額と眉間のボトックスは、美容クリニックで最も多いクレーム!?【目元の美容医療に定評ある女医が解説】

増田えりか 医師(形成外科・美容外科・美容皮膚科)
更新日:2024-09-30 06:00
投稿日:2024-09-30 06:00
 イートップクリニック院長の増田えりかと申します。この連載では美容医療“若葉マーク”の方々に向けて、テッパンの不安や疑問を分かりやすく“一発”回答!

眉間のシワはなぜできる?

 今回のテーマは「眉間、額のシワ」。目元の美容医療専門クリニックとして日々皆さまの目周りのBTX(ボツリヌストキシン)を担当する私が解説してまいります。

 まずは、眉間と額のシワの形成原因とシワが改善しできにくくなるボトックス治療のメリットとデメリットについて――。

 眉間のシワは、怒りや悩み、痛みといった負の感情や真剣な表情を作る際に眉毛を下げる筋肉である、皺眉筋、眉毛下制筋、鼻根筋により作られます。

 そして前回もお話したように、年齢を重ねるにつれて皮膚は弾力がなくなり薄くなるため、折れ癖であるシワが刻みこまれていきます。


【前回はこちら】今さらですが「ボトックス注射」って何。目尻、眉間のシワを一撃!?

眉間のシワは必要なもの?

 私はダンディーな男性の眉間にシワが入っているのは賛成です。男性の真剣な表情って格好いいですよね。しかし優しそうに見られたい女性にとっては、負の感情や真剣な表情をいつもしているかのように将来的にシワが刻みこまれるのは嫌でしょう。

 私は眉間のシワが一生刻み込まれたくないと思っているため、この10年間ボトックスを打ち続けています。せっかちな性格なこともあり、医者になり立ての忙しい頃、どの病棟を回っても「増田先生は怖そう」と看護師さんに言われていましたが(苦笑)、ボトックスを打つようになって表情が優しくなり、怖がられることもなくなりました。

 眉間ボトックスで得をする人生もあるかもしれません。

額のシワはなぜできる?

 突然ですが、目を閉じて、額を抑えてみてください。そこから目を開けてみて、開けづらい、もしくは目が開かない方は、普段目を開ける際に額の筋肉を使っています。

 額には前頭筋という筋肉が縦に走っており、皮膚のたるみや眼瞼下垂で瞼が重い場合に手助けしているのですが、ボトックスで前頭筋の収縮をストップさせてしまうと、瞼が重くなり日常生活に支障が出るため、額を抑えてチェックしてみましょう。

額のシワは癖が原因の場合が多い

 額のシワは美人には不要です! 目を大きく開けようとすると、どうしても額にシワが寄ってしまう人は多くいらっしゃいます。額を抑えても瞼が重くならず、目がしっかり開く、額のシワはほぼ「癖」のタイプの場合、額ボトックスの施術がとても有効です。

 私も10年ほど額ボトックスを打っておりますが、回数を重ねるごとに刻みこまれていたシワも改善していき、どんどんおでこがツルツルになるのを実感しています。

額と眉間のボトックスは、美容クリニックで最も多いクレーム!?

 額と眉間はボトックス希望部位の中でも上位に入るだけに、きちんとリスクを知っておきたいところですね。

 まず『額』ですが、ボトックスでしわの原因である前頭筋の動きを止めてしまうと、前頭筋を使って目を開けている人は致命傷になりかねず、目が開きづらくなり日常生活への支障が出てしまうケースもあります。

 施術前の診察で瞼の様子も確認してシミュレーションをして瞼が重くならないことまでしっかり確認してくれるドクターを選びましょう。額ボトックスを希望して、診断前の前払いとなるクリニックは要注意です。

ボトックスの効かせすぎは注意

 次に『眉間』のしわです。眉間のしわの原因である皺眉筋は解剖学的に骨の近くの深いところにあります。深くまで針を刺す必要があるので技術的に経験の浅いドクターが打つと浅い部位にある前頭筋にボトックスが効いて、瞼が重くなってしまいます。

 皺眉筋は強さに個人差があります。打ったと思っても「まだ皺が寄る」と感じる方もいるので、ボトックスは効かせすぎは注意、初めは効きが足りないくらいが丁度いいと初心者は心得ましょう。

増田えりか
記事一覧
医師(形成外科・美容外科・美容皮膚科)
「イートップクリニック」院長。2013年日本大学医学部卒業後、東京臨海病院、昭和大学病院、千葉こども病院などの形成外科で経験を積む。湘南美容クリニック高田馬場院長を経て、2021年に赤坂見附にイートップクリニックを開設。目周りの手術では業界トップクラスの症例数。『360度美人』を目指して! 美容医療だけではなく、広くお悩み解決に携われるよう、婦人科専門医による婦人科外来、泌尿器科専門医による男性美容外来、美容師とのコラボレーションで頭皮・髪質治療も展開中。

病院HPYouTubeInstagram

関連キーワード

ビューティー 新着一覧


まだまだ流行中のキャップ! 40代コーデで野球少年風を卒業するコツは?
 帽子コーデが好きな人が、必ず定番で持っているのがキャップです。でも、子供っぽくなったり、大人っぽいスタイルにどう合わせ...
30~40%の日本女性が整形!? それでも踏み切れない4つの理由
 今では、美しくなるための手段として珍しくなくなってきている整形。日本では30%〜40%の女性が、生涯のうちに1回は整形...
新年だしスッキリしよ! 昔の服が捨てられない人への処方箋
 必要最低限のお気に入りの持ち物で生活する「ミニマリスト」とは対照的に、「物を捨てられない」と悩む人はたくさんいますよね...
新年初買いはECサイトで30%オフのパンツ!プロの接客と裾上げにも涙…
 冬のセール真っ只中、仕事の合間にD2Cブランドのワイドサテンパンツをポチっとしました(笑)。で、手元に届いた“戦利品”...
【専門家監修】心を健康に! 自己肯定感を上げるセルフコンパッション術
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
奇抜とは限らない!40代加齢のドヨーン顔回避に「アシメ前髪」はいかが
 左右非対称の「アシメ前髪」は、少し個性的で奇抜だというイメージを持っている人もいるかもしれませんね。ましてや、若い子が...
ガタガタ眉でも諦めない!たった2分で誰でも左右対称の美眉になれるテク
 眉毛メイク、左右対称に描けていますか?  筆者は、メイクの中で眉毛に一番時間がかかってしまい、なかなか納...
チョロっと出てたら恥部!鼻毛のお手入れ頻度は?抜いたらダメ??
 日常生活で、見られたら絶対に恥ずかしいのが「鼻毛」です。見られた本人も恥ずかしいし、見てしまった人も指摘しにくい! で...
【2023年人気記事】尿のニオイでわかるサインと対処法(専門家監修)
 2023年は「コクハク」をご覧いただき、誠にありがとうございました。反響の大きかった記事を再掲載します。こちらの記事初...
【2023年人気記事】たかがパンツされどパンツ、30年ぶりのTバックで…
 あけましておめでとうございます。2023年は「コクハク」をご覧いただき、誠にありがとうございました。反響の大きかった記...
サマンサタバサ、4℃大量閉店 エビちゃんOL系が令和世代にウケない背景
 これも時代か…。かつて若者の人気ブランドだった「Samantha Thavasa(サマンサタバサ)」の経営危機が報じら...
31歳女が勇気を出して「人生初まつげパーマ」に挑戦してみた
 恥ずかしながら、30代になってもまつげパーマをした経験がありませんでした。そんな私がまつげパーマに挑戦したきっかけは、...
自分の顔見てぎょ!「まぶたのたるみ」すっきり見せるケア&メイク法
 自分の顔を鏡で見たとき「アイメイクしているのに目元に元気がない…」と感じたことがあるアラフォー、正直に挙手!  そ...
意外と見られてる!“愛の証”キスマークの消し方と隠し方…安心してつけて
 大好きな彼との熱い時間に、ついてしまったキスマーク…。会社に行くのも気まずいし、友達に見られるのも嫌! と悩む人もいる...
盛りブラよりスポブラ! 貧乳40女が直面したブラジャー問題
 自他ともに認める貧乳です。ええトシこいて、あばら浮いてます。  よって筆者のブラジャーは盛り重視。「寄せて上げる」ど...
おならが臭う、げっぷが出る!【医療専門家監修】腸活から知るセルフケア
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...