小さな優しさが呼んだ奇跡…ワタクシは花のチカラを信じます

斑目茂美 開運花師
更新日:2019-08-17 06:00
投稿日:2019-08-17 06:00

 死ぬまでにしたいことはなんですか――? そんなことを突然聞かれても、どれだけの方が答えられるのでしょうか。

 ある日、自分の人生のタイムリミットが思いのほか迫っていて、「死ぬまでにしたいことを叶えてあげる」と言われたら、あなたならどうしますか?

 ワタクシには答えられる自信なんて到底ございません。ですが、これに答えた人とそれを叶えてあげた人たちがいるのです。

 今回は、強い心を持った一人の女性と、それを支えた心優しい人たちの「花のチカラを信じます」のお話でございます。

彼女の最期の望みは「花に触りたい」

「斑目さん、ちょっと相談がある」

 ある日、精神障害のグループホーム施設長の友人から連絡がございました。

「ウチの利用者さんで末期の乳がんの女性がいるんだ。孤独な彼女は全てを受け入れ、治療はせずに緩和ケアに入ったが、最期にしたいことは何かある?って聞いたら、花に触りたいって言うんだ」

 この女性Aさんは、以前は普通にOLをしていましたが、ある日突然、統合失調症を発症します。

 その後、たくさんの悲しいトラブルの果てに家族から見捨てられ、独りぼっちになってしまうのでございます。孤独な時間を過ごしてきたAさんは、施設長をしているワタクシの友人と出会うのですが、やっと安住の地を手に入れてほどなく、乳がんの診断をされてしまったのでございます。

 本来ならばグループホームでの看取りはないとのことですが、施設長とスタッフさんたちは会社に掛け合い、「大好きな人たちと最期まで一緒にいたい」というAさんの希望を叶えてあげることにしたのでございます。

 そして、いつしか食べられなくなり、身体が動かなくなり、最期の時が近づいてきたその時、「人生の最期は大好きな花に触りたい」と言ったそうなのでございます。

 ワタクシは彼女にお会いするため、何度か施設に呼ばれましたが、体調の急変でなかなか約束が叶うことは難しく、いよいよこれがラストチャンスという日……。

 Aさんはその日も、がんが裂けて大出血を起こしたのでございます。

 慌ただしく訪問スタッフやドクターがやってくるのを見て、「今日もダメだろうな……」と帰ろうとした矢先、「待って、斑目さん! 今日しかない。決行します」と、呼び止められたのでございます。

斑目茂美
記事一覧
開運花師
半導体エンジニアを経て花業界に転身。イベント・ホテルなどの装飾も手がける生花店を営む傍ら、コンテストで優勝・入賞を重ね、雑誌・新聞等に作品を発表する。神奈川各所にて花教室を開催。障害者支援も花で実践。悩ましくも素敵なお客様を「花」で幸せへと導く道先案内人。ブサかわ猫店長「さぶ」ともに奮闘中。Facebookやってます。

ライフスタイル 新着一覧


【45歳からの歯科矯正】歯科矯正の洗礼か! 頬がこけ、そして便秘に…
 総費用160万円かけてワイヤー矯正(表側)に踏み切った“40代半ば婦人”の歯科矯正ほぼほぼリアタイ体験談です。  今...
男性用のレース下着って知ってる?トム・クルーズと極道の「色気」の正体
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(63)。多忙な現役時代を経て、56歳...
やっぱりハブられてる? 飲み会に自分だけ誘われない理由と3つの対処法
 自分は仲良しだと思っていたグループで、自分以外のメンバーが飲み会をしていた…… なんてことが発覚したら、かなりショック...
察知できないから危険でヤバい!「ステルス地雷系の競わせ屋」の罠こわっ
 みなさんの周りには、どんなヤバい人がいますか? あ、いると決めつけてすみません……。でも正直、「この人、ヤバいな」とす...
縦も横もななめも…直線だけで造られた街の違和感と落ち着き
「なんだか不思議な風景だな」とファインダーを覗いたら、その理由に気がついた。  縦も横もななめも、すべて直線だけで...
私は佳代だよ、レイちゃんってかすりもしねえ! 関係が終わった決定打!!
 仲良しの女友達や意中の彼からのLINEでも、幻滅したり、縁を切りたいと思ったりすることはありますよね。  今回は...
40女スーパー銭湯でととのえず、ぴーちくぱーちくな先客にモヤった話
 スーパー銭湯が好きです。週末のランニングがてら、あちこちの施設に出向いております。広い湯船にざっばーん! からの~、サ...
まるで御神体のよう! 美しく雄々しい“たまたま”に幸せを祈ります…
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
どれくらい実践してますか? 家でできる環境にいいこと「7つの習慣」
 子供たちに限りある資源を残すためには、私たちの日々の努力が欠かせません。今回は、みんなが普段心がけている環境にいいこと...
胡蝶蘭はお祝い専用? 寺の住職から聞いた「お悔やみ花」としての需要
「つかぬことをお伺いしますが……」  猫店長「さぶ」率いる愛すべき我が花屋には、お客様から毎日のように“ちょっと困...
台無しなんですけど!家族旅行なのに「夫のイライラ言動」と4つの予防策
 世の女性の中には、せっかくの家族旅行中、「夫のイライラする言動」によって、楽しい雰囲気が台無しになってしまうケースも…...
“頑張り屋のメンヘラ”が「セルフラブ」という人生の処方箋を知りました
「セルフラブ」という考え方は、確実に私の人生に大きな影響を及ぼしています。  セルフラブについて学び始めた時「世界...
【にわか呑み鉄】電車とビール好きにたまらない「流鉄BEER電車」に参戦
 さる9月2日(土)、千葉県流山市で「電車好き」と「ビール好き」垂涎の1日限りのイベントが開催されました。  通常は入...
かつて入り浸った店も 横丁の思い出も時代と共に変わってゆく
 昼間の細い路地を軽装の観光客が闊歩する。  誰かにとってはノスタルジーでも、また違う誰かにとっては新鮮に映るんだ...
にゃんたま写真の成立には“たまたま”への愛のピントがマスト
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「才色兼備」は女性だけに使われる不適切表現?
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...