれる前のことだもんね。

 ──懐かしむもなにもですね。

昔からあったレトロブーム

 実はこういう現象って、わりと昔からあったと思うのよ。オレが十代だった1970年代はまさに「50年代ブーム」だったしね。

「アメリカン・グラフィティ」っていう50年代のアメリカの青春を描いた映画がヒットしたり、リーゼントに革ジャンでロックンロールを演奏するスタイルもそう。

 今や伝説のロックバンド「キャロル」がデビューしたのが1972年、あれも50年代風だよ。ジェームス・ディーンもリバイバルして人気だった。

 だからオレの高校時代って男子のリーゼント率がすごく高くて、当時そういう人たちにいじめられてたなあ~。久しぶりに嫌なことを思い出しちゃったよね(笑)。

 ──昔を思い出して震えてます? 確かに山口さん、リーゼント男子とは合わなそう……。

20年前がリバイバルする法則?

 ちょっと話が変わるけど、オレが20代の頃に入り浸っていた神田の古本屋の人から聞いたんだけど、ファッション業界やクリエイターの人たちって、なぜか「20年くらい前」の雑誌を探しにくるらしい。

 仕掛ける側の人たちが、そこから次の流行を探してるってことだよね。要するに「20年前がリバイバルする法則」があると思うのよ。

 70年代に50年代ブームが起こったように、80年代の「プレッピー・ファッション」は進化した60年代の「アイビー・ファッション」って感じだし。

 90年代のブルース・リーや松田優作の再ブームやロン毛にフレアのパンツなんて、あれは完全に70年代だよ。

 そして、少し前の「Y2K」ファッションは2000年代のリバイバル。一度はすたれた20年前のモノや現象が、時を経て再び注目されているんだ。

 いわゆる業界の人たちが30、40代になって、それなりに力を持ってきたタイミングで、自分たちの若い頃に好きだったモノを復活させてたんじゃないかな。

 ──みんな業界の人たちに上手に踊らされていたんですね。

山口明
記事一覧
プロ童貞・現代アーティスト
1960年生まれ。プロ童貞しかし、あるときは現代アーティスト。そしてまたあるときはオナニストにして予言者。しかし、その実体は無職のオシャベリ・クソジジイ。毎日、地元MAD CITY(松戸市)の平和を守る為、猫背&早歩きでパトロール。本日も童貞戦線異状なし!!
著書の「ワイルドチェリーライフ山口明 童貞力で一億総クリエーター時代を生きる」が発売中。代理人による公式Xも更新中。

ライフスタイル 新着一覧


黄金色の葉と朱赤の柿の景色 心まで秋色に染まるような日
 秋は色鮮やかな季節。まるで黄金色のイチョウの葉、鮮やかな朱赤の柿。  心まで秋色に染まるような日だった。 ...
「何で後ろから撮るにゃ?」“たまたま”の質問攻めにきゅん♡
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
年末大掃除、夫が戦力にならない…今年こそやる気を出してもらう方法4つ
 年末の大仕事といえば、家の大掃除ですよね。やはり、一年の汚れを綺麗にしてから、新しい一年を迎えたいものです。でも、何か...
コスパ最強!シクラメン超長生き育成術、この冬は美しい姿をキープさせる
 暖冬にも程がある2023年師走ですね。  カントリー風情たっぷりの立地にある猫店長「さぶ」率いる我が愛すべきお花...
日用品は見た目も大事よね♡ 好みの香りで良質な睡眠時間を
 コクハクリーダーズ1期生の「あんず」と申します。今回、ワクワクしながら新商品を使う機会に恵まれました。  日常生活で...
2023-12-16 17:32 ライフスタイル
「見慣れる」ってこわい 散らかった部屋を眺めて考えたこと
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
温泉旅行を計画中! でも浴衣の下は何が正解? オトナ女性の3つの選択肢
 彼氏や女友達と楽しむ温泉旅行。最近では旅館に添えつけの浴衣が用意されているところも多いですよね。  でも浴衣姿で...
悪臭漂う子どもの地獄汚部屋にもう限界!私がブチ切れた“ゴミ袋事件”の夜
 ステップファミリー6年目になる占い師ライターtumugiです。私は10代でデキ婚→子ども2人連れて離婚→シングルマザー...
尾道の町並みより絶景也! 恥ずかしがり屋のクロ“たまたま”
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
ふわっと何かが降り立った? 神々の宿る土地の光は優しい
 夜道を歩いていたら、ふわっと何かが降り立った気がした。  振り返ると黄色い稲穂が揺れていた。でも全然怖くはなかっ...
『姑息(こそく)』本来の意味は“ずるい”ではなく、一時しのぎ
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
ぼっちの年越し最高!大人の女性だからこそ許される“心の洗濯”プラン5選
 お正月といえば、恋人と過ごしたり、実家に帰省したり、賑やかに過ごす人が多いですよね。でも実は今、ぼっちでも一人のお正月...
【45歳からの歯科矯正】まじか。矯正8カ月で主治医から衝撃の提案が…
【これまでのお話し】 45歳で歯科矯正を始めようと思ったワケ(#1)/45歳女、5年越しにワイヤー矯正を決断!(#...
ほっこり読み切り漫画/第63回「フクフクモフモフ規格外ナノダ」
【連載第63回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、突然「コクハク」に登場! 「しっぽ...
子、姪、甥への「お年玉適正価格」問題 親戚と決めた我が家のルールは…
 子供たちのお正月の楽しみといえば、なんといっても「お年玉」ですよね。でも、大人にとっては「親戚の子へのお年玉の額をどう...
「自信がない人」必見! 必要なのは“勇気”なのかもしれない
 突然ですが、みなさんは自信と勇気の違いって説明できますか? 私はよく自信がなくて悩むのですが、本当は「勇気のなさ」こそ...