コスパ最強!シクラメン超長生き育成術、この冬は美しい姿をキープさせる

斑目茂美 開運花師
更新日:2023-12-13 06:00
投稿日:2023-12-13 06:00

「師走に半袖かよ!」

 暖冬にも程がある2023年師走ですね。

 カントリー風情たっぷりの立地にある猫店長「さぶ」率いる我が愛すべきお花屋。その配達エリアは美しい紅葉シーズン終盤を迎え、配達途中に車窓を流れる赤や黄色に染まった木々をぼんやり眺めていると、サッカーを楽しんでいる半袖姿の子供たちに遭遇しました。

「師走に半袖かよ!」とツッコミを入れたワタクシですが、その本人も軽く脇汗…。この汗シミは更年期症状ばかりではなさそうでございます。

年末の気分がしない

 とはいえ師走、今年も「暮れの元気なご挨拶」のアノ商品が我が花屋の作業場を埋め尽くすシーズンがやってまいりました。

 アナタの家に迎えた頃と同じ綺麗な状態でお正月を飾っていただくためのコツとは…。

 今回は「コツさえわかれば超~お気軽! 冬のド定番シクラメン」の解説でございます。

シクラメンを長く楽しくためには

 2023年の夏は酷暑が長く続いたため、シクラメンはどんなもんじゃと心配しておりました。

 例年より若干遅れ気味ではあるものの、今年も無事、美しく咲き揃ったシクラメンが入荷。そしてもっか、お歳暮商戦真っ盛り!

 いただいたり差し上げたりの機会が多いシクラメンは正しく管理すれば、長期間、美しい姿を楽しめるお花です。

 しかし、ちょっとした勘違いでポテンシャルを存分に発揮できないまま、「バイバイ」されてしまうことも多く実に残念な植物の一つでもあります。

 シクラメンが短期間でゲンナリな原因は、

1. 暖房でめっちゃ暖かい
2. 暗い室内
3. 毎日水やりorやらなさ過ぎ

 良かれと思って人間が心地よいと感じる暖かな室内で大切に手をかけ過ぎてお世話すればするほど、シクラメンは元気がなくなるという皮肉な現象ではございます。

 そうならないための攻略ポイントは以下の3カ条。

1. 肌寒いくらいの寒さ
2. 明るいお日様の光
3. 正しい水やりタイミング

 ワタクシのお店で購入いただいたシクラメンがどうなっているのか…。

 お客様宅で成れの果て(聞こえが悪いけどw)を確認する機会がとても多く、「あー頑張ってる」と思う場所に置かれているのは、大概、窓際や明るい玄関でございます。

 特に暖房機から離れた日当たりの良い場所に置かれ、適度なタイミングあるいは底面冠水の鉢で水を飲んでいるシクラメンは、数カ月間購入まもない状態を保ってますな。

シクラメンの適正「水やり間隔」は?

「水やりは何日おきにすれば良いの?」

 店頭でよく聞かれる質問ですが、「そんなの知らんがな」と即座にお答えするワタクシ。なぜならシクラメンの置かれた環境でそれはだいぶ変わってしまうからでございます。

 水やりタイミングはまずは土の表面を触って判断。表面が乾いてからがポイントです。

 水をあげる時は鉢底から水が垂れる程度にタップリ、あげない時は何日もあげない。すべてはメリハリでございます。

 元気がなく葉がしんなりとしたので水が足りない! と与え続けたのにさらにしんなりの場合、水を与え過ぎた根腐れや球根が腐り始めたことを意味します。

 鉢植えを持ったときに「軽いかな」と思ったら水枯れ。「重い」と思ったら水のやり過ぎ。しばらく水を切って様子を見てくださいませ。

最初の株選びがポイント

 球根植物であるシクラメンは頑張れば来年も咲いてくれます。

「長生きシクラメン」はもちろん、「良い株」であることが重要。良い株はどう選べばいい?

 ポイントは以下の3点。

1. 葉の大きさが揃ってモッコリ
2. 葉がハリがあり色よく、触るとみっちりたくさん
3. 花の高さが揃っていてツボミがたくさん

 ハッキリ申し上げると、シクラメンほどピンとキリの差がわかりやすく、選択肢が多い植物は他にありません。

 高額良品は肥料を追加しながら咲き続け、我が花屋では毎年8月まで咲く強者もございます。

 球根植物は夏越しが問題ですが、シクラメンも同じ。梅雨あたりからは水をあげることなく、日陰の涼しい場所にて暑い夏を過ごし、9月あたりから肥料をあげ、日除けしながら育て始めると再び咲いてくれるのがシクラメンの凄いところです。

 まぁ、ワタクシのほっぽらかし園芸エリアは知らんうちに勝手に咲いてくれ、見つけると慌てて水をあげる…が常のいい加減な花屋でございますけどねw。

究極の救済方法

 室内でものすごく大切にしていたのに、葉が黄変してゲンナリしてしまった…という相談もよく伺います。

 そんな時は決まって、こうお答えします。

「鉢ごと外に出してください」

 球根が凍ってしまうほどの寒さでは一発アウトですが、基本的にシクラメンは寒さに強く、ゲンナリの原因の大半が「暖か過ぎ」&「水のやり過ぎ」の合わせ技です。

 そうそう、忘れてはいけないのが、プレゼントされたシクラメン。見目麗しいラッピングという重装備でアナタのお家にやって来るはずですが、このラッピングが蒸れとカビを呼び、やがては球根を死に至らしめます。

 美しいラッピングを取り外すのは惜しい…。その気持ちは理解できますが、すぐさまお取りいただいた方がベターでございます。お試しあれ!

 キラキラシクラメンが一日も長く楽しめますよう遠いお空の向こうからお祈りしておりますよ~。

斑目茂美
記事一覧
開運花師
半導体エンジニアを経て花業界に転身。イベント・ホテルなどの装飾も手がける生花店を営む傍ら、コンテストで優勝・入賞を重ね、雑誌・新聞等に作品を発表する。神奈川各所にて花教室を開催。障害者支援も花で実践。悩ましくも素敵なお客様を「花」で幸せへと導く道先案内人。ブサかわ猫店長「さぶ」ともに奮闘中。Facebookやってます。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


子ども同士のLINEにもドラマが!将来の夢はスパイに忍者…ピュアな感じがたまらん
 最近では、小学生でもスマホを持っている子が増えていますよね。連絡ツールとして友達とLINEを使いこなし、時代は変わった...
女はお嫁さん要員? 年収800万でも「行き遅れ」と見下される田舎の地獄
 西新宿の高層ビル内にある大手食品会社のデザイン室に勤務し、初台に暮らす咲子。実家とはほぼ縁を切ってはいるものの、悠々自...
毒親の介護をしたくない 実家から逃げた女が「決別」のため払った金額は
 西新宿のビル内にある大手食品会社のデザイン室に勤務し、初台に暮らす咲子。実家とはほぼ縁を切ってはいるものの、おひとりさ...
田舎を捨てた「独身女」は不幸ですか 絶縁した家族が来て…今さら何の用?
 いまだ残暑が残る9月の初め。月曜日のAM7:30。  すでに汗ばむ陽気に包まれながら、西村咲子は新宿西口の高層ビ...
職場で飛び交う「大人のちくちく言葉」4選。無意識に同僚・後輩のモチベを下げてない?
 人の気持ちを不快にさせる、ちくちく言葉。子どものちくちく言葉は「アホ」「バカ」「マヌケ」などストレートですが、大人にな...
“たまたま”に見覚えあり!尾道市立美術館の「ケンちゃん」ではないかぃ?
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
大優勝!秋から元気な“開運最強”花5選。一輪挿しでも存在感たっぷりで映える1本を紹介
 台風10号の遠隔豪雨は、神奈川にあります猫店長「さぶ」率いる我がお花屋にも様々な影響を及ぼしました。大雨を睨みなが...
みんなどうしてる? 大地震の経験者が語る我が家のリアルな地震対策7選
 南海トラフ地震の危機感が高まる中、「我が家も地震対策を見直さないと」と思っている人は増えているようです。ただ、実際に被...
バツイチ女一匹「昭和の意地」を捨てたおじさまから商店会会長を任されましたよ…!
 前回、ポンコツ商店会再起動という渦に巻き込まれた私。とりあえず、様々な問題解決のため、床屋さんと元酒屋さんとの密なミー...
猫飼う40独女が準備する「防災グッズ」元カレのアレと被災した親の経験談が沁みる…
 9月1日は「防災の日」でした。地震や台風などに対する不安が高まっている今、災害に備えていますか? 私は、しなきゃしなき...
40代“子育て女”キャリア再形成に苦戦中。専業主婦→パートを経たその先のハードルが高すぎる
 セックスレスやセルフプレジャー、夫婦の在り方などをテーマにブログやコラムを執筆している豆木メイです。  最近、フ...
簡単!秋におすすめのアロマと桃尻・股関節・ふくらはぎ・内ももの鍛え方【調香師がチャート別に解説】
 適度な運動で汗をかくと健康になるのはもちろん、達成感で幸福ホルモンが刺激され、心や肌にも潤いを与えます。今回は、フェロ...
祝“たまたま”2nd写真集発売!「神表紙」の魅惑ポーズの裏側に迫る
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
水の中の緑のカーテン
 水底に沈んで  上を見上げているつもりになって  涼んでみる
「阿婆擦れ」は“当て字”。もともと男性にも使われていた
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
目指すは我が家でホムパ! プ~ンと漂う家の臭いの根源と3つのテッパン対処法
 自分の家の玄関を開けてふわっと嫌な臭いがした時、本当に凹みますよね。  わが家の臭いには、慣れてしまいがち。他人に気...