商店会勧誘で実感。この町は「超ヤカラ的おじーおばー」の⽣息地だった!

フィッシュバーン真也子 コラムニスト
更新日:2024-10-02 06:00
投稿日:2024-10-02 06:00
 本コラムは、地元の“幽霊商店会”から「相談がある」と言われ、再始動の先導役を担う会長職を拝命することになったバツイチ女一匹の“ほぼリアタイ”ドタバタルポです。
 商店会は末端社会の縮図。次から次へと巻き起こるトラブルや人間関係は、どこぞの職場や家庭で見たような光景ばかりです…。

時折浴びる「嫌味&⽂句」シャワー

 約1カ⽉に渡り、週1で訪問勧誘を続けるうち、⽬標の20名という数字は⽬前になってきた。前回書いたように、床屋さん喋る→つまる→私畳み掛けるという流れで勧誘は進んでいたが、時折、嫌味や⽂句をおっしゃる⽅には、

「今は⼈⼝減少、少⼦⾼齢化なんでねー、みんなで地域を⽀えようという意識が⼤事なんですよー。そういうのをわかってらっしゃる事業者さんは、商店会に⼊会してくださるんですよ。地域活動への意識の⾼い⽅々って、ありがたいですー。あ、でもでも、⼊会は、ほんとご無理なく…」

 と、語尾をやたらに伸ばし、感じのいいおばさまを演じつつ「意識⾼い系事業者は⼊会しますよ」という、すりこみ? 洗脳? に近い締めの⾔葉を残して⽴ち去る。

 とはいえ、商店会勧誘での「ご無理なく」は本⼼であり、⼊会は決して強制ではない。⼊会者が多くても「⼊ってやった感」を出して、払った分なんかしてよ的に威張られても困るのだ。

【こちらもどうぞ】「ポンコツ商店会」お預かりしましたvol.1 “幽霊商店会”から「相談がある」と突然言われ、会合に出てみると…何!ナニ!!なにー!!!

「超ヤカラ的おじーおばー」に罵倒される御⽼公⼀⾏

 商店会の再起動は、前向きに地域に役⽴ちたいと思ってくれる⽅が20名ほどいればクリアできる。しかし地域には、活動するつもりも⼊会するつもりもないのに、ひたすらケチをつけたい通称「ヤカラ的な⽅」も存在する。

 そういう⽅には「本当に、本当にご無理なくーー!」と強く⾔って⽴ち去るようにしているが、休⽌前の元商店会会員(おじーおばー)の中には、⽴ち去ろうとする我らの前に⽴ちはだかり、

「あんたたち勝⼿に再起動とか⾔ってるけど、そんなの聞いてないわよ!」 「うちは協⼒しないよ、あんたら散々ほったらかしにしたくせに」 「昔の商店会会費、10年⽌まってる間にあんた達が使い込んでなくなったんじゃないの?」などなど、もはやケチどころではなく、罵倒に近いお⾔葉を投げつける「超ヤカラ的おじーおばー」もいる。

 こういう⽅々には意識⾼い系話なんぞは通⽤しない。怖いもの知らずだし、⼈の話は聞かないのだ。

⾓さん(床屋)と助さん(元酒屋)の打ち明け話

 10年間休⽌してしまう前に、⼀体この商店会に何があったのか?

 過去の⾼齢者会員は、なぜか妙に怒っている。会⻑職を引き受けたものの、よく考えればそのあたりの事情を聞いていなかった。

 助さん、⾓さん、もしやなんか隠しているのではなかろうか?

「あのー、あそこまで罵倒されるって、昔なんかしたんですか?」と恐るおそる聞く私。

「いやいや、年寄り連中が勝⼿に俺らに、これからの商店会活動は⻘年部のお前らがやれ!って押し付けて、いきなり引退したんですよ! 俺らは仕事忙しいから無理だって断ったのに!」

 床屋の⾓さん、思い出しブチギレ。10年前のことなのに、まるで昨⽇起こった出来事のように怒り冷めやらずに話す。

「俺はね、⼀応前の時から会計やってて、まぁ引き続きなんだけどね」と助さんこと元酒屋さんは、しょうがないからとりあえずやってますといった感。

「つまり、おじーおばーは商店会を継承したつもりでいて、でも⻘年部としては引き受けたつもりはない、って話ですかね?」

「俺は承知しなかったのに、ぶん投げられたんですよ!」と⾓さん。

 あらやだ、この⼈たちってぶん投げられたから、私にぶん投げちゃったのかしらwww 

 それにしても、⾔った⾔わない? やったやらない? 的な話で10年間も地域の商店会を機能不全にしちゃうって、ザ・地元ピープルの意固地メンタリティは不可解…。

フィッシュバーン真也子
記事一覧
コラムニスト
養生茶カフェ店主。とある都心商店会会長。ちょこっと大家業。

出版社でインテリア誌やファッション誌の編集者として長らく勤務したのち、フリーランスのエディター、インテリアスタイリスト、デコレーターとして活動。現在はメディカルハーブのスペシャリスト、ハーバルプラクティショナーの資格を活かし、養生茶と手作りおやつのカフェ『だんで茶屋』を経営。その他、著述業、不動産賃貸業などを少々営む。

外国人との結婚と離婚、シングルマザーでの子育てなど、タフな経験を栄養にして生きる50代。いい『気』を求めて神社脇に移住。住まいや暮らしを自分流にカスタマイズしながら「空間から得る幸福感」を実践研究している。54歳から建築系大学に再入学、現在大学院にて空間によるコミュニケーションデザインを研究中。

著書に食と旅のエッセイ『笑顔になれる美味しいプロヴァンス』(スタンダードマガジン)、住まいのエッセイ『女ひとり・借金アリ・貯金ゼロからのトーキョー大家さんLIFE』(主婦の友社)

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


七夕の日に飾りたい…疲れた心は“地上の天の川”に癒されて
 地方によってどうやら8月もあるようですが……7月は七夕の月でござんす。  五節句で言うところの七夕は正式には「シ...
男は黙って背中で語る…大吉“にゃんたま”の後ろ姿に惚れ惚れ
 きょうは、先日「汚れた毛並みは男の勲章 超貴重なワイルド三毛“にゃんたま”」でご紹介した3万分の1の確率といわれる“大...
今のキャバ嬢が30歳を迎えても「オワコン」じゃない理由
「キャバ嬢なんて若いうちだけじゃん。30代になってから後悔すると思う」  これが世間の、水商売やキャバクラ嬢に対する一...
認知症の介護って辛い? 介護士が教えるリアルな現実とは
 連日、高齢者ドライバーの悲惨な事故が後を絶ちません。高齢者の身体能力低下に起因する事故もあれば、認知症が原因となってい...
強い女性になるには? ポジティブ思考でいるための5つの方法
「強い女性」というと、どんな女性を思い浮かべますか? 気の強い女性? アスリートのような筋肉隆々の女性? って、違います...
がん→子宮全摘まで“カウントダウン1カ月”の記録<私生活編>
 私は42歳で子宮頸部腺がんステージ1Bを宣告された未婚女性、がんサバイバー1年生です。がん告知はひとりで受けました。誰...
悟り世代“だら先輩”に学ぶ…今日も1日仕事中にダラけたい!
 この話は、働く女性の誰もが思い描く「仕事中はダラダラして、定時にさっさと帰りたい!」という願望を確実に実行し続けている...
妄想がバレた? スッと姿を消したクールな“にゃんたま”君
「にゃんたま」に、ひたすらロックオン!猫フェチカメラマンの芳澤です。  きょうは、キリっとした眼差しの美形にゃんた...
ピアノが弾ける子どもにしたいなら?知っておきたい親の心得
 子どもの習い事というと「ピアノ」というイメージがありませんか? 今も昔も、子どもにピアノを習わせたいと思う親は後を絶ち...
金運に効く最強の花とは? いつの世もそれがキニナルの巻
 いつの世も…女性は「占い」や「おまじない」、「厄除け」なんてちょっぴり「スピリチュアル」みたいなものに大変なご興味のあ...
都内にいながら温泉気分を満喫できるオススメの「スパ3選」
 なんだか最近疲れたなぁ……。なんていう時は、一人でぼーっとする時間も必要です。お休みを使ってゆっくり癒されてみませんか...
イケ“にゃんたま”に囲まれて…モテモテ女子も大変なんです
 きょうは大変です!  イケにゃんたまωωに迫られるモテモテ女子が困っちゃっています。  若くてちょっと強引...
5歳過ぎてもオムツがとれない…意外な“おねしょの原因”とは
「もう5歳なのにまだオムツが外せなくて」「小学校にあがってもおねしょしてしまうんです…」 思わず、えっ!! と驚かれるよ...
親の介護は家族総動員 あるある問題とその後にすべき行動3つ
 親の介護と聞けば、多くの人が不安を抱くはずです。「自分を育ててくれた親だけど……」と思う反面、親の介護をすることで自分...
我慢強いA型長女は返上! がんがくれた「キャンサーギフト」
 私は42歳で子宮頸部腺がんステージ1Bを宣告された未婚女性、がんサバイバー1年生です。がん告知はひとりで受けました。誰...
父譲りの哲学“にゃんたま”を持つ「オペラ座」のクールな視線
 きょうはレアなツートンにゃんたまω。かっこいい見返り美男でドキッ!  タオマークの様にも見え、哲学さえ感じさせる...