「あんぱん」ウラの見所~初週からブチかまし!細部に神経が行き届いた作品だと印象付けた中園脚本

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2025-04-05 06:00
投稿日:2025-04-05 06:00

母・羽多子がヤムおんちゃんに弟子入り志願?

 帰り道、ヤムおんちゃんが「ついてきな」と出掛けた先はのぶの家でした。「さあさあ皆さん集まって! 焼きたてのあんぱんをどうぞ!」と大きなざるに乗ったつやつやのあんぱんを差し出します。

「わしはあんぱん食うたことがある」とまず手に取ったのは釜次(吉田鋼太郎)でした。「う、うまい」。

「お代はあとでちゃんといただきますよ」とヤムおんちゃん。

 次に嵩が食べて「おいしいね」と。その言葉に促されるようにのぶも一口食べて「たまるかー」と思わず口にし、嵩のほうを見て「おいしい」と。

「くらばあ、こじゃんとおいしいで」と祖母にあんぱんを差し出すのぶ。一口食べて「おいしい」と笑顔になるくらばあ。

「ほんまにおいしい。ここがホカホカします」と胸を触る母・羽多子(江口のりこ)。

「朝田家の人びとはホカホカのあんぱんに生きる力を貰ったのです」とナレーション。

 この半年間、「おいしいもん食べたら悲しいこと忘れるから食べり」と言われてもまったくピンとこなかったのがウソのように感動し、あんぱんが食べたくなりました。

 次週の予告編では、母・羽多子がヤムおんちゃんに弟子入り志願? していました。

 羽多子さん=バタコさん? そうなってくると釜次はかまめしどん? そして、天宝和尚(斉藤暁)はてんどんまん? 桂万平(小倉蒼蛙)はかつどんまん? いったいどれだけのキャラが潜んでいるのでしょうか。そちらも楽しみでなりません。

桧山珠美
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TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

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