BTSハグキス騒動は日本人犯人説も…弁護士に聞く“推し活セクハラ”境界線

コクハク編集部
更新日:2024-06-22 06:00
投稿日:2024-06-22 06:00

BTSジンのイベントでファンによるセクハラ疑惑がぼっ発

 韓国のアイドルグループBTS(防弾少年団)のJIN(ジン)が開催したイベント「2024 FESTA」に参加した女性ファンによるセクハラ疑惑が波紋を広げている。

 今月13日、韓国軍兵役義務を終えて除隊された最年長メンバーのジンが、人数限定で「ハグ会」を実施。そこで女性ファンのひとりがジンの頬に唇を寄せ、キスしようとした姿が写真や動画で拡散され「セクハラではないか」と物議を醸した。

【BTS写真特集はこちら⇒】BTSのJUNG KOOK、VERSACE上下衣装でバッキバキのパフォ!

日本人ファンが犯人説も

 そして別のファンによって韓国警察に告発され、19日には立件前調査に乗り出したと韓国メディアが報じている。しかも、現地ではセクハラ疑惑の“犯人”が「日本人ファン」の可能性があると報じられ、日韓のSNSで炎上騒ぎに…。

 同じくエンターテインメントの世界における日韓問題として記憶に新しいのが、韓国出身のDJ SODAのセクハラ騒動だ。昨年8月に大阪で開催された音楽フェスで、DJ SODAが複数の観客から胸などを触られたとSNSで告白。所属事務所とイベント会社が観客の男女3人を不同意わいせつと暴行容疑で告発し、その後、賠償金なしで加害者側と和解した。

主催者側がファンに“疑似恋愛”を煽っている側面も

 推し活をする人にとってはアイドルとの接触は貴重な機会だが、羽目を外して「セクハラ」認定されたら…。民事事件に詳しい弁護士の山口宏氏が言う。

「今回のハグ会でキスを迫った事例でいえば、男性アイドルの唇にキスしたり、下腹部(女性相手であれば胸も)に触れたり、服をめくるといった直接的な性加害ではないので、セクハラで立件するのは難しいでしょう。一般社会のセクハラ事件とは性質が異なり、握手会やハグ会などの身体的接触のあるイベントは主催者側がファンにある種の疑似恋愛を煽っている側面があります。実際、こうしたイベントには禁止事項を細かく明示していないことが多くみられます」

ある程度のサービスは“想定済”

 仮に抱きついた時に推しの首元に唇が当たってしまっても、すぐにアウトではないという。事務所は有料イベントとして開催しており、ファンは応募するためにCDやグッズを大量に購入したり、ファンクラブに入会したり、数十秒の交流のために何時間も列に並んで待っていたり…。お金と時間をかけているため、事務所もある程度のサービスは想定しているとみなされるからだという。

「ハグ会も、見ていた別のファンが告発しています。事務所から告発されるのは、直接的なわいせつ行為や生命の危機を脅かす場合。もし告発されたとしても情状酌量や賠償金なしの和解になる可能性が高い。プレゼントも危険物やわいせつ物でなければ問題はありません。

 ただし、結局、推しへの過剰な接触を問題視するのは“ライバル”である別のファン。罪に問われなくても、ファン同士のコミュニティを壊す行為は、自身の居場所を失うことにも繋がりますから、節度を持って活動しましょう」(山口宏弁護士)

 常識外れの行動はネットに晒される時代。社会的制裁を受けることになりかねず、くれぐれも推しが目の前にいても羽目は外さないように。

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


バカにしてる、よね? 部下になめられる理由と上司が改めたい悪癖3つ
 キャリアアップはうれしいけれど、部下ができると「なんだかなめられている気がする…上司としての威厳がないのかな?」と新し...
そのあえぎ声、どこまでが本当ですか?
 素朴な疑問、と頭に付ければ何を聞いても許されるとは思っていないのだが、失礼を承知で、どうしても聞きたいことがある。 ...
いつだって癒しを提供…成長が楽しみな“たまたま”を愛でる
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
お正月にしめ縄って必要かぃ?「しめ縄」と「しめ縄飾り」の違いも解説
 今年もあと2週間を切りました。年末だというのにあまりの暖冬、ここ数日は少しは寒くなったものの更年期のワタクシは、本職の...
「女は見た目がすべて」の思い出に悶々…容姿いじりのトラウマの克服法
「女は見た目がすべて」なんて言葉が昔からあるように、男性よりも女性の方が外見を厳しく見られる傾向です。そして残酷なことに...
落ち込んだらシーラカンスのことを考えるといいかもしれない
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
人生初のぎっくり腰なぜ発症? 40女の激痛を救った意外なコスメは…
 齢46、人生初のぎっくり腰になりました。腰が砕け、身動きがまったく取れない状態に陥るって本当にあるんですね。  デス...
韓国は「ひとり飯」ほぼタブー! おひとり様=みじめな人認定で苦労した
 ちまたでは『孤独のグルメ』(テレビ東京系)や『ひねくれ女のボッチ飯』(テレビ東京系)、『めんつゆひとり飯』(BS松竹東...
2023-12-19 06:00 ライフスタイル
“たまたま”とももうすぐお別れ…去勢前のおやつシーンを激写
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
自然の石を積んだ石垣でできた江戸時代から続く「棚田の村」
 見知らぬ土地で、山道を越えて現れた見事な石垣に圧倒される。ここまで積み上げる労力を想像すると途方に暮れるし、これが自然...
妙齢って何歳? 三省堂 現代新国語辞典のいまっぽい凡例に注目
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
#3 結婚で“輪”から去る友人への寂しさ。心地よい独身生活で失ったもの
【#2のあらすじ】  ミュージシャンの沙恵は高円寺に暮らし、毎晩芸人の卵や音楽仲間と飲み歩いている。高円寺はうんざ...
#2 友達の結婚、喜べないのはなぜ? 勝ち組を裏切りだと感じてしまう記憶
【#1のあらすじ】  ミュージシャンの沙恵は高円寺に暮らし、芸人の卵や音楽仲間と毎日飲み歩いている。高円寺はうんざ...
「最終的には学歴!」すごいですねー(棒)高学歴義母のマウントLINE3選
 義母が高学歴だとなんとなく上品でスマートな人柄が連想されますが、現実では学歴の高さと人格は比例しないようです。実際には...
2023-12-16 06:00 ライフスタイル
#1 夢を諦めきれない32歳の女。高円寺で燻る芸人らと酒に溺れる日々
 この街は、まるでネバーランドだ。  いつもの店に行くと、いつもの仲間がいて、相変わらずのバカな話で盛り上がれる。...
母親が施設から帰ってくる夢…認知症の予兆を「ボケたな」で済ませない
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(63)。多忙な現役時代を経て、56歳...