春を告げる「ミモザ」、“命短し”可憐なフワフワを長持ちさせる鉄の掟3条

斑目茂美 開運花師
更新日:2024-02-14 06:00
投稿日:2024-02-14 06:00
 先だって大雪に見舞われた、我が愛すべきお花屋の周辺にも春を告げる鳥がボチボチやってくるようになりました。
 しかも店先まで飛んできてはデイスプレイされた花木で休んで鳴いております…。ウチの花屋は店長が猫なんだけどなぁw。あまりのボンクラ店長でバカにされてるのかもしれませんな。

待ちに待ったミモザの季節!

 ◇

 カントリー風情たっぷりの立地なので、2月ともなると絶賛大人気中のフワフワ黄色いミモザがそこかしこで咲きはじめ、穏やかな春の到来を優しい風に乗せて知らせてくれます。

 ミモザは切り花としても大人気で、トップシーズンともなると、SNSは“黄色いその子たち”で沸いております。とはいえ、命短しのフワフワ、少しでも長く楽しみたいですよね。ドライフラワーとしても楽しめるミモザの攻略は?

 今回は「フワフワは重要ですわよ! ミモザの長持ち方法」の解説です。

闘いは購入時からすでに始まっている

 ミモザの最大の魅力はフワフワですが、花木の中でも日持ちがしないといわれております。

 鉢植えなら最後まで安心して楽しめますが、切花ともなると水揚げの失敗などの災難に見舞われ、本来の楽しみを奪われてしまう可能性も…。

 確実にフワフワが欲しいなら、お花屋さんですでに咲いているものをゲットすれば良いのですが、それだと2、3日でフワフワは消滅です。

 その点、蕾の状態だと徐々に咲きはじめ、1週間超は楽しめます。その際の攻略ポイントは以下の通り。

1. 硬すぎなく綺麗な黄色の蕾を選ぶ

 硬すぎる蕾は咲かない可能性大、水揚げの失敗は大いに考えられます。硬すぎたり黒ずんだ蕾はまず咲きません。膨らみかけた蕾を選ぶのが正解です。

2. 乾燥に弱いので工夫した水揚げ法を行う

 ミモザは乾燥に弱く、水を大変よく飲むので、ただ茎を切っただけでは失敗する可能性が高いとされています。

 水揚げ前に用意いただきたいのが、新聞と大きめのビニール、水がタップリ入る花瓶、そしてあればグリセリン。

 そして、まず気をつけていただきたいのは、茎の長さと切り口です。茎が長ければ長いほど水揚がりが大変なので、可能な限り短くカットして。あるいは、切り口をナイフで深く斜めにカットした上で、茎の中のフカフカ部分は極力撤去。

 ナイフが難しければ、刃が細いハサミで茎を縦割りで深く裂け目をのばし、同じくフカフカを除きます。トンカチで切り口を叩き、そこをフサフサにするもかなり効果的ですわよ。

 その後、花の部分を新聞で包み、蛇口で逆さ水(茎を上にして新聞の上から水をかける方法)をした上で、切り口が乾く前に素早く花瓶に入れ、たっぷりの水を吸わせます。

 そしてふんわりとビニール袋で花の部分を包み、葉からの蒸散を利用して花に湿気を含ませて一晩。水が上がってからは全部取り除きます。

 この時に吸わせる水には品質保持材などの薬剤、それにグリセリンを加えると、ドライフラワーになったあとも若干柔らかく仕上がります。

 グリセリンは熱湯で溶かしてから花瓶に入れてくださいませ。柔らかく仕上げたいので、目分量ではありますが、結構入れますな。

 生花として楽しむ間は、定期的に霧吹きするのも良い方法でございます。

3. ドライフワラーにするなら水を切る時期を早めに

 ドライフラワーを希望するなら、フワフワ最高潮の時期に水から引き上げるのがオススメです。もっとも簡単なのは、風通しの良い&直射日光が当たらない場所で逆さに吊るす方法です。

 逆さにしないと花が垂れてあまり綺麗に仕上がりません。茎ごとリースにするのなら、生の状態でリースにしないと茎がバキバキに折れてしまいます。

 リース状に茎を丸めたら、まずはドライになるまで吊るさずに、平面に置いた状態で乾くのを待ちます。置き場所にもよりますが、2、3日ほどでドライになりますのでご安心ください。

 シリカゲルを使う方法もありますが、色は綺麗に出るものの、コストがかかります。吊るしでも十分楽しめますので、逆さ吊るしでも支障ないかと思います。

 前述のグリセリンを使用したミモザは、葉がバリバリになりにくく、比較的柔らかく仕上がりますよ。同じくドライフラワーで人気のユーカリなどでも試す価値はございます。

花屋間で争奪戦がぼっ発

 今年もミモザを巡っては、花屋間で争奪戦がぼっ発しております。毎年、全戦全敗しているワタクシ。もう諦めて市場に卸す勢いで自分で育て始めちゃいましたw。それぐらい大人気のミモザ、ぜひアナタのお家にお迎えくださいませ。

 ミモザの黄色いフワフワが春風に乗ってアナタに幸せを運んでくれますことを…遠いお空の向こうから応援しておりますよ~。

斑目茂美
記事一覧
開運花師
半導体エンジニアを経て花業界に転身。イベント・ホテルなどの装飾も手がける生花店を営む傍ら、コンテストで優勝・入賞を重ね、雑誌・新聞等に作品を発表する。神奈川各所にて花教室を開催。障害者支援も花で実践。悩ましくも素敵なお客様を「花」で幸せへと導く道先案内人。ブサかわ猫店長「さぶ」ともに奮闘中。Facebookやってます。

ライフスタイル 新着一覧


花屋解説!コロナ禍の「喪中ハガキ・メール」お悔やみマナー
 今年もあと1カ月程度。猫店長「さぶ」率いる我がお花屋さんも、年末の準備をしなければいけない時期になっておりました。 ...
「アヒル隊長 大冒険セット」再販に歓喜! 2022.11.22(火)
 昨年11月、数量限定発売されたバスクリン「きき湯とアヒル隊長 大冒険セット」。現在、再販しているのを知っていますか? ...
女から嫉妬されやすい女性の特徴 無意識ほど怖いものはない
 女性の中には、「なぜか同性から嫌われる」という人がいます。相手に何かしたわけでもないのに、初対面から嫌な態度を取られた...
SNS疲れしたあなたへ 30代は“中途半端な人間関係”の清算を
 いまや年齢に関係なく、多くの人が「使いこなして当たり前」のSNS。でも、表情も声色(こわいろ)も分からないSNS投稿で...
白×黒柄のカモフラ!? めちゃ尊い“たまたま”に心が洗われる
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
外で心が乱されても居場所があれば大丈夫 2022.11.20(日)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
ステージ衣装用の真っ赤なランジェリーで“魔法”にかかった
 書店員として本を売りながら、踊り子として舞台に立つ。エッセイも書く。“三足の草鞋をガチで履く”新井見枝香さんの月イチ連...
残業して当然なの? 子なし女性がイラッとした非常識LINE3選
 アラサー・アラフォー世代には、子持ち女性と子なし女性が混在しますよね。だからこそ、自分と環境が異なる女性へLINEする...
2022-11-19 06:00 ライフスタイル
“業界用語”炸裂トークにイラッ!「皆が知ってる」前提は危険
 みなさんは友達が同じ職種の方って、どのくらいいますか?  私はほとんどが自分とは違う業種で働いている人ばかりです。そ...
新宿から35分!「里地里山」で心に栄養を 2022.11.17(木)
「疲れたー、疲れたー、やっぱり疲れたー」  が、口癖になっている筆者に「日めくりコクハク」でもおなじみ、街の景観を...
苦手ならしゃーない!義理の姉とは適度な距離感をキープして
 どんなにコミュニケーション能力が高い人だって、「苦手だな」と感じる人はいるものです。それがプライベートの関係であれば、...
キスだけにしておけばいいのに…欲ばり“たまたま”の失恋物語
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
菊=仏花は古い!改め「マム」は邪気祓いにも一役買います
 NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が最高にオモシロイです! 放送が待ち遠しく毎週日曜日には古(いにしえ)の人々のドラマ...
秋の日はつるべ落とし 長い夜どう過ごす? 2022.11.16(水)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
おひざ大好き♡ 甘えっ子“たまたま”がいっぱいな癒しのお店
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「五十路アイドル」キムタクに膨らむ妄想 2022.11.13(日)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...