サマンサタバサ、4℃大量閉店 エビちゃんOL系が令和世代にウケない背景

コクハク編集部
更新日:2023-12-30 06:00
投稿日:2023-12-30 06:00

“エビちゃんOL”で台頭したブランドの凋落

 これも時代か…。かつて若者の人気ブランドだった「Samantha Thavasa(サマンサタバサ)」の経営危機が報じられた。8期連続の最終赤字に陥って、閉店する店舗が増えている。ヒルトン姉妹や世界の人気モデルを起用し、日本でも大学生や20~30代の会社員で流行っていた。

 さらに、ネックレスやリングなどの宝飾品ブランドとして知られる「4℃(ヨンドシー)」も業績悪化し、不採算のブライダル店を大量閉店するなどの改革が話題に…。

 いずれも共通点は2008年前後にピークを迎えたエビちゃんOLブームで重宝されたブランドだ。

 ファッション雑誌「CanCam」(小学館)の専属モデルだった、エビちゃんこと蛯原友里(44)をはじめ、山田優(39)、押切もえ(44)が表紙を飾っていた頃の大学生や20代OL(現在の30代後半から40代)にウケていたブランドで、サマンサタバサはエビちゃんがCM起用されていた。

 ちなみに同時期に流行っていた渋谷109の象徴だったギャルブランド「CECIL McBEE(セシルマクビー)」も、2020年11月に全店閉店。

 エビちゃんOLを中心に「フェミニン」で「コンサバ」なスタイルがブームだったが、これらのブランドの大量閉店のニュースを受けて、SNSでは《今は合コン服とか、女子っぽいのは流行りじゃないし》などの投稿もある。

「枠」にとらわれないのが好き

 神戸情報大学院大学客員准教授で印象戦略コンサルタントの乳原佳代氏が言う。

「今の高校生から大学生の女性は30代以上の大人に比べて、ジェンダーに敏感です。男女はもちろん、女性っぽいとか、かわいいとか、○○系といった枠にとらわれるのを嫌がる傾向にあり、彼女たちの間には、10年以上前のようなカテゴリーがありません。

 それでも、いわゆるギャルやエビちゃん系ファッションの子もいますが、一大ブームを巻き起こすような土壌はないといえます。これが大量閉店の背景ではないでしょうか」

 最近は、「WEGO(ウィゴー)」や「GU(ジーユー)」のようにユニセックスで安価に購入でき、ほかのブランドとの組み合わせでかわいい系やギャル系、スポーティーなど個性的かつ自由にアレンジしやすいシンプルなブランドが人気だという。

お金をかけずに真似る

 また、経済事情や若者の韓国ブームも影響している。若者の流行に詳しいウェブマーケターがこう言った。

「10代から20代の女性に人気なのが、オーバーサイズまたはピッタリと身体のラインが分かるファッション。韓国のアーティストやタレントからブームが来ています。情報収集は圧倒的にInstagramかTikTok。特定のファッション誌を参考にする人は減っていて、代わりにインフルエンサーが、お金をかけずに似たファッションができるよう、ジーユーやユニクロなど安価なブランドから組み合わせなどをまとめています」

 中国発のファストファッションサイト「SHEIN(シーイン)」で、ハイブランドの類似デザインの衣類やアクセサリーを購入。それを個性に合わせてアレンジするのも、もはや定番だ。

 赤文字系や青文字系などもはや死語。それでも、判をついたようなエビちゃんブームがちょっぴり懐かしい…。

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

ビューティー 新着一覧


女性は“脱水リスク”が高い理由。猛暑で「喉が渇いた」時にはもう遅いって知ってた?【医療従事者監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
髪の日焼け、忘れてない? 夏の紫外線対策とヘアケア方法をおさらいしましょ
 夏の強い紫外線が、肌だけでなく髪の毛にもダメージを与えるのをご存じですか? 毎日しっかりスキンケアしていても、髪がパサ...
ギリギリ…恥ずかしい“歯ぎしり”どうすればいいの~!? 睡眠不足や肩凝り、4つのリスクと対処法【医療従事者監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
実は損する? 2wayコスメは「のっぺり顔」の危険アリ。かしこい買い方を美容家が教えます
 美容でも、節約を心がけたい! けれど、もしもその節約術が「間違いだらけ」だったとしたら…?  時短美容家の並木まきが...
「腸活」で“幸福感”が上がるってホント? 嬉しい4つの効果と手軽に始められる3つの方法【医療従事者監修】
 最近注目されている「腸活」は、腸内環境を整えることで免疫力や代謝、メンタルまでサポートしてくれる健康習慣です。  実...
粉薬×ジュースは“相性”があるってホント? 飲みにくい粉薬はこう対処するのが正解【医療従事者監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
日焼け止め、重ねたら「効果もアップ」するの? 下地を塗る順番も聞いてみた/医師監修
 SNSやYouTubeにさまざまな情報が溢れている昨今。美容について発信するアカウントも多く存在し、なかには同じテーマ...
あっつ…夏の不眠、どうにかできない? 熱帯夜に「ぐっすり眠る」ための4つの方法【医療従事者監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
去年の「日焼け止め」使っていい? 意外と知らない買い替え時期、あの場所での保管は極力避けて!/医師監修
 SNSやYouTubeにさまざまな情報が溢れている昨今。美容について発信するアカウントも多く存在し、なかには同じテーマ...
「ジェネリック医薬品」って何が違うの? いまさら聞けないメリット・デメリット【薬剤師解説】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
紫外線は“顔のたるみ”の大敵です! 老化だから…って諦める前に試したい4つのこと【医療従事者監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
ひぃ~! ツヤ肌ファンデ→数時間でドロドロに…。大人世代が「買って後悔する」コスメのポイント【美容家解説】
 炎天下でもドロドロ顔面を回避したい40代にとってファンデーション選びは死活問題。最近では比較的安価なツヤ肌ファンデーシ...
「化粧めんどい界隈」に伝えたい。ずぼらな私が発見した“ラクして可愛いを作れる”6つのウラ技
「あと15分で家を出なくちゃいけないのに、まだメイクできてない! 手抜き感は出さずにパパッと終わらせたい!」「出勤しなき...
えっ、食物繊維が逆に「便秘の原因」になるってホント? “正しい摂り方”を知っておかなきゃ【薬剤師監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
痩せたい…でも食事制限は嫌! ダイエット中の間食、何時に何を食べればセーフなの?【医療従事者監修】
 ダイエットをしていると、厳しい食事制限をしがち。とはいえ、食事制限でストレスがたまって過食してしまっては、元も子もあり...
知ってた?「レチノール」に紫外線は大敵です。夏にヘビロテする前にちょっと待って!【医療従事者監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...