会話スキルなしでもOK 「立ち飲み屋」は自然な出会いの宝庫

うかみ綾乃 小説家
更新日:2019-07-17 06:24
投稿日:2019-07-17 06:00

 出会いは欲しい。できるだけ自然に。もっと言えば運命を感じる形で……。

 古今東西の人類の望みです。たとえ出会いを求めて合コンに参加したとしても、同じイケメンなら下心を発揮して迫ってくる勇者より、数合わせのために仕方なく参加した無欲なイケメンのほうが価値が高く見えます。先方も女性をそう見ています。

 では、どう無欲に、下心がないことになっている状況で多くの男性と出会えるのか。私が皆さんに強くお勧めしたいのが立ち飲み屋です。

 立ち飲み屋といえば酔っ払いのおじさんがたむろしているイメージがありますが、最近は女性がひとりでも入りやすい店が増えています。私も数多の店に通っていますが、どこもふらりと入った者同士で親しくなる男女の多いこと。

年齢も年収も関係なく「飲み友達」になれる

 良さはまず、客同士の距離が近く、声をかけ合うのが自然であることです。

 多くの店はカウンターのみか、相席にもなる小さなテーブルがいくつかある形式。隣の客に「よくここにいらっしゃるんですか」と訊くのは、バーや居酒屋だと勇気が要りますが、立ち飲み屋なら自然な挨拶です。

 私の場合は最初にひとりで飲んでいると、常連の女性客に声をかけられ、そこからほかの客たちとの輪が広がっていきました。女同士で楽しく飲んでいると、副次的効果で、初対面の男性たちとも声を掛け合いやすくなります。

 客層は幅広く、昼間なら自営業、夜はお勤め帰りの方が中心。20代も80代も、年収が200万でも2億でも、ここではただの飲み友達。声を掛け合うのが自然な場所ではありますが、立ち飲み屋を好む人間は精神的なパーソナルスペースが広く、独りを楽しめるタイプが多いので、いわゆる常連客同士の内輪ノリはありません。また、立って飲むのでアルコールが回りすぎることもなく、互いに陽気に酔いつつ程よく節度も保てるのも良さのひとつ。

素敵な相手とふたりきりになったら

 さて、あなたは素敵な男性と出会いました。

 立ち飲み屋はさらに、店員や常連客にどう接し、接せられているかで、その人の人となりが現れる場所でもあります。寡黙に周囲の話を聞いている人、会話のリーダーシップを取る人、潤滑油になる人、様々です。

 椅子がないので動きやすく、ふと誰かとふたりきりにもなります。初対面同士なら「いつ頃、どういうきっかけでこの店に通いはじめたんですか」との質問が交わされますが、これには誰もが、《大勢に対する簡単な答え》と、《対ひとりであれば口にできる答え》を持っているもの。あなたが気楽に飲みつつも、真剣に相手の言葉に耳を傾けていれば、彼はたまにしか口にしない本音を言ってみたくなり、聞いてくれたあなたを特別な記憶に残すかもしれません。

 中には、ひとりで黙って飲むのを好むタイプもいますが、あなたが気になるのなら、「よくここいらっしゃるんですか」と声をかけてください。とにかく声をかけるのが自然な場所です。

 ひとりを好む人でも、その日、立ち飲み屋を選んだ以上、なんとなく人恋しかったり、誰かと喋るのも悪くない、という気分でいるものです。人の隙間がそこにあります。

会話スキルがなくても大丈夫

 話のネタはいくらでもあります。

 会話スキルに自信がなくても大丈夫。立ち飲み屋は酒にもつまみにこだわっているお店が多いので、「その焼酎はなんですか」「ふだん家ではなにを飲まれているんですか」「このつんつん漬けって食べたことあります? 一緒に挑戦しませんか」

 あくまで下心がない前提でのやり取りなので、多少女性からグイグイいっても「社交」の範囲内。そして男性は女性以上に異性を意識する動物です。どうぞ飲み仲間の顔をしながら、中、高時代のような、クラスメイトや先輩に抱いていた微妙なときめきと甘い不安を味わっていただきたいと思います。

 さらに立ち飲み屋ならではの関係の縮め方や、相手の人となりを感じられる場面があります。次回に続きます。

うかみ綾乃
記事一覧
小説家
2011年「窓ごしの欲情」(宝島社文庫)で日本官能文庫大賞新人賞受賞。’12年「蝮の舌」(悦文庫)で第二回団鬼六賞大賞受賞。コラムニスト、映画の原作&脚本家としても活躍中。近著に「蜜味の指」(幻冬舎アウトロー文庫)。2020年から原作映画『モンブランの女』(『モンブランを買う男』AubeBooks)が全国で公開中。
ブログ http://ukamiayano.blog.fc2.com/

ラブ 新着一覧


【女性の浮気】結婚後に遊び始めた“元・非モテ女子”の勘違い
 男女問題研究家の山崎世美子(せみこ)です。「浮気」といえば一昔前まで男性がすることがほとんどというイメージでしたが、今...
山崎世美子 2022-05-07 06:00 ラブ
薄給夫に不倫疑惑!証拠隠滅&ノー自白に翻弄される43歳女性
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2022-05-07 14:51 ラブ
妻に不倫がバレたけど…頑なに認めない43歳控えめ男性の主張
「冷酷と激情のあいだvol.89〜女性編〜」では、夫であるユウスケさんの不倫の証拠を掴みつつも、夫が認めないことに悩む妻...
並木まき 2022-05-07 06:00 ラブ
恋愛下手から恋愛上手になりたい!特徴5つ&注意点3つを習得
 好きな人ができてもなかなか恋愛に進展できない人や、せっかく彼氏ができても交際が長続きしない人は、「私は恋愛下手かも……...
恋バナ調査隊 2022-05-06 06:00 ラブ
【30代女の体験談】ほぼ毎日ささみ!モデル男と交際した顛末
 キレイめモデル系男子と付き合いたい! という女性は大勢います。けれど、実際にイケメン男性モデルとお付き合いしたら、想像...
内藤みか 2022-05-05 06:00 ラブ
男ドン引き!恋愛成就のお邪魔虫“マウント女”になってない?
「アラフォーになっても、なかなか結婚相手が現れない」と焦っていませんか。それ、もしかしたら、恋愛における“マウント女”に...
恋バナ調査隊 2022-05-05 06:00 ラブ
綾瀬はるかなら許せても…“干物女あるある”から脱却方法まで
 数年前、綾瀬はるかさん主演のドラマ「ホタルノヒカリ」でも話題になった「干物女」。何をするにも「面倒臭い!」が前提で、恋...
恋バナ調査隊 2022-05-05 06:00 ラブ
重い女と思われる二大瞬間!男性から嫌われないための解決策
 付き合うきっかけは彼からなのに、いつの間にか「重い女」になってしまう経験はありませんか。そんなつもりはないのに、男性側...
若林杏樹 2022-05-04 06:00 ラブ
ぽっちゃりはモテ!“抱き心地がいい女性”が磨くべき場所は?
 アラサー・アラフォーになると、今までと変わらない生活をしているのに「だんだんぽっちゃり体型になってきた……」と、焦る人...
恋バナ調査隊 2022-06-01 12:32 ラブ
「女友達に恋愛相談」やっぱり誰でもいいわけではありません
 恋愛で悩んだ時に、同性の女友達に相談する人は多いですよね。でも、実はこの選択、場合によっては危険なケースもあるようなの...
恋バナ調査隊 2022-05-04 06:00 ラブ
「愛情不足では?」元旦那と離婚、呪縛から逃れた先の“偏見”
 ステップファミリー5年目になる占い師ライターtumugiです。私は10代でデキ婚→子ども2人連れて離婚→シングルマザー...
“不幸な恋愛”が続く理由と特徴を考えてみた 経験に糸口あり
 ある程度の年齢になってくると、恋愛経験も増えてくるはず。しかし、それにも関わらず、いくつになっても今までの経験を活かす...
恋バナ調査隊 2022-05-02 06:00 ラブ
“バツが多い”男性との恋愛 離婚の原因以外に確認すべきこと
 3組に1組が離婚しているといわれる現代。年齢を重ねていくごとに、“バツ”ありの男性と出会うことは増えてくるでしょう。で...
恋バナ調査隊 2022-05-02 06:00 ラブ
「モテる女性」こその悩み…大変だと同情するか、嫉妬するか
 モテる女性を見て「私もあんな風にモテてみたい! と、羨ましく感じる人は多いでしょう。中には「あの子ばっかりモテてずるい...
恋バナ調査隊 2022-05-01 06:00 ラブ
「痔の薬よろしく」彼氏に誤送信LINE!終わったと思いきや…
 大好きな人の前では、いつでも可愛くいたいもの。でも、私たちの日常には、それを脅かす危険なツールがあります。  そう、...
恋バナ調査隊 2022-06-01 12:25 ラブ
交際4カ月でキスだけ 恋人と“性交渉ゼロ”34歳女性のモヤモヤ
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2022-04-30 06:00 ラブ