更年期の治療は漢方薬やホルモン剤投与で万事OK? ちょこっと旅で脱・イライラカリカリの1年にしたい

小林久乃 コラムニスト・編集者
更新日:2025-01-15 12:32
投稿日:2025-01-08 06:00
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まった老化現象についてありのままに綴ります。第12話は「ちょこっと旅で脱・更年期」。

更年期よ、さよなら

 病は気からというのなら、更年期も気からかもしれない。

 そんな期待を込めたことを考えたのは、ガッチリと休暇を取って関西へ旅行に出かけた、昨年秋のこと。それまでもちょくちょく仕事で移動をしていたものの、旅行は温泉へ1泊で行く程度。何も考えずに休むということが少なかった。

 疲労もたまっていたし、現地の友人からの誘いもあったので、使っていなかったクレジットカードのマイルを使って関西へ。神戸、大阪、京都と巡った。

 神戸ではアーケードのある商店街を歩きながら、放送中の朝ドラ『おむすび』(NHK総合)を思い出したり、とあるアーティストのライブにも参戦。粉もんをひたすら食べまくって、酒も好きなだけ飲む。

 明日のことは気にせずに、欲望のまま自分を大解放。普段、東京でもやっていることのはずなのに、いつもとは違う環境が欲望を膨らませる。ああ、気持ちがいい。

食う、飲む、買うの脳内ループ

「次はここに行こう」

「朝ごはんはこれを食べよう」

「お土産に出汁を買うか」

 食う、飲む、買う。この3つが常に脳内を駆け巡っていた。毎日、2万歩近く歩いていたので、さすがに筋肉痛にはなった。でもまとめると…楽しかった。

 そして帰りの飛行機で気づいたのは、出かける前に悩んでいた更年期症状のことをすっかり忘れていたことだ。


【こちらもどうぞ】「う、うまい…」京都で“当たりだけ”グルメ! コッペパン天国から地元民太鼓判の街中華・餃子まで

単調な生活の代償とは

 自分の生活を振り返ると「あ、まずい」と思うのが、高齢者並みに家から外出をしなくなること。2日間、一歩も自宅から出ないことがざらにある。物書き、編集、プロモーションと、いただける仕事はすべて頑張っているけれど、1カ月のうち半分は自宅にこもって作業をする。

 原稿、企画書とパソコンさえあれば何とか収入を得られる、まるで風来坊のような生活。最近この連載も含めて“書く”仕事が増えているせいか、引きこもり具合は日々増幅。

 以前はシェアオフィスやカフェで仕事をすることも多かったけれど、なんだかそれも億劫になってしまった。それだけ自宅を居心地良くしたというのもあるが、出かけないというのは人してどうにもまずい。

 運動量もそうだけど、鬱っぽくなることは間違いない。

 この劣化した生活リズムに加えて、更年期が襲ってきた。だるい、しんどいの繰り返し。

「散歩をしたり、マッサージを受けたり。ヨガもいいですね。こまめな気分転換が更年期には必要です」

 ありきたりの文言が書かれた婦人科のホームページを見て、辟易していた。そんなことでこの未病状態を打破できるのなら、いくらでもやるわ…と思ったけれど、散歩すら面倒がって眼球を酷使して仕事をしているじゃないか、私。

 こんな生活だからこそ、旅行で何も考えていなかった日々がリラックスしすぎて、更年期症状が出なかったのかもしれない。

 先日、会社員で絶賛更年期中の友人がこんなことも言っていた。

「オフィスでの仕事はもう慣れちゃったから…通勤時間もなにも気分転換にはならないかなあ。結局、ずっとイライラカリカリしてるよ。女優でもないんだからドラマティックな生活は送れない」

 傍目には充実していそうに見えるけれど、単調な生活。それが仕事。たぶん、皆同じで、皆ちょっとずつ苦しい。

小林久乃
記事一覧
コラムニスト・編集者
出版社勤務後、独立。2019年「結婚してもしなくてもうるわしきかな人生」にてデビュー。最新刊はドラマオタクの知識を活かした「ベスト・オブ・平成ドラマ!」(青春出版社刊)。現在はエッセイ、コラムの執筆、各メディアの構成と編集、プロモーション業が主な仕事。正々堂々の独身。最新情報は公式HP

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


毎月の美容代を節約! 特別価格でキレイになれるサービス3選
 女性であれば誰しも、「できることなら、もっと綺麗になりたい!」「年齢に負けず、いい状態をキープしたい」と思っているので...
大好きなおんにゃの子の匂い? クンクンする“にゃんたま”君
 一斉に花が咲き始めて、にゃんたまωも大きく膨らむ春が来た!  きょうは、やわらかな陽射し、パトロール中のにゃんた...
既婚vs独身問題に終止符を!境遇の違う友人と付き合うには?
 既婚女性vs独身女性。子ありvs子なし……アラサー以降の女性の定番とも言える、境遇や立場の違いによる断絶。さまざまなマ...
保護猫2匹、真夏の夜の“クローゼット閉じ込め”事件に遭う
 この4月にわが家の猫たちは2歳のお誕生日を迎えました。無事に大きくなって本当によかったです。子猫時代に一度会いに来て以...
無言の時間が怖い…複数人との会話でも気疲れしないコツ
 仕事の飲み会など複数の人と会話していると、気まずい無言の時間が訪れることってありますよね? そんな時、どうにか場を盛り...
“リア充”にあなたもなれる! 真似したい5つの特徴&目指し方
 プライベートでも仕事でも充実している人を見ると、「いつも楽しそうで羨ましい」と思う人が多いでしょう。しかし、そんな“リ...
ウシ柄ブームの最前線!地味色でも存在感抜群の“にゃんたま”
 今年は丑年。この春のファッショントレンドといえば……ウシ柄!  きょうは、そんなウシ柄ブームの最前線をゆくにゃん...
悲しみを忘れて…高貴な佇まいの「ミヤコワスレ」は心を癒す
 女性らしいことに憧れていた、若かりし頃のワタクシ。仕事に忙殺された日々の現実逃避に、ご縁があってある有名な茶人のお稽古...
香りのナイトルーティンはいかが?快適な睡眠に導く3アイテム
 デスクワークやSNSによる脳の疲れや興奮を、香りによってリフレッシュ&リラックス! 自分を癒してあげましょう♪ 香りの...
出会いと別れの季節…去りゆく“にゃんたま”に一抹の寂しさ
 春は出会いと別れの季節。縁とは不思議なもの、いままで多くのにゃんたま君たちとの出会いと別れがありました。  きょ...
マスクでメガネが曇る…!原因&手軽で効果的な曇り対策8選
 大流行しているコロナや、国民病ともいわれる花粉症などでマスクをつける機会が圧倒的に増えた現在、メガネユーザーたちを悩ま...
トホホ、猫って夜行性なんですね…子猫運動会実況中継!
「下痢パネル」の結果は動物病院から電話で伺いました。「猫コロナウイルス陽性です」と、先生がめちゃくちゃ深刻そうにお話する...
え…天才…? LINEの面白い返し6選!思わず保存したい内容
 今や多くの人がLINEで連絡を取り合っていますよね。そんなLINEには、時々、平凡な日常に一服の清涼剤をくれる、ちょっ...
壇蜜さんが語る“猫愛” 飼い猫スフィンクスとの馴れ初めと今
 女優・文筆家・グラビアタレントなどマルチに活躍中の壇蜜さんは、「猫大好き芸能人」としても知られています。一緒に暮らして...
世界一かわいいご神体「へそ天」姿のごきげん“にゃんたま”
 きょうは、陽だまりで「へそ天」にゃんたま様に出逢いました。  モフモフのお腹に顔を埋めてもいいですか? 「...
ヒョウ柄の秘密は? 4月が旬「アルストロメリア」栽培のコツ
 昔、会社勤めをしていた頃、わりと仲の良い同期男性がおりました。  バイト先の六本木での生活が楽しすぎたために、大...