更年期め、50代手前で不眠で悩むとは…「大変だ、眠れない!」試行錯誤の睡眠導入術

小林久乃 コラムニスト・編集者
更新日:2024-11-27 15:04
投稿日:2024-11-27 06:00
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まった老化現象についてありのままに綴ります。第7話は「大変だ、眠れない!」。

生まれついての睡眠自慢、崩れる

「ん~…うあ~…」

 とある深夜2時。私はベッドに入って、天井を見上げて唸っていた。日常生活で悩みがあるわけではなく、眠れないのだ。

 子どもの頃から40代前半に至るまで「眠れない」という体験をしたことがなかった。勉強も仕事もパッとした人生ではないと思うが、寝付きの良さだけは天下一品。もしこの世に『快眠賞』があったら、受賞連覇していた自信がある。

「ひさちゃんってさ、本当に寝つきがものすごくいいよね。俺、なかなか眠れない時もあってさ」

 30代で交際していた恋人に入眠の良さ、睡眠の深さをうらやましがられたことがある。彼の一言のおかげで、自分の睡眠の質が良いことに気づき、同年代に「眠れない」という人がいることを知った。それほど眠ることには自信があった。


【こちらもどうぞ】更年期、私はこれで対処しています①漢方薬服用歴15年超、「意味あるのか?」と医師に尋ねた【日日更年期好日】

 が、50代を前にして不眠に悩むことになろうとは予想だにせず。

 結局この夜は深夜3時過ぎまで眠れなかった。0時にはベッドに入っていたので、3時間も無駄にしたことになる。以前、眠れないときは潔くあきらめて、ベッドを出て、眠くなるまで別のことをすると良い…読んだ。

 が、明日の仕事のことを考えると「寝なきゃ」と、ベッドから出る勇気がない。古臭い表現になるが、目がギンギンのまま夜は深まっていった。

No Life,No Sleep.

 翌朝、いつも通り7時には目が覚めたけれど、体と頭がズーンと重い。仕事を始めようとパソコンに向かうものの、脳内に靄がかかったように、ぼんやりとしている。

「あなたは力仕事でもないんだし、デスクワークでしょう?」

 いや私のようなデスクワーク人間こそ、生活リズムが少し乱れるだけで、パフォーマンスに影響が出る。これが、若かったら短時間睡眠でもとっとと脳が回復する。でも二日酔いの回復に二日かかるような年頃になると、睡眠不足にもリカバリーの時間がかかる。

 これもどうやら更年期のせいだ。今日も、明日も、その先もずっと眠れなかったら、それこそ死活問題になる。

 まだ睡眠薬のお世話にだけはなりたくないし、漢方薬が加味逍遙散(更年期治療薬)とは別に投入されるのは勘弁してほしい。

 私は睡眠不足による食いっぱぐれを避けるために、睡眠改善について調べ始めた。出版社勤務経験を経た、現役の編集者でもある。「調べる」「ソースを取る」という行為に関しては、異様な力を発揮する。

 まずは原因究明だ。

 更年期の眠れない原因はいくつかある。代表的なところで、ホットフラッシュといった体異様に熱くなり、寝つけなくなってしまうパターンがある。私の場合は単純に眠れないだけ。原因はエストロゲンという女性ホルモンの低下によって、セロトニンの減少も同時に引き起こる。

 良質な睡眠には不可欠なホルモン、メラトニンはセロトニンを主原料としているので、不眠になってしまう云々。要は自律神経の乱れた、緊張状態にあるらしい。

 連載では「のぼせる」「めまい」「倦怠感」などの体験談を、少しずつ公開してきたが、ヒトの体とはどこまでホルモンに采配されているのだろうかと『踊る大捜査線』(フジテレビ系・1997年)の室井慎次のように眉をしかめる。

 もう全てをホルモンのせいにしたいけど、したところで何の解決策にもならない。解決策を探すしかないんだ、私!

小林久乃
記事一覧
コラムニスト・編集者
出版社勤務後、独立。2019年「結婚してもしなくてもうるわしきかな人生」にてデビュー。最新刊はドラマオタクの知識を活かした「ベスト・オブ・平成ドラマ!」(青春出版社刊)。現在はエッセイ、コラムの執筆、各メディアの構成と編集、プロモーション業が主な仕事。正々堂々の独身。最新情報は公式HP

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


また!snsのアイコンコロコロ変えるの何で?4つの心理&注意したいこと
 あなたはsnsのアイコンをどのくらいの頻度で変えますか? snsを始めてから一度も変えたことがない人もいれば、月に一度...
義母「唐揚げは?」嫁「そうですね」義母「明日は鍋」献立確認もやもや!
 義母から送られてきたLINEでもやもやした経験はありませんか? 嫁いびりをするような義母であれば、不快なLINEに何度...
信頼の証じゃない 身内に“八つ当たりする”人の心理と対処方
 今回はお悩み相談回です。職場に好きな人がいる男性の方なのですが、よく想い人の女性から八つ当たりされるのだとか。 「信...
派手な集団に遭遇 ざわついた飲み屋で包まれる昭和の空気
 とある飲み屋で派手な集団に遭遇。チンドン屋さんのお出ましだ。  年末にしんみりしても仕方がないから、ここは景気よ...
ぎゃああ! 暖かいところで越冬するカメムシ(涙)、安全な捕まえ方は?
 家の中に出る虫で、ゴキブリを怖がる人はたくさんいますよね。でも、実はゴキブリと同じくらい不快度が高い虫がいます。  ...
口づけしたくなっちゃう♡ 真っ白な“たまたま”にロックオン
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
なぜお正月の飾りに竹?めでてぇ年賀の最強アイテムはSDGs的にも超優秀
 猫店長「さぶ」率いる我がお花屋にも、まもなくお正月がやってきます。  今年の暮れも嵐が過ぎ去った後のように荒れ放題に...
知人「やさしいたい焼き屋のおじさん」私「あれ母親」地雷踏んだLINE
 人にはそれぞれ絶対に踏んではいけない「地雷」があります。でも、それが何かはわからないケースがほとんど。今回は、LINE...
クリスマスを「自分へのご褒美」の口実にしてもいいかしら?
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
ギャラ飲みとラウンジで荒稼ぎも…まともな恋愛ができない29歳港区女子
 経営者や著名人、人気のインフルエンサーも利用する「ギャラ飲み」なるサービスって知っていますか? 東京都内のみならず、全...
再婚しても元夫・家族に子どもを会わせる?本音は「面白くない」だけど…
 ステップファミリー6年目になる占い師ライターtumugiです。私は10代でデキ婚→子ども2人連れて離婚→シングルマザー...
「こっちに付いてきて」広島で“たまたま”が秘密基地にご案内
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
枕元にプレゼントがなくても…満天の星空に心奪われる特別な夜
 出雲の国の満天の星空を眺めていた。  日付が変わった頃、天の川を切り裂くように飛行機が音もなく飛んでいった。 ...
ほっこり読み切り漫画/第64回「みんな揃って、メリークリスマス」
【連載第64回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、突然「コクハク」に登場! 「しっぽ...
「不倫」と「浮気」の違い、知ったかぶりしてませんか?
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
愉快な酔っ払い友達「どこ?寝室に辿り着けない」 私「あんたんち、1R」
 お酒の飲み方は人それぞれです。楽しく飲める人もいれば、酔っ払って記憶を無くす人も…。今回は酔っ払い状態の友達から届いた...