“リアル峰不二子”と運命の出会い。俺どうする?局部のコンプレックス #1

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2024-07-05 12:34
投稿日:2024-06-28 06:00

「リアル峰不二子!」の声にドキドキ

――お父様が元気になられて良かったですね。続けてください。

「社長業にも徐々に慣れていきました。社員たちがファミリーのように仲が良く、人間関係に悩まなかったのもありがたいですね。父が築いた会社は本当に素晴らしいと、今さらながら再認識したものです。

 玲子さんも社員たちと打ち解けて、時々、女性社員と日帰り温泉に行くこともあったようです。

 休み明け、女性社員たちが『びっくりしたわー。玲子ちゃんたらナイスバディなのよ!』『まさにリアル峰不二子!』なんてはしゃいでいて、男性たちのほうが『こら、逆セクハラだぞ』なんて困ったように笑っているんです。僕もドキドキしました。

(ああ、仕事中だよ…マズい)

 パソコンの前で、僕は腹に力を込めました。難解な数式を思い浮かべたり、歴代総理の名を羅列したり…。そうでもしないと下腹が熱くなっていく。あの時ばかりは、サイズのコンプレックスなどそっちのけで、必死に肉体コントロールに努めましたね(笑)。

会社の飲み会で急接近

 彼女と一気に距離が縮まったのは、会社の飲み会です。以前から『社長就任祝いと玲子さんの歓迎会をしよう』と言われていたので、近所の居酒屋で会を開いたんです。

 普段から仲のいい連中ですから、飲み会も楽しくてね。特に玲子さんは飲みっぷりも良くて、カッコいい! 女性らしいんだけれど、どこか男が惚れる男の部分もあって、その時、ふとこう思ったんです。

彼女なら、傷つけるようなことはしないのでは?

(玲子さんだったら、僕のコンプレックスを打ち明けても、励ましてくれそうだ)

 あの屈託のない笑顔やスーパーポジティブな性格、仕事では迅速に正確にこなす聡明さ――彼女なら絶対に僕を傷つけるようなことはしない。

 宴会もお開きになりそうな時、彼女と居酒屋の狭い廊下ですれ違ったんです。

――社長、お疲れ様。楽しくて飲みすぎちゃった。

 化粧室から出てきた玲子さんは頬を紅潮させて、笑みを浮かべてきました。タイトスカートから伸びた脚がちょっとふらついていて、

――玲子さん、危ない。

 思わず腕を引き寄せてしまったんです。すると、彼女は僕の胸に頬をうずめてくるではありませんか。

(えっ)

 胸が高鳴りました。甘い香りが鼻先を揺らぐと、

――社長、やっぱりいい体ですね。ますます好きになっちゃいそう。

 酔ったせいでしょうか、玲子さんは僕の胸や腹あたりの筋肉をさすってきたんです。

蒼井凜花
記事一覧
官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
オフィシャルサイトYouTube

関連キーワード

ラブ 新着一覧


ずばり既婚者同士の「好きのサイン」とは? 両想いの禁断の扉の先へ…
「不倫はダメ」と分かっていても、既婚者同士惹かれ合う場合もあるでしょう。でも独身同士とは違い、好意を伝え合うのは難しいで...
恋バナ調査隊 2024-04-05 06:00 ラブ
投資0円!達人伝授の一目惚れさせるテク、男の恋心に火を点けるのは簡単
 一目惚れを味わった時は、運命を感じてドキドキしたりしますよね。実は世の中には、一目惚れ状態をワザと作り、男に一目惚れさ...
内藤みか 2024-04-04 06:00 ラブ
どちらも不倫している夫婦あるある4選 似た者同士ってこと?
 お互いに永遠の愛を誓い合った夫婦。でも、歳を重ねていくうちに夫婦どちらも不倫をするようになってしまうケースは珍しくあり...
恋バナ調査隊 2024-04-03 06:00 ラブ
男友達をセフレにしたらどうなる? 5人の女が選んだそれぞれのカタチ
 男友達をセフレにしようか迷っている女性はいませんか? 「彼氏はいらないけどセフレはほしい」と思っている人であれば特に、...
恋バナ調査隊 2024-04-02 06:00 ラブ
【貴女の度数は】出会いの季節、フェロモンジャッジで幸せを手繰り寄せる
 出会いが増える4月、初めて会う人に好印象を与えて「理想の自分」を演出してみませんか? 笑顔がかわいい愛され系、仕事がで...
太田奈月 2024-04-02 06:00 ラブ
「学生時代はモテたのに」私は終わった? 嘆く前に直視すべき5つの現実
「学生時代はモテたのに、今は全然男性から言い寄られないんだけど!?」とモヤモヤしている女性必見! 今回は、学生時代はモテ...
恋バナ調査隊 2024-04-01 06:00 ラブ
不倫男がやらかすうっかりミス5選 ゴムの使い回し、バレないと思った?
 今回は不倫をしている男性のよくあるうっかりミスを5つ、紹介します。「恋は盲目」なんて言葉の通り不倫をしている男性は盲目...
恋バナ調査隊 2024-04-01 06:00 ラブ
頼んでないのだが? 教えたがり夫へのホンネとケンカ回避術
 頼んだわけでもないのに、ドヤ顔で解説してくる「教えたがりの人」のまー多いこと。外では気にしなければ済む話ですが、夫が教...
恋バナ調査隊 2024-03-31 06:00 ラブ
「寝た?明日まったり甘えてもいい?」彼の妄想を誘う極甘LINE3選
 お出かけデートも楽しいですが、家で彼氏とまったりイチャイチャしたい日もありますよね。もちろん、そのまま家に行くのでもい...
恋バナ調査隊 2024-03-31 06:00 ラブ
不倫の清算を迫られた39歳既婚男の叫び「俺を捨てるならカネも返して」
「冷酷と激情のあいだvol.188〜女性編〜」では、1年以上不倫関係にあったマサシさん(39歳・仮名)との関係を清算した...
並木まき 2024-03-30 19:09 ラブ
卑怯者!不倫清算→月3万円のお手当返済を迫られた35歳シンママの怒り
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2024-03-30 06:00 ラブ
大谷翔平の新妻は元バスケ選手…“同業者”の結婚、メリットとデメリット
 人生を共にする結婚相手を決める時、価値観やルックス、収入などいろいろな角度からどんな結婚生活になるのかを想像しますよね...
恋バナ調査隊 2024-03-30 06:00 ラブ
性行為が苦手な理由4選 彼を好きな気持ちと“別物”なのは仕方がない
 好きな人との性交で「愛されてる」と幸せを実感する女性は多いですよね。しかし、その一方で性交を苦手とする人もいます。 ...
恋バナ調査隊 2024-03-30 06:00 ラブ
アラサーアラフォー女が年下彼氏に冷めた瞬間 可愛いと思ったけど無理!
 恋愛に年齢は関係ないといわれますが、あなたが男性に自分以上の経験値や頼りがいを求めるのであれば、年下だと物足りなく感じ...
恋バナ調査隊 2024-03-29 06:00 ラブ
子供の前で夫婦喧嘩を始めてしまった…どんな悪影響がある?
 愛し合って結婚しても、違う環境で育った二人です。時には、価値観の相違から夫婦喧嘩をする日もありますよね。でも子供の前で...
転職したいママ必見! 面倒くさい夫の理解を得る方法とベストタイミング
 共働き夫婦が多い現代、生活スタイルの変化に対応するためや、スキルアップを目指して女性が転職を考えることも少なくありませ...
恋バナ調査隊 2024-03-28 06:00 ラブ