「会わずに君を追い詰めたい」SMサイトの男性が講じた奇策

深志美由紀 官能作家
更新日:2019-08-22 06:00
投稿日:2019-08-22 06:00

大型スーパーの男子トイレに…

「このあたりって知ってる?」

 なんと、彼はわざわざ都内から車で私が住んでいる(ということになっている)街までやってきて、近辺で一番大きなスーパーマーケットの男子トイレの壁に、A4サイズに拡大した私のちょっとエッチな写真を張り付けていたのでした。

「わ~~、凄い! わざわざ来てくれたんですか!遠いのに……!」と、私は妙なところで感動。

「今すぐ剥がしに来ないと、いろんな人にみゆきちゃんのエッチな写真を見られちゃうよ」と彼は言うのです。

 なるほどー! 面白い責め方だとは思いました。

 が……、

 そこは神奈川でも一番大きな市で、なにしろ広域。残念ながら私はそのスーパーを知らず、そこまで行けるような車もありませんでした。

 そもそも、今、その市に住んでないし。

「ご、ごめんなさい。私、車がないからそこまで行けないかも……」

 その後どういうやりとりで彼との会話を収束させたのかはちょっと記憶にないのですが、「遊びに乗り切れなくてごめんなさい」というところです。

 しかしながら手間も時間も掛けてくれ、非常に凝った遊び方ではあるな、と思いました。

 逢わないのに女性を責めるSM、それはそれで新しいかもしれない。

 でも、やはりあまり気軽に自分の写真は送るものではないので、皆さまはぜひ写真の扱いは慎重にどうぞ。

深志美由紀
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官能作家
集英社ノベル大賞佳作受賞にてデビュー。2010年「花鳥籠」
で第一回団鬼六賞優秀作受賞、同作13年映画化。新聞や電子書籍など、男性のみならず女性にも受け入れられる官能小説を多方面で執筆。著書に「ゆっくり破って」(イーストプレス)「美食の報酬」(講談社文庫)など。自他ともに認めるダメ男好きで、自らの体験を活かしたエッセイ漫画なども配信中。

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