令和ロマン「M-1グランプリ」連覇の大快挙!ラリー遠田氏が“お笑いAI”と評した天才的「場の空気の掴み方」
漫才日本一を決める「M-1グランプリ2024」(ABCテレビ、テレビ朝日系)の決勝戦が22日生放送され、史上最多の1万330組の中から、「令和ロマン」(高比良くるま・30=写真左/松井ケムリ・31=同右)が、大会初の2連覇を成し遂げ、20代目王者に輝いた。
決勝戦ファーストラウンドは、令和ロマン、ヤーレンズ、真空ジェシカ、マユリカ、ダイタク、ジョックロック、バッテリィズ、ママタルト、エバース、トム・ブラウンの10組で行われ、バッテリィズ、令和ロマン、真空ジェシカの上位3組が最終決戦に進出。最終決戦では、9人の審査員のうち、5人が令和ロマン、3人がバッテリィズ、1人が真空ジェシカに投票し、令和ロマンが優勝した。
ファーストラウンドの演技順は、「笑神籤」といわれるくじで決められるが、昨年に引き続き令和ロマンが1組目に決定すると、会場はどよめきに包まれた。会場のボルテージが一気に上がる中、1本目のネタ、「渡辺という名字は最強」で、会場の雰囲気は一気に令和ロマン一色に。
「完全に去年を超えていた。1年でレベルが相当上がった」(中川家礼二)、「トップバッターだけど、チャンピオンの風格さえ感じた」(アンタッチャブル柴田)と審査員たちも大絶賛。ちなみに最終決戦のネタは、1本目のしゃべくり漫才からガラリとスタイルを変え、「戦国時代にタイムスリップ」する漫才コントだった。
■場の空気を瞬時に支配
お笑い評論家のラリー遠田氏はこう話す。
「令和ロマンさんは、ネタの面白さもさることながら、くるまさんの『場の空気の掴み方』が天才的なんです。ネタのチョイスや構成、間の取り方まで、周囲の空気を瞬時に分析し、判断する。それはまさに普通の人には到底できない人間離れした芸当で、まさに“お笑いAI”とでもいうべき能力です。とにかくこの能力が突出していると思います」
確かに、決勝戦に残る芸人たちのネタ自体は、どれも研ぎ澄まされて、その完成度は実はあまり遜色がない。令和ロマンの強みは、場の空気を掴み、観客を一気にネタに引き込む力にあるとラリー氏は言うのだ。
それは大会後の記者会見会場でもあてはまる。会場で記者がどんな質問をしようとも、会場は、くるまがボケたおし、ケムリが突っ込むという“令和ロマン劇場”と化す。「来年は出場するのか?」という質問にも、「果たしてどうなんでしょうか? ラストイヤーまであと8年あるので、いつ出るのかわからない。それぞれユニットで出るって噂もありますからね」(くるま)、「なんだそれ」(ケムリ)などとけむに巻かれてしまうのだ。
「1年間バラエティー番組に出演し、舞台や営業の活動を続けながら、ここまで完成度を上げ、2連覇を達成するのはまさに偉業。もうこんな芸人はしばらく出てこないでしょうね」(遠田氏)
名実ともに令和のロマンを体現した芸人の誕生だ。
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連覇を達成した令和ロマンは早々に今回の優勝を宣言していた。関連記事【もっと読む】「M-1グランプリ2024」開催会見 昨年覇者の令和ロマン「連覇を目指します!」と堂々宣言…では、その際の様子を伝えている。
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