地殻変動!下剋上球児、うちの弁護士…視聴率では見えないバズり作品は

こじらぶ ライター
更新日:2023-11-25 06:00
投稿日:2023-11-25 06:00

 ムロ演じる元敏腕芸能マネージャー・蔵前勉が、平手友梨奈(22)演じる新人天才弁護士でありながら思いやりの心と常識が欠落している天野杏を、パラリーガルとして支えるバディもののリーガルドラマ。

 ムロのクドすぎないコミカルさが心地良く、平手とのアドリブ合戦だというかけあいも視聴者の笑いを誘う。蔵前の聞く者の心を打つお説法は事件の解決に繋がったり、杏の「人間らしさ」を引き出していく。

 つっけんどんだった杏が蔵前に徐々にデレていく様も見どころの一つだ。

 年の差バディが絶妙な絡みを見せることで、2人それぞれに近い世代どちらからも反響を得て、世帯視聴率、配信の強さを両立させているのではないだろうか。

 23年秋ドラマ視聴率3位でありながら、TVerのお気に入り登録者数は12作品中12位の49.3万人に留まった「ゆりあ先生の赤い糸」は、題材が介護・不倫・嫁姑問題と中高年層には受け、若い世代にはそこまで刺さらなかったようだ。

「いちばんすきな花」が配信で支持されるワケ

 一方、TVerのお気に入り登録者数で23年秋ドラマ断トツ1位の139.3万人を誇るのは「いちばんすきな花」(フジ系)。同じ制作チームによる22年秋の同局メガヒットドラマ「silent」には及ばないものの、5話までの見逃し配信累計再生数は1900万回を突破している。

 ただ、全話平均視聴率は5.0%で12作品中10位。松下洸平(36)、多部未華子(34)、今田美桜(26)、神尾楓珠(24)という豪華クアトロ主演ながら、「silent」のような分かりやすい恋愛モノではなく、「男女の友情」をテーマにしたためか視聴率では伸び悩んでいる。

 それでも配信が強いのは、

「昔から2人組を作るのは苦手だった」
「傷つけられるのに慣れても、傷つかなくなるっていう事はないでしょう?」
「言っちゃダメなことはたくさんあるけど、思っちゃダメなことはない」

 など、毎話のように繰り出される名言が、多感な若い世代に刺さりまくっているからだろう。

注目3ドラマの強みは…

 まとめると、23年秋ドラマでは、中高年層を中心として世帯視聴率に強い「下剋上球児」、若い世代とコアファンに支持され配信に強い「いちばんすきな花」、世代問わずバランス良く見られている総合力の「うちの弁護士は手がかかる」が3者3様に注目を集めていると言えるだろう。

こじらぶ
記事一覧
ライター
STARTO ENTERTAINMENT、秋元康系女性アイドル、ローカル、地下アイドル等数々の現場を経験。Xでもご意見を募集しております。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


朝ドラ名物の闇市、小夜の食い意地はタダモノじゃねえ!
 戦争が終わって3カ月、世の中の混乱は続き、スズ子(趣里)たちは未だ公演ができずにいた。  愛助(水上恒司)の病状...
桧山珠美 2024-01-09 14:50 エンタメ
歯に衣着せぬ小夜のキャラを生かしたブギウギ流「玉音放送」シーン
 終戦の日。スズ子(趣里)たちは巡業先の富山で玉音放送を聞く。りつ子(菊地凛子)は慰問先の鹿児島で敗戦を知る。  ...
桧山珠美 2024-01-08 15:50 エンタメ
原作は4コマ漫画! 名作“ぎぼむす”のイケメントリオを味わい尽くそう
 新年あけましておめでとうございます。  例年であれば、大晦日は「ジャニーズカウントダウンライブ」で年越しするので...
特攻隊の前で「別れのブルース」、過去の“淡谷のり子物語”と異なる描き方
 1945年、日本の戦況はますます悪くなっていた。富山に慰問に来ているスズ子(趣里)は、女中の静枝(曽我廼家いろは)の話...
桧山珠美 2024-01-05 14:00 エンタメ
制作費の都合?「夜来香ラプソディ」音楽会シーンなしは残念すぎる
 上海の羽鳥善一(草彅剛)は、音楽会の準備を進めていた。羽鳥は、黎錦光(浩歌)が作曲した「夜来香」にブギを取り入れた音楽...
桧山珠美 2024-01-04 17:50 エンタメ
【2023年人気記事】マッチ様は逃げ上手と無責任のプロだった
【「残念プロフェッショナル」の流儀】  2023年も「コクハク」をご覧いただき、誠にありがとうございました。反響の大き...
堺屋大地 2024-01-02 11:44 エンタメ
辻希美&杉浦太陽はニベアのCM…仲良しラブラブ芸能人夫婦はお金を生む
 元モーニング娘。のなかで1番の勝ち組は、やっぱり辻ちゃん(辻希美)でしょう。  先日も元モー娘。の中澤裕子、保田...
スズ子と愛助の無償の愛、平和ボケの今とは違って生きるも愛するも命がけ
 東京に戻ったスズ子(趣里)は、空襲で一面ががれきになっている惨状を目の当たりにする。  スズ子が三鷹の家に戻ると...
桧山珠美 2023-12-28 14:10 エンタメ
東京大空襲、愛し合うスズ子と愛助の運命は…金曜放送回を前におさらい
 トミ(小雪)の許しが出て、山下(近藤芳正)が正式に楽団のマネージャーとして加わることになった。  スズ子(趣里)...
桧山珠美 2023-12-27 17:40 エンタメ
コワモテ黒田の起用は大正解! スズ子派に寝返り、顔芸と手振りが秀逸
 結核が再発した愛助(水上恒司)の看病を、三鷹の家で続けることになったスズ子(趣里)は、日々愛助のために身を尽くしていた...
桧山珠美 2023-12-26 15:50 エンタメ
藤井風「いちすき」で見せた弾き語りに惚れ惚れ、黒髪に代わってホッ
 21日、木曜劇場「いちばんすきな花」(フジテレビ系)が最終回を迎えました。  昨年、社会現象を巻き起こした目黒蓮...
平野・神宮寺・岸のNumber_iデビュー間近 24年は注目多数の群雄割拠
 滝沢秀明氏創設のTOBEに合流し、本格始動が待たれている元King & Princeの平野紫耀(26)・神宮寺勇太(2...
こじらぶ 2024-02-16 10:40 エンタメ
朝ドラでは珍しい正面からの接吻!愛助ママ(小雪)来襲で“恋の炎”燃ゆる
 愛助(水上恒司)は母・トミ(小雪)に呼び出される。トミからは、スズ子(趣里)に会うのはやめるように言われ、山下(近藤芳...
桧山珠美 2023-12-22 14:40 エンタメ
北川景子に長澤まさみ…SNS離れの深層、イメージ戦略には逆効果?
 12月16日、女優の北川景子(37)の写真集『『「37」 20th anniversary』公式アカウントがInsta...
東京コミコン2023は大盛況 ひときわ異彩を放った“大衆演劇”
 千葉・幕張メッセにて、12月8日(金)~10日(日)に開催されたポップカルチャーの祭典「東京コミックコンベンション20...
熊田曜子のSNSが放つ鋼のメンタル ハレンチ不倫疑惑もよき母アピール
 プロデューサーとの不倫疑惑と元夫とのドロ沼離婚裁判を経て、離婚成立後はSNSでたびたびセクシーな姿を披露している熊田曜...
堺屋大地 2023-12-20 06:00 エンタメ