女坂と男坂の違いって? 山道・寺社仏閣の参道どっちを選ぶと楽チンか

コクハク編集部
更新日:2024-04-21 06:00
投稿日:2024-04-21 06:00
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地名などをピックアップ。
 毎日頑張るあなたがちょっぴり得した気分になれますように…。

上り坂、下り坂、そして「まさか」

 人生には3つの坂がある。上り坂、下り坂、そして「まさか」。

 2007年当時、安倍晋三氏が突然、首相を辞めたのを受け、小泉純一郎元首相が「人生には、上り坂もあれば下り坂もある。もう一つ『まさか』という坂がある」と発言したのは有名な話です。

 結婚式のスピーチでも耳にする「3つの坂」エピソードは、人生は良いことも悪いこともあり、予期しないことも突然やってくるという人生訓。もしもが起きても2人で力を合わせて乗り越えていきましょうと締めくくられますが、新年度早々、人生「下り坂」や「まさか」状態という人は気分転換にお出かけしてみてはいかがでしょうか。

高尾山にも女坂と男坂

 オススメは「高尾山」(東京都八王子市)です。

 2007年にミシュランの旅行ガイドで富士山と共に最高ランクの星3つを獲得。新宿から京王線に乗り、約1時間で登山口まで行ける手軽さ、そこからケーブルカーで中腹までアクセスできるため、初心者や体力に自信がない人でも大丈夫! 上級者も楽しめる難易度の高いコースもあります。

 中腹から1号路を歩いていくと、道が二手にわかれますが、そこが女坂、男坂と呼ばれるポイント。前置きが長くなりましたが、今回はこの「坂」のお話です。

【今回の女ことば】女坂

 女坂、男坂の由来は「たとえことば辞典 第1版」によると、

女坂…「女」は「小さい」「優しい」の意を添える接頭語/神社・寺の参道などで2つある坂のうち、緩やかな方の坂
男坂…「男」は「大きい」「激しい」の意を添える接頭語/神社・寺の参道などで2つある坂のうち、急な方の坂

「明鏡 国語辞典 第3版」には、女坂と男坂は対義語であり、次の説明もありました。

女坂…距離が長いが傾斜が緩やかな坂道
男坂…距離は短いが傾斜が急な坂道

 女坂と男坂、どちらのほうがつらいかは意見が分かれるところですが、高尾山の男坂は少し急な階段で、その数は仏教でよく使われる人間の煩悩の数と同じ108段。階段を上るごとに煩悩がはらわれる、といわれているそうです(観光情報サイト いこうよ八王子・高尾山のHPから)。

まさかの煩悩まみれ

 新作のコスメやバッグが欲しい、推しに貢ぎすぎて毎月赤字! ちょっと頑張った自分にたーっぷりのご褒美がやめられないなどなど。

 まさかの(!)煩悩まみれというそこのあなたさま、ぜひ行ってみてはいかがでしょうか。

(日刊現代校閲/タダ美)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


青空に踏切の音が映える 季節は秋でも絶対に手放せないもの
 ここ数年ですっかり浸透したものに男性の日傘がある。 「男が日傘なんて」という謎の気負いも、死を覚悟する日差しには...
たまたまもゴロンと全開!幸せそうなにゃんたま様に昭和CMを思ふ
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
中年のババア、もとい「中年女性」になった私たちへ
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
「聞いてよ!」「で、結論は?」せっかち君のLINEはタイパ重視ですって
 世の中には、1秒でも時間を節約したい「超せっかちな人」が存在します。なぜ生き急いでいるのかはわかりませんが、とにかく少...
#1 芸能界に執着する35歳女の密かな楽しみ。裏アカで吐き出す腹黒い本音
「いらっしゃい、シゲさん今日は早いんだね」  阿佐ヶ谷駅の北口の飲み屋街・スターロードにひっそりたたずむ小さなスナ...
平日夜8時、話題のオーケー銀座店の惣菜コーナーに行き完全敗北した件
 10月17日、東京・銀座3丁目のマロニエゲート銀座2内に「オーケー銀座店」がオープンして話題になっていますね。銀座の一...
#3「バカにされてる?」元彼のイヤミがつらい。女が椎名林檎を歌う理由
【#1、#2のあらすじ】  阿佐ヶ谷のスナックに勤務している紘子は、役者を目指しながらもくすぶっている日々。そんな...
#2「普通の女」に負けた美人は怨念まみれのSNSがバズり快感を覚える
【#1のあらすじ】  阿佐ヶ谷のスナックに勤務している紘子は、役者を目指しながらもくすぶっている日々。そんな彼女の...
「鉛筆なめなめ」「セクハラはやめて」悲しきおじさんビジネス用語3選
 会社に勤めている人なら、50代以上のおじさんたちが「おじさんビジネス用語」を使っているのを聞いたことがあるかもしれませ...
経験は「ナマモノ」…感情も感度も“錆びた大人”になっていませんか
 人生において経験は重要ですよね。これから先の未来や、あるいは後輩たちを助けられるかもしれません。  だけど昔の経験に...
あなたにとっての「過去」はいつ? 過去を閉じ込めた空間で
 過去という言葉の意味が広すぎて、思い浮かべるイメージがまったく違うと気づいた。  ある人は自分が小さかった頃を、...
奢り奢られ問題…リュウジ氏にもう港区くるなよ?の反論、私達が学ぶこと
 ネットを大いに騒がせた「奢り奢られ問題」。料理研究家のリュウジ氏のSNS投稿が火種となり、多くの意見が寄せられました。...
15キロ太ったからつまんないの? “サイズ44”に教えられた自分の本音
 2度の出産と加齢と腰のヘルニアを経て、5年をかけて15キロ太りました。実はそれについては人が思うほどは気にしていない…...
5年に1度の逸材にゃ!ノーブルすぎる“たまたま”に思わず合掌
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「出世したくない人」激増のナゼ 共通する特徴と4つの理由に妙に納得…
 令和の今、社会人の中でも「出世したくない」と考える人が非常に増えているようです。少し前まではどうにかして出世してやろう...
ハロウィンの新顔!小粒な「ソラナムパンプキン」は枝にぶら~んぶら~ん
 まもなくハロウィン。猫店長「さぶ」率いる我が愛すべきお花屋さんに、今年も大きなパンプキンが店頭を占拠する季節がやってま...