「桃」は最強の魔除けアイテム!食べてよし、飾ってよし。

斑目茂美 開運花師
更新日:2024-02-28 06:00
投稿日:2024-02-28 06:00
 まもなく上巳の節句(桃の節句)。女の子のお節句でございますわよ。ひな祭りシーズンになるとお花だけでなくスイーツやグッズも桃色ピンクで優しく、なんだかワクワク、元気が出てまいります。

もうすぐひな祭りですね

 ひな祭りのテッパンアイテム「桃の花」は、まもなくやってくる本格的な春の到来を知らせるお花ですが、日本古来からずっと崇(あが)められてきた最強邪気払いアイテム! なのはご存知でしょうか。

 強いチカラを持つ桃が今回の主役。「ひな祭りだけじゃもったいない!! 邪気退散の桃のチカラ」の解説でございます。

邪気を祓って災いから子供を守る

 ひな祭りの本来の目的は「災いから子供を守る」ことで、話せば長い壮大な厄祓いイベントです。

 そもそも奇数が重なる日は縁起の悪い「重日」とされ、古来中国では不吉な日に厄祓いイベントを執り行う風習がありました。男女のお節句が「3月3日」(上巳の節句)や「5月5日」(端午の節句)になっているのも、始まりはそこからですのよ。

ひな祭りには欠かせない

 農耕文化の日本において季節の節目を表す「五節句」(人日・上巳・端午・七夕・重陽)は、邪気が入りやすい季節に諸々厄払い行事を執り行う大切な日。ひな祭りに欠かせない「桃」は、古来より邪気を祓う魔除けアイテムとされ、花や実だけでなく木も邪気を祓う強力なチカラがあると考えられているようです。

 中国では「不老長寿の実」とされ、縁起が良く仙人が食べる実「仙果(せんか)」と愛されてきただけでなく、古代では3月3日は桃の花を飾り、邪気を払う桃の花を浸した酒「桃花酒」を飲んでいたといわれています。

 古事記の中でも奥さん(イザナミ)に先立たれたイザナギが亡き妻会いたさに黄泉の国へ行ったところ、すっかり黄泉の国の住人になっていた家人の変わり果てた醜い姿を目にするわけですが…。

“バケモノ”になった姿を確認するや否やびっくりして一目散に逃げるイザナギ。逃げる途中に、追っかけてきた雷神と黄泉のバケモノにたまたま生えていた桃の実をブン投げて追っ払った――という妻のイザナミからしたら随分勝手な男の話でもありますw。

 桃太郎も、桃の実から生まれたアンビリーバブルなお話。桃の化身(?)としてわざわざ鬼ヶ島に行きますし(鬼は鬼ヶ島で平和に暮らしてたかもしれないのにねw)、鬼を祓う節分に儀式で使われる弓や杖は桃の木で作られていたり、桃には鬼や邪気を退散してくれる凄いチカラがあるようで、利用しない手はありません。

ひな祭りだけじゃもったいない魔除け

 桃の花は旧暦でいえばひな祭りの時期にバッチリ咲いていたものの、今の暦ではチョイと早い。それゆえ「寒さに弱く、咲かずに終わる」という悲しい現実に見舞われるケースもあります。

 我が愛すべきお花屋は神奈川の片田舎にあるせいか、未だ年中行事は盛んでひな祭りにはキチンと雛人形を飾り、そのそばには桃の花というテッパンを未だ守るご家庭が多い素敵な土地柄です。

 ゆえに一日でも長く桃の花を保たせるために、寒いところで桃の花を管理…なんて悲しい勘違いなお話もよくあるのですが、それダメー! なんでござんす。

 桃の花は本来、もっと暖かくなってから咲くお花。いま時分にお花屋さんに入荷する桃は出荷直前まで暖かいところで大事に管理されてきた“お姫様”なので、お花屋さんでもかなり気を遣って温度管理をしなければなりません。

 切り花の桃の花は気温が下がるとみるみるピンク色のツボミが黒くなり、咲くことなくやがて落下してしまいます。

 お雛様の飾ってある部屋は寒いから、あるいは玄関は寒いから日持ちするわよね~なんておっしゃる方が多いのですが、花は黒く変色して落下するので、もう飾らない! と離脱する方も多いこと。お気の毒な桃の花の可哀想なところなのでござんすよ…。

 桃の飾る場所は、アナタの居心地の良い暖かい場所に置いていただけたら基本的に大丈夫。せっかくですからリビングなど、人が集まる場所でそこに集う人たちひっくるめて邪気払いをしてもらいましょ! ただしエアコンの風が直接当たると即死しますのでお気をつけあそばせ。

切り口を金槌で叩くのはNG!

 そしてもう一つ。水はとてもよく飲みます。飲みやすくしてあげるために太い枝を長いまま飾る場合は、枝の切り口を縦十文字か一文字に割ると良いですよ。

 枝物の場合、切り口を金槌で叩いて水の吸水面積を増やしたりしますが、衝撃を与えるとツボミが落下しますので、桃の場合はNGです。

 春の卒業式シーズンは、魔除けの桃のトップシーズンでもございます。ワタクシは子供達の成長とこれからやってくる彼らの素晴らしい将来を願い、式典会場には厄除けと大願の桃の花を努めていけ込んでおります。

 縁起の良い桃の花は花が終わった後も可愛らしい新芽も芽吹いて、ますます春を感じます。ぜひお試しあれ!

 邪気を祓って縁起を担ぐ桃の花がアナタに健康で素晴らしい日々を運んでくれますことを…遠いお空の向こうからお祈りしておりますよ~。

斑目茂美
記事一覧
開運花師
半導体エンジニアを経て花業界に転身。イベント・ホテルなどの装飾も手がける生花店を営む傍ら、コンテストで優勝・入賞を重ね、雑誌・新聞等に作品を発表する。神奈川各所にて花教室を開催。障害者支援も花で実践。悩ましくも素敵なお客様を「花」で幸せへと導く道先案内人。ブサかわ猫店長「さぶ」ともに奮闘中。Facebookやってます。

ライフスタイル 新着一覧


猛暑の夏…健康な高齢者でも熱中症予防を“家族ですべき”理由
 介護士をしていた経験をもとにライターをしています。筆者はこれまで、認知症の症状や認知症を発症した時の具体的なケアについ...
がんでごめんね…「人生最後の生理」はある日突然やってきた
 私は42歳で子宮頸部腺がんステージ1Bを宣告された未婚女性、がんサバイバー2年生です(進級しました!)。がん告知はひと...
さくらももこさんのエッセイに学んだ 本当の「時は金なり」
「時は金なり」という言葉、年を取れば取るほど心に沁みるのはなぜでしょう。私がこの意味を意識したのは、さくらももこさんのエ...
産毛のような初々しさ…もうすぐ去勢する“にゃんたま”の刹那
 羊毛フェルトで作られた「にゃんたまストラップ」が巷で流行中。フニフニ揉むと、心癒され気持ちが落ち着くのだそう。 ...
結婚したら退職する? 自分が幸せになるための人生の歩み方
 少し前のOLだったら「寿退職」なんて当たり前だったのでしょうが、今はそうはいかないですよね。共働きが普通だし、お金の心...
大人になっても趣味に没頭したい! おすすめできる3つの趣味
 ストレス社会で闘う毎日にふと疲れた時、「何もかも忘れたい」と思うことはありませんか? 多くの人は飲み会や買い物で鬱憤を...
鬼灯って読めますか?夏の風物詩「ホオズキ」の意味と活用法
 地域によりますが、八月はお盆月でございます。  八月の声を聞くとワタクシのお店もお盆のお支度で慌ただしくなり、店...
夕陽で赤く輝いて…黒猫“にゃんたま”は美しい絵のようだった
 にゃんたマニアにみなさんこんにちは! きょうは、初めての黒猫にゃんたまωです。  黒猫のにゃんたまって、真っ黒だ...
遠方に住む親が心配…介護サービスの上手な選び方&使い方
 遠方に住んでいる両親が介護状態になった時、多くの人が「大丈夫かなぁ……」と心配になるはずです。しかし、現代では親の介護...
ホステスの世界にもある「裏引き」という名の“闇営業”の実態
 世間をにぎわせた“闇営業”。「事務所を通さず仕事のオファーを受け、報酬を得る」行為は、夜のクラブでも存在します。店に許...
料理下手を克服する4つの方法 もうメシマズ女と言わせない!
「料理を作ると思った通りの味にならない」「どうしても美味しくない」、そんな悩みを抱えていませんか? せっかく料理をしよう...
住宅ローンは一生無理?がんになった場合の気になるお金の話
 私は42歳で子宮頸部腺がんステージ1Bを宣告された未婚女性、がんサバイバー1年生です。がん告知はひとりで受けました。誰...
大きなチャトラ“にゃんたま”君 立派な尻尾が上がった瞬間!
 にゃんたまωに、ひたすらロックオン! きょうはみんな大好きチャトラ君の鈴カステラです。  小さな港を忙しそうにパ...
恋愛序盤の花火デートはキケン! 準備ゼロでは行かないが吉
「花火デートってドキドキする」――。この季節、誰もが期待し盛り上がる「花火大会」ですが、調べもせず安易にデートとして行く...
ピルをもらう方法と病院選びのコツ…“避妊”が理由でも良い?
 第1回「日本はピル後進国!『ピル=避妊』の考え方は遅れています」、第2回「ピルで確実に避妊するなら?心構えや男性任せの...
声かけが大切! 子どもの“やる気スイッチ”をONにする方法
 子どもの心スペシャリストとして子育て中のお母さんたちと接していると、「子どもにやる気を起こさせるにはどうしたらいいか?...