住宅ローンは一生無理?がんになった場合の気になるお金の話

コクリコ 編集者
更新日:2019-10-08 07:20
投稿日:2019-07-30 06:00

医療費控除を受けられるもの

 がん治療をすると1年間の医療費は10万円をゆうに超えます。よって、確定申告で控除が受けられます。

 手術後に必要となる、T字帯、ガーゼ、紙おむつなども控除対象です。私の入院していた病院のコンビニは、控除対象のものを購入するときにはきちんと教えてくれました。

 また、婦人科がんによる広範子宮全摘出術後はリンパ浮腫を発症する可能性があるので、それを予防するために医療用の弾性ストッキングを着用するのですが、これは1足1万~2万円する高価なもの。ここ数年で、その購入代金が控除対象になりましたので(但し自治体による)、購入する際に医療機関で書類をもらっておきましょう。

 とにかく入院中はお買い物のレシートをとっておく。通院でタクシーを利用したときのレシートや、薬局で鎮痛剤や傷の保護テープなどを買ったときのレシートもとっておくことが大事です。電車やバスなどの交通費もメモしておきましょう。

 私は高額療養費のほかに医療保険もおりたので、もろもろを差し引いた結果、医療費が10万円に満たず、手術した年は確定申告をしませんでした。ただ、がんが確定する前年に何度も検査をしているので医療費がかさみ、これまでに3度申告をしています。計算は面倒ですし、戻ってくる金額も多いとはいえませんが、受けられる控除はありがたく受けましょう。

傷病手当金について

 日本には公的医療保険がいくつかありますが、大きくは会社員や公務員が加入する社会保険と、自営業者や年金受給者が加入する国民健康保険に分かれます。私は会社員なので社会保険に加入していますが、そちらには傷病手当金という制度があります。

 私は病気になるまでほとんど会社を休まなかったため、たまっていた有給休暇と代休が3カ月分あり、その期間をまるまる休みましたが、がん治療が長引くとそれ以上に会社を休まなければならないこともあります。

 傷病手当金は、病気で休業する人(被保険者)とその家族の生活を保障するために設けられた制度で、被保険者が病気やケガのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。給与が支払われている間はこれはもらえないので今回、私はもらっていませんが、この制度があるので最長で1年6カ月はお金をもらうことができます。金額は休む前の平均月額給与の2/3です。

 治療に入る前は、自分がどれくらい休むのか分からなかったのですが、会社の総務の人に説明してもらい、「2/3もらえるなら、結構休んでも大丈夫だな」と安心しました。突然、社会保険に感謝しています(笑)。

 支給の条件などの詳細は職場や健康保険組合に確認してみてください。なお傷病手当金は、健康保険では法定給付となっていますが、国民健康保険では法律の違いにより任意給付になっているそうです。詳しくは加入している健康保険へ。

コクリコ
記事一覧
編集者
実用書の編集者(社畜)。アラフォー未婚のがんサバイバー2年生(進級しました!)。2018年、子宮頸がんにて広汎子宮全摘出術を受ける。現在ホルモン補充療法をしながら経過観察中。SNSをパトロールするのが趣味。“Twitter探偵”とも呼ばれる。でも幸せになりたい。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


【女偏の漢字探し】「姉」の中に隠れた二つの文字は?(難易度★★★★★)
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
どっちの育児が大変? 男児ママ vs 女児ママ、それぞれの悲鳴!「家の中が虫だらけ」「王冠で保育園に」
 男児であろうと女児であろうと子育ては大変ですよね。性差よりも個人差…とは言うものの、我が子と異なる性別の子どもの話を聞...
ありがたや~!モデル級“にゃんたま”から激レア3連複まで奇跡の9連発♡
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 2025年5月にご紹介したもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかし...
父の日のプレゼント、何を贈ればいい? 親が「本当に嬉しかったもの」をぶっちゃけ!
 父の日になにを贈ろうか悩んでいる人もいるでしょう。そんな方のために、今回は父目線の経験談をご紹介! 父の日の贈り物で1...
ホステス引退の理由、“年齢のせい”は意外と少ない? ダントツで多いのはやっぱり…
 行けば毎回、楽しく明るく、時には厳しく接客をしてくれるホステスのお姉さんたち。でもそのお姉さんたちも永遠に居てはくれま...
食事は私と“推し”のデートだ。男たちよ、どうでもいい愛の言葉より目の前の寿司を見ろ
 踊り子として全国各地の舞台に立つ新井見枝香さんの“こじらせ”エッセーです。いつでも、いついつまでも何かしら悩みは尽きな...
朝イチの奇跡! 国宝級の“たまたま”に感動。猫の完璧フォルムが美しい…
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
ヤバッ! 社会人の「失敗」エピソードが恥ずかしすぎ。カメラONのまま生着替え、上司に彼へのメール誤爆…
「仕事で取り返しのできないミスをしてしまった…」「職場でやらかしちゃって、もう出社したくない」と落ち込んでいる人はいませ...
マスク生活で惰性の肌ケア→顔イボ発症! “老人性”の言葉にショック。こりゃあかん…50代目前で決意したこと
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
女性事業者はとってもタフ! 微妙にズレてるおじさま役員との差よ…古い商店会の“これから”は?
 とうとう最終回、この10カ月、ポンコツ商店会話を長らく読んでいただきありがとうこざいました。  この商店会もポン...
大人に“ときめき”はいらない?『続・続・最後から二番目の恋』を見て感じた、私が中年恋愛に望むもの
 アラフィフ独女ライターとして日々を過ごす中で、「50代からの恋愛」って、いったいどういうものなんだろうと考えることがあ...
見るだけで幸福♡ 神々しい“神たま”から“にゃんたま”戦士まで元気いっぱい8連発!
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 2025年4月にご紹介したもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかし...
夫婦生活の頻度まで指示するか!? 義母の「妊娠アドバイス」がウザすぎる
 妊娠を望んでいてもなかなかできなかったり、タイミング的に妊娠を望んでいなかったり。あるいは、初めての妊娠で不安でいっぱ...
「ちょっと待ったー!」にゃんたちの恋のバトルを激写。勝利する“たまたま”は誰だ?
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
ボスママにまず相談ってなんでやねん! 理解できない暗黙の「ママ友」ルール
 ママ友界でよくある暗黙のルール。「集団の意見をまとめるため」など必要不可欠かつメリットとなるルールもありますが、中には...
過去から未来へ続く景色
 過去から未来へ続く景色。  それはいくつになっても目の前に広がっている。  そう信じて、今晩の自分に、お疲...