バリキャリ→量産型主婦への変貌に愕然「仕事も結婚も…なんて無理だよ」心配ぶった“呪い”はもうウンザリ

ミドリマチ 作家・ライター
更新日:2025-04-12 06:00
投稿日:2025-04-12 06:00

「結婚と仕事の両立はできないよ?」クソリプにはウンザリ

「復帰後は大変よ。子どもはすぐ熱だすし、小学校で時短解除なんてできないよ。キッズも学童も遅くまで預かってくれないもの。しかもその頃には、子どもも意志を持っちゃうからね。あと、親が呼びかけないと、勉強もしないし……」

 口を開けば否定ばかり。

 ただ、これは年長者によくある、心配にかこつけた呪いなのだと、麗菜は今までの経験則で戒める。

『就職活動は大変だよ?』
『女性は大きな仕事を任せてくれないよ』
『結婚も、仕事も、子どもも、なんてできないよ』
『子どもなんて、欲しい時にすぐできないよ』

 これは、麗菜が大学生の頃、仕事も恋も手に入れたいと夢を語った時に、人生の先輩方からかけられた余計な助言だ。つまりSNSで言うとクソリプ。

 しかし、結局、今に至るまで全くその通りになっていない。

 麗菜は全て手に入れてきた。未来の困難に素直におびえていたあの頃の自分が、とても馬鹿らしかった。

「ご教示、ありがとうございます。だけど私は、大丈夫です。制度も、支援やサービスについてもちゃんと、調べているし、準備もしています」

 麗菜は目の前の晶子をじっと見据えた。晶子に言い聞かせるように。

「そうよね、がんばって。時代が違うものね」

 また言い訳。麗菜はもううんざりしてしまった。

 ネガティブな相手とはいるだけでHPが減る。

 もう、こうやって面と向かって話すことはないだろう、そんなことを考えながら、手元のTOEICの参考書をこれ見よがしに鞄に仕舞った。

不思議な誘いが晶子から届く

「一時保育のお迎えのお時間なんです。晶子さんはごゆっくり」

「そうなんだ。じゃあまた」

「また」

 心にもない“また”を別れの言葉に変える。

 しかし、その数日後、麗菜は晶子から不思議な誘いを受けたのだった。

#3へつづく:有能でも「ママ」の肩書きに埋もれる現実。“報われない世代”が後輩ママにウザがられても助言するわけ】

ミドリマチ
記事一覧
作家・ライター
静岡県生まれ。大手損害保険会社勤務を経て作家業に転身。女子SPA!、文春オンライン、東京カレンダーwebなどに小説や記事を寄稿する。
好きな作家は林真理子、西村賢太、花村萬月など。休日は中央線沿線を徘徊している。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


【2025年中学受験最前線】教育のプロに聞く“飛ぶ鳥を落とす勢い”の意外な注目校は?
 今年も中学受験シーズンに突入した。勝ち抜くには情報入手は必要不可欠、来年度の傾向は?
お受験界隈が中居正広に激怒!? ACジャパンの「教育虐待」CMに一部で批判が殺到している理由
 先日引退を発表した元SMAPの中居正広(52)の女性トラブルにフジテレビ社員が関与していたとする一部メディアの報道や、...
ちゃんと「甘える」ことできてる? 頑張りすぎる女にこそ、スナックが必要なワケ
 みなさんは、後輩や年下の子に甘えるのって得意ですか? 私はめちゃくちゃ苦手なんですが、憧れの女たちはすごく上手に、年下...
「男友達が欲しい」40代女性はどうすればいい? 理想のオトコと夫の理解を得る方法
 40代既婚女性が「男友達が欲しい」と思うことに抵抗を感じる人もいるでしょう。でも、若い時から異性の友達が多かった人の場...
猫の楽園からお届け♪ 陽だまりでキラキラ輝く“たまたま”たち
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
節分にベストな「厄払い花」4種と“今っぽ”なスワッグ。2025年無病息災で生き抜くためのおまじない
 今回のテーマは今年1年無病息災で生き抜くためのおまじない、「植物の力を借りて邪気退散! 節分にオススメのお花」の解説で...
ポンコツ商店会「結束力・帰属意識の低さを痛感する」の巻。氏神様の参拝を企画しても参加者は2割以下…
 本コラムは、地元の“幽霊商店会”から「相談がある」と言われ、再始動の先導役を担う会長職を拝命することになったバツイチ女...
年上が払う、おごる文化はご勘弁! 割り勘会計で気持ちよくいきませんか
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
わが職場にも「承認欲求が強い女」ご降臨。偉い人ホイホイ? 痛すぎる6つの特徴
 職場にウジャウジャと潜んでいる、承認欲求モンスター女。あのモンスターたちがやることはみんな似通っているのが摩訶不思議。...
花粉飛散してるってよ!花粉症自覚歴3年の40代婦人が健康管理に投入する“三種の神器”で症状軽減なるか
 東京都は先週17日、8日からスギ花粉の飛散が始まっていた(!)と発表しました。例年が2月上旬~中旬のなか、1カ月ほど早...
「夫に近づきたくない!」年末年始9連休で痛感した“一人になれる空間”の大切さ。自室ナシ主婦が実践すること
 セックスレスやセルフプレジャー、夫婦の在り方をテーマにブログやコラムを執筆している豆木メイです。
“たまたま”の戦いごっこを特等席で観戦中! カッコよすぎて目が離せない
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「港区の遊びはやり切った!」アレン様を待ち受けにするギャラ飲み女子、私生活で各界有名人を総ナメ
 経営者や著名人、人気のインフルエンサーも利用する「ギャラ飲み」なるサービスって知っていますか? 東京都内のみならず、全...
あなたのものは私のもの!? 「友達を奪う女」の心理と対処法…略奪対象は彼氏だけじゃない
 自分の仲が良い友達を奪う女に悩んでいる方、必見! 今回は友達を奪おうとする女の心理と対処法を解説します。  人の男を...
聞こえてくる音は…
 長いトンネルの中を歩く。  かすかな音も振動となって耳に入り込み、心を震わせた。
【女偏漢字探し】「妹」の中に紛れ込んだ漢字は?(難易度★★☆☆☆)
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...