私が稼ぐしかない!「月経ディスク」で起業、元居酒屋店員の猪突猛進人生

コクハク編集部
更新日:2023-09-17 06:00
投稿日:2023-09-17 06:00

結婚、出産、そしてコロナ…

 その間、私生活では大きな変化を迎えます。

 板金業を営む実家で働きながら居酒屋も手伝っていた同い年の男性と“職場結婚”。1人目を出産・育休中に、在庫の場所を取らないパーティー向けの大振りアクセサリー販売の副業をスタートさせます。

「人生、いつ何が起こるか分からない」――。向井さんの頭の中には、常に母の教えがあったわけです。

 育休明けの職場復帰後も、会社は副業OKだったため、アクセサリー販売は続行。ところが、新型コロナウイルスのパンデミックとなり、第2子妊娠中で身重の向井さんはシフトに入ることが叶わなくなります。

 そのうえ、居酒屋は営業もできず大打撃を受けます。給料も大幅にダウンしてしまいました。

友人が教えてくれた月経ディスクにビビビ

 副業のアクセサリーも、パーティー需要がめっきりなくなり売れない。しかも大黒柱の夫はバイクで交通事故に遭い、一時は集中治療室に……。

「生活するためには、私が稼ぐしかないなって。子育てをしながらできる仕事って何? コロナみたいな有事に見舞われても影響を受けないビジネスって何? 起業するなら何? って、毎日考えまくっていました」

 フェムテック業界参画への転機は2020年8月、2人目出産後でした。

生理中のにおいに悩んでいた矢先に…

「当時の私は生理中のにおいに悩んでいたんです。産後にも1カ月ほど経血が出るので病院でナプキンをもらいます。それがなくなった後は特売品やパッケージの可愛さでナプキンを選んで使っていたのですが、旦那が買ってきたオーガニックのものに変えたら、嫌なにおいがしなくなって……。

 感動したって話を友達にしたら、『もっと便利な月経ディスクがあるよ』って。試しに友人から分けてもらって使ってみたら、とってもよかったんです。その使い心地はオーガニックナプキン以上に衝撃的で、『これでビジネス、いけるんちゃう!?』って頭ん中の電球がピカーッて(笑)」

 そんな向井さん、起業資金の調達手段として「令和の虎」に出演します。そして、2000万円を手にすることになるのですが……。

 後編につづく。

(取材・文=小川泰加/コクハク編集部)

◇向井桃子(むかい・ももこ)
 1988年9月生まれ、愛知県出身。2022年3月、「株式会社MONA company」を設立。2児の母。今年2月、「Why!? Direct.2023」スタートアップ部門部門賞を受賞。

公式YouTube「向井桃子は月経ディスクを愛してる」
公式通販サイト「MOLARA(モララ)」

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

ライフスタイル 新着一覧


セクハラに時間が解決?責任を負わない事なかれ主義者の無責任LINE3選
 波風を立てず、責任を負わず、誰かがどうにかしてくれると見てみぬフリばかりする「事なかれ主義」。  一見、平和主義...
見た目とキャラが合わないのは当然!悩んだときの考え方
「見た目の印象とキャラがだいぶ違うよね」と言われて、悩んだことはありませんか?  自分が周りに与える印象と実際の自分と...
夜明けとともに起きだしたコハクチョウの胸の内
「あ~! 眠いけど、きょうも1日がんばるかあ!」  なんて言ってたりして。今朝の自分のことだけど(笑)。  ...
SNSや現実でも…他人の容姿批判がやめられない人は2種類いる
 みなさんの周りに、他人の容姿(ビジュアル)についてうるさい人、いませんか?  私はそういう人を見るたびに「かわいそう...
バカにしてる、よね? 部下になめられる理由と上司が改めたい悪癖3つ
 キャリアアップはうれしいけれど、部下ができると「なんだかなめられている気がする…上司としての威厳がないのかな?」と新し...
いつだって癒しを提供…成長が楽しみな“たまたま”を愛でる
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
そのあえぎ声、どこまでが本当ですか?
 素朴な疑問、と頭に付ければ何を聞いても許されるとは思っていないのだが、失礼を承知で、どうしても聞きたいことがある。 ...
落ち込んだらシーラカンスのことを考えるといいかもしれない
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
お正月にしめ縄って必要かぃ?「しめ縄」と「しめ縄飾り」の違いも解説
 今年もあと2週間を切りました。年末だというのにあまりの暖冬、ここ数日は少しは寒くなったものの更年期のワタクシは、本職の...
「女は見た目がすべて」の思い出に悶々…容姿いじりのトラウマの克服法
「女は見た目がすべて」なんて言葉が昔からあるように、男性よりも女性の方が外見を厳しく見られる傾向です。そして残酷なことに...
人生初のぎっくり腰なぜ発症? 40女の激痛を救った意外なコスメは…
 齢46、人生初のぎっくり腰になりました。腰が砕け、身動きがまったく取れない状態に陥るって本当にあるんですね。  デス...
韓国は「ひとり飯」ほぼタブー! おひとり様=みじめな人認定で苦労した
 ちまたでは『孤独のグルメ』(テレビ東京系)や『ひねくれ女のボッチ飯』(テレビ東京系)、『めんつゆひとり飯』(BS松竹東...
2023-12-19 06:00 ライフスタイル
自然の石を積んだ石垣でできた江戸時代から続く「棚田の村」
 見知らぬ土地で、山道を越えて現れた見事な石垣に圧倒される。ここまで積み上げる労力を想像すると途方に暮れるし、これが自然...
“たまたま”とももうすぐお別れ…去勢前のおやつシーンを激写
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
#2 友達の結婚、喜べないのはなぜ? 勝ち組を裏切りだと感じてしまう記憶
【#1のあらすじ】  ミュージシャンの沙恵は高円寺に暮らし、芸人の卵や音楽仲間と毎日飲み歩いている。高円寺はうんざ...
#3 結婚で“輪”から去る友人への寂しさ。心地よい独身生活で失ったもの
【#2のあらすじ】  ミュージシャンの沙恵は高円寺に暮らし、毎晩芸人の卵や音楽仲間と飲み歩いている。高円寺はうんざ...