ワンオペ育児の日本と違う…台湾の妻が悩む“親戚の過干渉”

インリン タレント、表現者
更新日:2019-08-10 06:00
投稿日:2019-08-10 06:00
 国や地域によって、育児にまつわる文化の違いは様々ですよね。日本では日々忙しく過ごしているワンオペ育児ママが沢山いらっしゃるようですが、私が住んでいる台湾では、結婚しても夫婦共働きが基本です。

台湾にワンオペ育児という言葉は存在しない

 出産前、女性は臨月に入る直前まで働き、そして産後は1カ月間の産後ケア期間を経た後、家で育児に専念していると、逆にお義母さんに「病気でもない働ける身体なのに、どうして家にいるの? 働きにいきなさい! 子供は私が面倒を見るから……」とお義母さんに言われるくらい、外で働くママが当たり前という台湾。

 ですので、台湾はワンオペ育児なんて言葉は存在しないどころか、親戚も一緒に育ててくれる育児。育児に孤独感?……いやいや、台湾はむしろ親戚の過干渉に悩むママが多いのではないでしょうか。

 一日中ずっと子供と向き合うのは疲れるし、働きに出ることで気分転換になり、家に帰ってくると子供に対して優しくなれる、そう思うママも多いのではないでしょうか? 私もその中の1人です。育児は肉体的にも精神的にも、最も大変な仕事だと思ってますので、義父や義母が子守してくれて外で働ける台湾文化は、とてもありがたいことだと個人的には思ってます。

 しかし、私の子供が病気になり台湾の救急外来を利用した時、何回も遭遇したことがある光景をご紹介します。

こんなにある! 祖父母&親戚との感覚のズレ

患者の子供1人に対して、大人が4、5人付き添いで来る

 祖父、祖母、叔父、伯母、父、母、台湾の子供は幸せだなぁ、ママも孤独感なんてないんだろうなぁと最初は思ったけれど、親戚達は病状を看護師に説明するのに、それぞれ自身の意見や主張を言いまくり、肝心なママは疎外されているかのように、困惑しているのをよく見かけます。

 そして、世話好きな祖父母が子守りしてくれるのはもちろんありがたいのですが、昼間長時間孫を見てる祖父母は孫が可愛くて仕方ないのと、育児の経験者でもあるから、昔ながらの育児法で嫁に指示したり説教したりします。そうすると、現代育児法にこだわる嫁との間にズレが生まれます。

手づかみは汚い、行儀悪いからと、食事は祖父母がスプーンで子供に一口一口食べさせる

 それが幼稚園年長さんまで続くことが多いんです。ママは、脳の発育や指先の知育に大事な手づかみや、自分で食べるという現代の食事方法を希望しているのに、なかなか理解してもらえずという感じで、食育についての意見の食い違いもあります。

寒いからと言って、祖父母が子供を頭から足先まで全身完全防備な厚着をさせる

 自分自身で体温を調整する力を育てるために、着せすぎないという嫁の意見との食い違いでギクシャク。

子供のヘアスタイルが朝送り出す時と全く違うヘアスタイルで帰ってくる

 子供の髪を、相談もせずに突然切られてしまうことがあります。しかも美容室ではなく、義父や義母が自らカットをします!

まとめ

 孤独感育児、過干渉育児あなたはどっちを選びますか? それぞれ国や地域によって、ママ達が抱えている悩みもきっと違うでしょうね。

インリン
記事一覧
タレント、表現者
日本育ちの台湾人。過去にエロテロリストとして日本社会を賑わせていた。その後日本人男性と国際結婚し、現在台湾在住。3児の母として奮闘する傍ら、台湾の中華料理資格、美容資格を取得。主にブログで台湾情報、美容情報を発信するほか、2019年よりフォトグラファーとしても表現の場を広げている。(撮影:Куратано)
Instagram

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


44歳独身、今からでも遅くない?ズル休み→大学進学を決めた“無敵の女”
 八王子の居酒屋で契約社員として働く由紀は、信じていた学生バイトに蔑まれ、客の若者にも罵られる日々。見かねた学生バイトの...
私の時給はパフェより低い…置き去り氷河期世代の苦悩「感覚死んでる」
 八王子の居酒屋で契約社員として働く由紀は、特段面白みのない毎日を過ごしている。元気な学生バイトたちに囲まれ慌ただしい日...
八王子の居酒屋社員で月給18万円、腰かけ学生バイトの尻拭いをする日常
 八王子は21の四年制大学・短期大学・高専があるという。  全国でも学園都市として広く名が知られ、学生の数はおおよ...
大人の「友達がいない問題」はスナックで解決!?常連同士が仲良くなるわけ
 みなさんは大人になってからできた友達、どのくらいいますか? 「言われてみればもゼロ」なんてこともあるのでは?  ...
自分の選択に誇りを持って。子どもを産まない理由、そして6つの決断
「DINKs」という言葉があるように、「子どもを産まない」ということが近年では夫婦の選択肢の一つとして普通になってきまし...
気高いオーラにゾクゾク! コワモテ“たまたま”の意外な素顔
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
お店で見かけたら幸運! 超レア「バードネスト」の正体は野良ニンジン!?
北海道出身の主人とは衣食住、風習や慣習など折に触れ、関東で生まれ育った者(ワタクシ)との違いを感じます。結婚当初は行き来...
銀座で“750円のみほ&時間無制限”の「AOU銀座の森」がまさかの改悪!?
 コロナ禍以降、基本在宅勤務な方も多いのでは? 出勤のわずらわしさから解放されるのはいいけれど、たまには気分転換をしたい...
Threadsで実感!「クソリプを送る人」は概ねコレ、主婦の心の闇は深い
 セックスレスやセルフプレジャー、夫婦の在り方などをテーマにブログやコラムを執筆しているまめです。  私はX(旧T...
階段道の“たまたま”君♡嬉しいスリスリ攻撃であわや転落危機
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
南アルプスのコントラスト【春】
 柔らかな陽の光、鮮やかな桃色、雪をかぶる南アルプス。  まだ少し冷たい空気と一緒に胸に入り込まれてしまう。
【難解女ことば】「湯湯婆」パソコンで変換できないかも…なんて読む?
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
ぐはっ!金欠で焼き肉のお誘い…ギクシャクも翌日リスケも回避する断り方
 金欠の時、友達から飲みや遊びの誘いが入ると、どうやって断るか悩んでしまう人は多いはず。  断り方によっては、人間...
資格勉強中の彼。ウザイも既読スルーも回避!気遣い上級国民のLINEテク
 せっかくLINEを送ったのに、相手から返信が来ないと不安になりますよね。特に、LINEに気づいているのに既読スルーだっ...
脱力と見せかけて宇宙と交信中?くねくねコロンな“たまたま”
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
義母と喧嘩したら仲直りは?顔見ずLINEで「韓ドラで仲良くなりたい」
 義母と喧嘩してしまうと、とても気まずいですよね。  特に子供がいる家庭では、祖母としてこれからも付き合いが続くで...