「#男児ママ」トレンド入り 小学校低学年の息子が大浴場で誰かに触れて問題になったら?【弁護士解説】

コクハク編集部
更新日:2024-10-11 06:00
投稿日:2024-10-11 06:00

「#男児ママ」が苦手とする投稿の数々

 9月末、X(旧ツイッター)で「男児ママ」がトレンド入り。これは男児を銭湯や温泉、または女子トイレに連れてくる男児の母親を指すが、定期的に「男児ママが苦手」とする投稿が盛り上がっている。「男児ママ」は今月4日にも再度、Xでトレンド入りしたばかりだ。

 Xでは日々、

《なんで男児ママは男児の加害性残忍性育ててるんだ》

《男児の母親は女性とわかっているのに女性の権利の話になるとその女性である「男児の母親」が省かれるのはなぜ?なんですよ》

《女性の権利=男児ママの権利ではない。男児ママが女性・女児の人権・尊厳を踏みつけて良いと考えているのなら大間違い。多目的トイレか家族風呂の利用をして下さい》

 といった議論が繰り広げられている。

【こちらもどうぞ】新幹線で帰省中、ヤバい親子に遭遇!「お互い様」の解釈について考える

 たしかに男性による性加害の被害者はもちろん、男児と同世代の女児からすれば、同級生の男の子と同じ風呂やトイレを使うのは嫌だろうし、抵抗を感じる場合だってあるだろう。

 しかし、「男児ママ」の言い分とすれば、夫の不在時で子供を一人にできない母親の心配から来る行動だという。話は平行線だ。

小学校低学年は男女の違いが理解できる年齢

 2020年には国の法改正で公衆浴場における混浴制限年齢を「10歳以上」から「7歳以上」に引き下げている。だが、7歳は小学1年生か2年生だ。民事訴訟に詳しい弁護士の山口宏氏が解説する。

「ませていて、性の知識があって、女性の体に興味を持って見ることもあるし、個人的には『7歳以上』という基準はもっと引き下げるべきだと考えています。

 小学校低学年となれば、男女の違いが理解できる年齢の男児で、人によっては背が高かったりして、高学年に見える児童もいます。本来は新生児から2歳くらいまでの誰が見ても“赤ちゃん”以外は避けるのがリスクヘッジになります」

 女性風呂で『男の子が入っている』とざわつくくらいの児童であれば、母親は息子を1人で男性風呂に入れさせるべきともいう。トラブルがあった際の責任は当然、母親にあるからだ。

慰謝料請求のリスクがある

 万が一、大浴場で息子が誰かに触れてしまったら?

「7歳という基準は分別が付いていない児童がいるからより問題です。仮に性的な意識でなくても、母親を触るのと同じ感覚で、他人の腕を掴んだりするケースもあります。さすがに『ジロジロ見た』くらいでは民事裁判にはなりませんが、体に当たったら、母親は監督義務を怠ったとして精神的苦痛に対する慰謝料請求をさせるリスクがあります」(山口宏氏)

 ちなみに銭湯側が責任を取らされるケースはめったにないという。「お客様のトラブルの責任は一切負いません」を掲げており、公衆トイレの場合はさらに年齢制限も設けていないので、全責任は親にある。

 1人にするのは不安なのは理解できるが、“大きなリスク”をはらんでいることも肝に銘じておきたい。そして、大前提として、子供の性別関係なく、ワーワーギャーギャー騒いで周囲に迷惑をかけるような行為はNGだと公衆のマナーもきちんと教えたい。

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


工場での単純作業は悪くないが…恋愛経験ゼロの女に起きた“タグ付け事件”
 西荻窪の実家で母親の信美と2人で暮らし、工場でパート勤務をしているかおり。彼女は今の生活に特別な不満もなく、趣味のカフ...
私は子供部屋おばさん?彼氏ナシ・非正規でもシフォンケーキで満ちる日常
 工場内に終業のチャイムが鳴った。  機械の停止音とともに「お疲れさまでした」が飛び交う。  同じロゴの入っ...
蛙化現象わかったフリしてない?恋愛中でもどこか冷静な若者のリスク管理
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(63)。多忙な現役時代を経て、56歳...
うんざりするけども!目上の人の苦労話は“秒”で遮断するのはもったいない
「今の人は恵まれてる、昔はさ~」から始まる目上の人の苦労話、みなさんもうんざりするほど聞いてますよね。  その苦労話で...
台湾最高!くまのプーさん気分も味わえる「40女激オシ台湾産ビール」3種
 仕事の後のビールは、全てを忘れさせてくれる大切な存在。そんな1日の終わりに飲む1杯にはこだわりたいですよね。  そこ...
2024-03-07 18:25 ライフスタイル
戦うべき相手は過去の自分 時には昇ってきた階段を振り返る
 時には昇ってきた階段を振り返る。ずいぶんと上がった、と誇りに思うこともあるし、まだこんなところか…と凹むことも。 ...
親を嫌いになってもええやん? 40女が手放せた“無理と我慢”
 早いものでもう2月。新年をきっかけに、今年こそは! と決意を新たにした方も多いのではないでしょうか。  筆者もそのう...
コミュ力ゼロ、ママ友関係が苦痛でしかない…テッパン切り口&対処法
 子育てをはじめるともれなくついてくるのが、たくさんの人間関係。保育園や学校、ママ友との交流の機会が多いので、コミュ力の...
愛しいおんにゃの子に猛アピール♡“たまたま”君の恋の行方は
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
悔やまれる添い乳よ…子育てが落ち着いた40代ママが語る育児後悔エピ
 子育て期間中は、何が正解なのかわからないまま日々育児と向き合わなくてはなりません。しかも、子供によって成長の速さも性格...
世界的にフラワーバレンタインが来てる!愛の告白より感謝を伝える日に
 立春(2月4日)を迎え、暦の上では春。ですが、この記事を書いている最中にもテレビ画面には「本日関東地方は雪」ニュースが...
入籍お知らせで赤っ恥!させていただきますはダメ、巷でよく聞く変な敬語
 日本語って本当に難しいですよね! 中でも、日本人ですら間違えてしまうのが、敬語です。    案外、正解を知っている...
飛び立つのは怖いけど…いくつになっても思い切りって大事
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
“万年毛玉ジャージ”のママ友ん家がレベチ!良くも悪くもドン引きしたエピ
 人は見かけでは判断できません。特に、相手の本当の部分が垣間見えるのが「家の中」です。  いつも綺麗な人なのに家がすご...
朝寝坊にイチャイチャバレ…夫の実家に帰省した時の“珍”失敗談4つ
 結婚すると、長期休みや年末年始に夫の実家に帰省する人が多いですよね。そして、夫の実家への帰省中に、夫の家族から引かれる...
発達障害児の長男 児童精神科で勧められた「プレイセラピー」を受けたら
 ステップファミリー6年目になる占い師ライターtumugiです。私は10代でデキ婚→子ども2人連れて離婚→シングルマザー...