最近親の認知症が気になる…【専門家監修】対応法を理解し向き合う方法

コクハク編集部
更新日:2023-11-16 06:00
投稿日:2023-11-16 06:00

5. 認知症のケアには漢方薬もおすすめ

 漢方薬は、体質を改善したり、慢性的な症状に対応したりと、西洋医学ではカバーできない部分にアプローチができます。

 認知症の予防や症状の緩和にも漢方薬は注目されています。

 認知症は、加齢による記憶力や認知機能の衰えに加えて、ストレスや過労などにより血管が収縮して血流が悪くなり、脳に栄養が十分に行き渡らないことが原因と考えられています。

 認知症対策には、「血流をよくして脳の働きをよくしたり、脳の老化を抑える」「自律神経のバランスを整える」「消化・吸収機能をよくして疲れをとる」などの働きの生薬を含む漢方薬が選ばれます。

「親の認知症」について悩む女性におすすめの漢方薬をご紹介します。

<認知症に伴う症状の緩和におすすめの漢方薬>

 抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ):イライラや精神の高ぶりを抑え、落ち着かせる漢方薬です。からだに滞ったエネルギーの巡りをよくして、たまった熱を冷ます効果があります。

 帰脾湯(きひとう):エネルギーや栄養を補い、巡らせることで、精神を安定させ、不眠症や不安、抑うつなどの不調を改善する漢方薬です。顔色が悪く、虚弱体質の人に適しています。

 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):不安、緊張によるストレスなどの神経症状の不調を緩和する漢方薬です。更年期障害の精神症状にも処方されます。

 バランスのとれた食事や運動などを毎日続けるのは苦手という人も、漢方薬なら症状や体質に合った薬を毎日飲むだけなので、手間なく気軽に継続できます。

 ただ、漢方薬は体質との相性も重要です。人それぞれ異なる体質を見極め、適切な漢方薬を選ぶには、基礎から漢方を学んだ医師や薬剤師に相談するのがおすすめです。

6. 認知症の疑いがあるならまずは病院に!

「認知症にも種類があるんですね。そんなことすら知らなかった……」

「そうそう。あと、『親が認知症』と認めたくないあまり、病院に連れて行くのをためらってしまう人がいるの。認知症は進行性の病気だから、放っておけば放っておくほど症状が進んでしまうわ」

「まずは病院に行くのが大事なんですね」

「その通りよ。まずはお母様がどんな状態か、きちんと検査して調べてもらいましょう。今は認知症の進行を遅らせる薬もあるし、普段の生活にとり入れられるさまざまなケアもあるのよ」

 えりのボスは優しい表情でそう語りかけました。

「本当に今日はありがとうございました。少しスッキリしました」

 最初は暗い表情をしていた春香さんも、えりのボスの言葉を聞いて勇気をもらえたようでした。

★サロン「コクハク」のオーナー えりの

 顔と口調は若いものの、年齢不詳。タヌキか妖怪の噂も囁かれる謎めいた主人だが、ココロやカラダ、健康に関する知識はズバ抜けており、何気にハイスペック。ムスメ時代に苦労してるため、自分より“後輩”の女にはしあわせになって欲しいと願っている。愛称は、えりのボス。

(漫画/腹肉ツヤ子

  ◇  ◇  ◇

<この記事の監修者>

あんしん漢方薬剤師 中田 早苗(なかだ・さなえ)

 デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス-youtubeチャンネルでは、お薬最適化薬剤師として「無駄な服薬はお財布と体の敵!」をモットーに薬の最適な選び方を解説する動画を公開中。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。

「あんしん漢方」を詳しく見てみる

YouTube「Medical Health CH」

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

ビューティー 新着一覧


今すぐお腹の肉を隠したい! “部分ぽっちゃり”を撃破する6大アイテム
 若い頃にほっそりしていた人も、食生活をまったく変えていない人も、なぜか40代になるとだんだん代謝が落ちてふっくらしてく...
無自覚のスメハラは不本意…「香水つけすぎた?」判断法と匂いの落とし方
 いい香りを身にまとえる「香水」は、年代問わず多くの人が使っていますよね。でも、時には香水をつけすぎたことに自分で気がつ...
アラフォーこそ挑戦!ピンクとツヤ感“命”の「純欲メイク」やり方&コツ
 SNSで話題の「純欲メイク」。若い人にしかできないと諦めていませんか? 実は、純欲メイクは40代女性の魅力を最大限に引...
好きでも似合わない色ってありますよね…上手に取り入れる2STEPの方法
 ファッションを楽しむ上で知っておきたいのが「自分に似合う色」。とはいえ、好きだけど周囲の人には「似合わない色」と言われ...
不器用な人こそ試して!「ヘアアレンジが苦手」でも“おしゃれ髪”は叶う
 おしゃれな女性を見ていると、ファッションだけでなくヘアスタイルもセンスよくアレンジしている人が多いですよね! でも、ヘ...
冷えとの戦いは夏も続く! 30代からの「つらい下痢」改善対策ガイド
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
Over30歳向け・アイシャドウの掟…パウダーとクリームのどう使い分ける
 美しいアイメイクを完成させる手順は、アイシャドウの選び方から始まります。  アイシャドウにはさまざまなテクスチャ...
年1アプデの「セルフネイルとフェイスパウダー」はご褒美ブランドで!
 ネイルリムーバーとネイルポリッシュ、フェイスパウダーを年に1回のペースで最新アイテムに買い替えています。  長年...
見るだけでもツボ!? 平成vs令和「ギャルメイク」を再現→比較してみた
 ギャルアイメイクは、ガッツリとアイラインを引き、涙袋をくっきりと目立たせたうえに、まつげも盛りまくってぱっちりとした大...
サラダチキンそのままは飽きた…ダイエッター向きレシピ&代用食材3つ
 高タンパクで低カロリーな食材としてダイエッターに人気なのが「サラダチキン」ですよね! コンビニで簡単に手に入るだけでな...
「夏老け」って嫌な響きだな…40代を悩ませる5つの原因と対策を解説
 40代になってから「夏が過ぎると、一気に老けた気がする」と感じている人はいませんか。ジリジリと紫外線が肌を焦がす夏は、...
出た、ショッカーママ!紫外線対策やりすぎは女性として何かを失うかも
 暑い夏。女性の大敵といえば「紫外線」ですよね。40代を超えたら、しっかり紫外線対策をしたいところですが、たまに街中で見...
スプーンを活用!?「夏も崩れないアイメイク」を叶えるマル秘テク5つ
 夏は特に、アイメイクがうまくいかないと悩む声が聞こえてきます。粉末のアイシャドウが肌に密着してくれずに粉飛びしてしまっ...
性交痛の記憶がちらつく…セカンドバージンは“3つの戦法”で乗り越える!
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
また黒ずんでる!夏に毛穴が目立つ理由&引き締めるために有効なケア4つ
 夏の肌悩みの代表格といえば、毛穴の目立ち。夏になると一段と毛穴が開いたり黒ずんだりするので、「なんとか毛穴を引き締めて...
家の中でも日焼け止めはしっかりと必要です! その理由と4つの対策
 本格的な夏を前に、外での紫外線対策グッズをしっかり買い込んだ人も多いでしょう。でも油断してはいけません。実は、紫外線は...