松平健さんは芸能生活50周年「50年と言ってもまだまだ旅の途中『道半ば』です」

更新日:2025-01-01 17:03
投稿日:2025-01-01 17:00

 放送中のNHK朝ドラ「おむすび」をはじめ、長年、数々の映画、ドラマに出演。1978年からシリーズ全12作が制作された代表作の「暴れん坊将軍」(テレビ朝日系)や数多くの大河ドラマで活躍してきた時代劇俳優である。同時に、「マツケンサンバⅡ」の大ヒットで、今や老若男女から絶大な支持を得る。現在71歳。2024年に「芸能生活50周年」を迎えた国民的人気俳優の元を訪ねた。

 ──「芸能生活50周年」と一口に言っても、一言では言い尽くせない思いがあると思います。

「いろいろなことがありましたが、振り返ってみるとあっという間でしたね。皆さんも同じかもしれませんが、若い頃と気持ちは全く変わってないですよ。でも、体の方はやっぱり以前のようには動けなかったりもしますが、気持ちは昔のままですね」

 ──長い芸能生活の中で、大変だったとか、苦労した時期などはありましたか。

「苦労を感じたことはあまりないんですが、転機と呼べるのは、『暴れん坊将軍』のシリーズが終了した時(※02年・当時48歳)ですかね。その時は、これからどうなるのかなという気持ちがあったのですが、その直後に『マツケンサンバⅡ』のヒットに恵まれまして。それで不安は払拭されて、今度はサンバで忙しくなりました」

 ──その「暴れん坊将軍」が今回、「新・暴れん坊将軍」(1月4日夜9時~、テレビ朝日系)として、17年ぶりに復活します。08年のスペシャルドラマ以来だそうですね。

「『暴れん坊将軍』は私にとってとても大事な作品で、ずっと復活を熱望しておりましたので、話を聞いた時は本当にうれしかったですね。ただ舞台ではずっと続けていた役なので、はじまってみると思いのほか自然に入っていけました」

 ──ドラマ放送開始当初は24歳。45年以上吉宗を演じてきた中で、特に印象に残っていることは何でしょうか。

「番組開始当初は、土曜日の夜8時というのは、『全員集合』や萩本欽一さんの番組があって、まさに激戦区でした。現場には、鶴田浩二さんや片岡千恵蔵さんなどの諸先輩方がいらっしゃって、新人だった私は恐縮して小さくなっておりました。そんな中、美空ひばりさん、江利チエミさん、浜木綿子さんといった銀幕の大女優さんたちに次々とゲストに出ていただき、おかげで数字も上向いていったことには感激しましたね」

 ──今回は、今までのシリーズとの違いもあるそうですね。

「『暴れん坊将軍』は、基本、悪を懲らしめるヒーローで、今までは家族や女性のにおいはしなかったのですが、今回は初めて子供が出てくるんです。若かった吉宗も還暦を迎え“世継ぎ問題”に直面します」

 ──主人公も年齢を重ね、成長しているというわけですね。さらに今回は、監督がバイオレンスアクションの名手である三池崇史監督であることも注目されています。

「冒頭から激しい立ち回りがあって、それ以外にもかなり激しい殺陣がたくさんあります。そういうところでも楽しんでいただける作品になっているかと思います」

■毎日1時間のウオーキングと週1度の飲酒

 ──撮影に向けて、体づくりなど何か準備はされましたか。

「特別なことは何もやってないですよ。いつも通りウオーキングやストレッチをしていただけです」

 ──ウオーキングはどれくらいされるんですか。

「基本、毎日1時間程度は歩きます。忙しい時は短い時間になってしまう時もあるし、途中で買い物などをする時もありますが(笑)、基本、毎日続けています」

 ──「マツケンサンバ」でも、いつも軽快なステップを披露されています。

「『暴れん坊将軍』のドラマが始まって3年目から舞台をやっていましたが、『マツケンサンバシリーズ』は、もともとフィナーレでずっとやっていたんですよ。サンバの前は、数え歌や音頭で、それがいつからかサンバにたどり着きました。とにかくお芝居を見たお客さんに最後は笑顔で帰ってもらいたいという一心でね。最初は『どうしちゃったの?』なんて驚かれる方も多かったのですが、だんだんと楽しんでいただけるようになりましたね」

■自分が楽しんでいると相手にも伝わる

 ──今や幼稚園や小学校の授業や運動会で踊っていたという若い世代からも大人気で、「キティちゃん」とのコラボなども話題になっています。硬派な将軍さまが金ピカの衣装を着て底抜けの明るさで踊るインパクトは絶大で、「東京五輪」の開・閉会式では、“マツケンサンバ待望論”も起こりました。

「やっぱり楽しんでほしいという気持ちが原点ですね。それとやっている時は自分が照れちゃダメなんです。自分も心底、楽しんでいると相手にも伝わるものですよ」

 ──改めて芸能生活50年を振り返っていかがですか。

「そうですねえ……。50周年と言っても、私にとっては、まだまだ旅の途中、道半ばといった思いです」

 ──実は「日刊ゲンダイ」も25年で創刊50周年を迎えます。読者も中高年の方が多いので、50周年の先輩として、何かメッセージをいただけますか。

「やはり一番大切なことは体です。先ほどウオーキングの話をしましたが、私も60代に入ってからは、本当に健康に気をつけるようになりました。以前はお酒も毎日たくさん飲んでいましたが、今は週に1度、2、3杯飲む程度にしています。今回、久しぶりの『暴れん坊将軍』となりますが、大いに暴れておりますので、ぜひご覧ください。自分がこうして今でも元気でやっていることで、同世代の方もまだまだ頑張ろうという気持ちになってもらえたらうれしいですね」

エンタメ 新着一覧


「風間公親-教場0-」のおかげ キムタク本家の“ちょ、待てよ!”を堪能
 春の新ドラマが始まりました。イケメン的に注目なのは、やはり、10日スタートのフジテレビ月9木村拓哉(50)主演「風間公...
道端ジェシカ、田中聖…薬物絡みの逮捕はどのくらい家族に影響する?
 合成麻薬MDMA所持の疑いで警視庁に逮捕されたモデルの道端ジェシカ(38)について、東京地検は5日、処分保留で釈放。ジ...
朝ドラ「らんまん」ウラの見どころ!榎木孝明は男主人公の大先輩
 昨日(4月4日放送)、あんなに優しかった天狗のディーン様。「ワシ、生まれてこんほうがよかったとじゃと」といじける万太郎...
桧山珠美 2023-04-05 17:26 エンタメ
おディーン様「らんまん」“神速”降臨! 天狗だけど龍馬役だものねぇ
 初回で分家のおじさん軍団に「生まれてこんほうがよかった」呼ばわりされ、すっかりイジケモードのチビ万太郎(森優理斗)。母...
桧山珠美 2023-04-04 16:00 エンタメ
「らんまん」初回のツボ~神木くんと万太郎が“坊”で繋がった
 NHK朝ドラ「らんまん」が4月3日、スタートしました。朝ドラといえば、ヒロインが誰かというのが話題になりますが、今回の...
桧山珠美 2023-04-03 15:50 エンタメ
男闘呼組が「金スマ」であの疑惑に言及、疑ってごめんなさい
 BBCの件で世界から好奇の目で見られている、かどうかはわかりませんが、ジャニーズ事務所がなにかと話題です。  先...
「NHK語学講座」は高橋文哉からふなっしーまでわかってる!
 春になると新しいことに挑戦したくなります。たとえば、語学。私など、毎年書店に並ぶNHKEテレの語学テキストを手に取り、...
キンプリ脱退組と残留組に待遇格差? 一大“閉店セール”にもファン辟易
 King & Prince(以下、キンプリ)から平野紫耀(26)、岸優太(27)、神宮寺勇太(25)が脱退する5月22...
こじらぶ 2023-03-25 06:00 エンタメ
大谷翔平の結婚相手に日本人はなぜそこまで関心を寄せるのか
 米マイアミで決勝が行われた第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は、侍ジャパンが3大会ぶり3度目の優勝を果...
竜星涼「スタンドUPスタート」敗因と中年期・反町隆史の宿命
 冬ドラマのなかで、ひそかに期待していたものの、残念な結果に終わってしまいそうなのが、「スタンドUPスタート」(フジテレ...
武田真一アナ、岩田明子氏も参戦「元NHK」強みと重用される人の特徴
 この春も、NHK出身者が民放番組の“顔”になりそうだ。2月末で同局を退職した武田真一アナウンサー(55)は4月スタート...
求む、大谷翔平専用カメラ!栗山監督の隣で見切れるイケメンは誰?
 WBC2023、盛り上がっていますね~。猫も杓子も侍ジャパン、侍ジャパンと大騒ぎ。中国戦、韓国戦、チェコ戦と開幕から3...
高身長・SixTONESジェシーが明かしたジャニーさんの言葉に納得!
 King & Princeの冠番組「King & Princeる。」(日本テレビ系)の4月以降継続が決まりました。大好...
NHKからキー局まで若手の退社続々 アナウンサーを目指す学生の価値観
 テレビ局の若手アナウンサーの転職が珍しくなくなった。すでにテレビ東京の森香澄アナ(27)、日本テレビの篠原光アナ(28...
沢田研二は元祖ビジュ系! 芸能史に残る“不倫ベスト5”入りも
 コンビニのおにぎりとカップみそ汁ばかり食べておきながら言うのもなんですが、「ていねいな暮らし」に憧れます。  特...
キンプリ永瀬廉が宝の持ち腐れ…橋本環奈が「夕暮れに」ヒロインなら?
 広瀬すず(24)主演、King & Prince・永瀬廉(24)共演のドラマ「夕暮れに、手をつなぐ」が苦戦している。初...
こじらぶ 2023-02-25 12:06 エンタメ