旧ジャニ会見から1年半、STARTO社の再興成否…CD売上と人権意識から考察、ファンは一体何を望む?

こじらぶ ライター
更新日:2025-04-12 06:00
投稿日:2025-04-12 06:00

創業者問題発覚から1年半、SE社は再興できている?

 2023年9月および10月、旧ジャニーズ事務所は創業者問題で2度記者会見を開いた。その後、同社所属タレントのテレビ・CMの露出は大幅に減少。2024年4月からは、同社所属タレントのマネジメント業務を、新会社STARTO ENTERTAINMENT(以下、SE社)が引き継いだ。

 記者会見から約1年半、SE社は事務所を再興できているのだろうか。本稿では、記者会見前後から現在に至るまでにおいて、所属グループのCDシングル売上の推移と、その背景にある人権意識について振り返りたい。

2022年「オリコン年間ランキング」TOP10のうち6作品が旧ジャニ

 まず、記者会見前の2022年「オリコン年間ランキング」シングル部門では、旧事務所から6作がトップ10入りしていた。内訳は、King & Prince(以下、キンプリ)が1位と9位、Snow Manが2位と3位、なにわ男子が7位と10位でそれぞれ2作だった。

 キンプリは、現Number_iの平野紫耀(28)ら3人の脱退発表があり、ファンのCD購入運動によるブーストもあったが、いずれにしても人気の高さを証明した。2020年のデビュー以来、毎シングル100万枚前後の売上を継続してきたSnow Manの強さは相変わらずで、前年デビューしたなにわ男子も勢いを継続していた。

2023年のトップ10入りは7作品

 次に、創業者問題がくすぶりはじめ、2度の記者会見を挟んだ2023年の年間シングルランキングでは、旧事務所から7作がトップ10入りした。内訳は、キンプリが1位と6位、Snow Manが2位と3位、SixTONESが8位と10位でそれぞれ2作、なにわ男子が7位で1作だった。年間7作をトップ10に送り込んだのは、事務所の歴史を通じて、2009年、2020年以来3回目と、極めて高い数字だ。

 2022年のキンプリ脱退騒動時のように、2023年の創業者問題により“推しメン”や“推しグループ”存続自体に危機感を持ったファンが、テレビ・CM露出減に対抗し、CD購入で彼らを後押しした。もちろん、前年もトップ10入りしていた3組と、前年から売上を伸ばしたSixTONESなど、グループそのものの強さが大前提にある。

2024年トップ10入りは4作品

 SE社となり再スタートを切った2024年の年間シングルランキングでは、同社から4作がトップ10入りした。内訳は、Snow Manが1位と2位で2作、Aぇ! groupが4位で1作、SixTONESが10位で1作だった。トップ10入り4作は、2020年代で最も少ない数字となった。

【こちらもどうぞ】中居正広芸能界引退の一方で、評価を上げ続ける木村拓哉は何を思うのか。“正統派アイドル”好敵手との別離

SE社ー強体制が崩れ、相次ぐ熱愛報道も痛手に…

 SE社がトップ10入りを3作落とした代わりに、日韓合弁会社のLAPONEエンタテインメントが、INIの2作、JO1の1作と過去最多の計3作を送り込んだ。トップ20まで見ると、K-POPボーイズグループも2組ランクインしている。

 2023年の旧事務所記者会見以降、それまで競合と見られていた他社ボーイズグループの露出が増えた。旧事務所から続いたー強体制が崩れ、自由競争の結果、相対的にSE社のトップ10作品が減った。

 ただ、2024年のSE社としての再スタート以降、所属タレントのテレビ・CM出演は、徐々に2023年記者会見以前のように取り戻されつつある。その中で売上を落とした原因は、他社ボーイズグループの台頭とはまた別のところにもある。

 記者会見のあった2023年下半期以降、それまで年間トップ10入りしていたキンプリ、なにわ男子、SixTONESに熱愛報道が相次いだ。いずれのグループも熱愛報道以降、トップ10入りできる水準のシングルを出せていない。

こじらぶ
記事一覧
ライター
STARTO ENTERTAINMENT、秋元康系女性アイドル、ローカル、地下アイドル等数々の現場を経験。Xでもご意見を募集しております。

エンタメ 新着一覧


【朝ドラおむすび】気の毒過ぎる委託会社の栄養士・柿沼。大鶴義丹チョイ登場で気になる“大鶴の恩返し”
 結(橋本環奈)は、聖人(北村有起哉)に永吉(松平健)が大学進学用のお金を何に使ったのかを話し始める。結は米田家の呪いの...
桧山珠美 2025-02-26 17:30 エンタメ
SNSで目立つ「新生timelesz」への厳しい声 オーディション番組なぜ荒れる? マニアでも予想不能な展開に
 話題のオーディション番組『timelesz project -AUDITION-』(Netflix)が最終回を迎え、待...
【おむすび】米田家4代食卓トークにモヤっ。盛り上がらないドラマで盛り上がらない万博の“宣伝”効果は?
 福岡・糸島に住んでいる永吉(松平健)と佳代(宮崎美子)が神戸にやって来る。結(橋本環奈)はてっきり聖人(北村有起哉)の...
桧山珠美 2025-02-24 17:30 エンタメ
新生timeleszに国民的人気グループの目。タイプロ開催で佐藤、菊池、松島メンバーの3人が自ら選んだ意義
 旧ジャニーズのグループのなかでも「Sexy Zone」という名前はいかがなものかと常々思っておりました。中国表記だと「...
現役芸人が見た『ホットスポット』のすごさ。お笑いのテクをドラマに落とし込む「バカリズム脚本」の妙
 バカリズムが脚本を担当したドラマ『ホットスポット』(日本テレビ系、日曜22時30分~)が話題だ。毎回の放送終了後にはS...
帽子田 2025-02-23 06:00 エンタメ
【最新回のおむすびにモヤっと】優秀ドクターと管理栄養士の描き方に違和感。次週予告編では喪服姿ちらり…
 結(橋本環奈)たちは、病院で外科医の蒲田(中村アン)から聖人(北村有起哉)の胃がんの手術がうまくいったが、今後5年は経...
桧山珠美 2025-02-22 14:37 エンタメ
KAT-TUN解散で「男性アイドル25周年の壁」説が再燃…SMAP、嵐も超えられないその理由とは
 2月12日、STARTO ENTERTAINMENT(旧ジャニーズ事務所)所属のKAT-TUNが、3月31日をもって解...
こじらぶ 2025-02-22 06:00 エンタメ
矢口真里の「クローゼット不倫」は許された?『Mステ』出演に誕生日会、異様な精神力を高めた結果の大復活
「クローゼット不倫」というパワーワードを生み出してから早10年以上。元・モーニング娘。の矢口真里が、1月20日に42歳の...
堺屋大地 2025-02-20 06:00 エンタメ
【きょうの朝ドラおむすび】北村有起哉と緒形直人の“神回”。証明写真機で“プリ”するおっさんず
 胃の精密検査で気を病む聖人(北村有起哉)は、孝雄(緒形直人)に誘われて大阪の街をおしゃれして歩くことに。そして、聖人は...
桧山珠美 2025-03-12 23:48 エンタメ
【おむすびにモヤっと】おかずのメニューを聞かずに1300kcalをも導き出す“徳積みヒロイン”
 翔也(佐野勇斗)の母・幸子(酒井若菜)が栃木から神戸に孫の顔を見に来て、イチゴ栽培のおもしろさを語る。愛子(麻生久美子...
桧山珠美 2025-02-18 17:30 エンタメ
「KAT-TUN電撃解散」への本音。亀梨和也と田中みな実とくっつくのは、やっぱり嫌だな
“♪ギリギリでいつも生きていたいから~”と私たちの前に現れたKAT-TUN。2006年3月のことでした。結成から5年、デ...
【最新回の朝ドラおむすび】蒲田医師(中村アン)は大門未知子をリスペクト?“パワハラ”の不評が気になる展開
 結(橋本環奈)は、勝手に退院しようとする低栄養の患者・麻利絵(桧山ありす)の病室に行き、このまま退院したら一生後悔する...
桧山珠美 2025-02-15 06:00 エンタメ
【おむすびにモヤっと】知らぬは夫ばかり?愛子(麻生久美子)の“プチ金満ぶり”が気になる
 歩(仲里依紗)は、梅田で愛子(麻生久美子)がダンディな男性と歩いていたのを目撃したと聖人(北村有起哉)に報告。聖人が信...
桧山珠美 2025-02-13 17:20 エンタメ
【おむすびにモヤっと】居酒屋で注文した“高カロリー”料理にぶーたれる結。5人で食べたら大丈夫かもよ!
 愛子(麻生久美子)は、自分が作っているブログのダイレクトメールに男性から会いたいというメッセージがあり、聖人(北村有起...
桧山珠美 2025-02-11 17:05 エンタメ
不倫に喫煙…加護亜依の「自称・天真爛漫」ってなに? 『しくじり先生』で見せた違和感
 昨年末に自身のSNSで、実は約2年前に2度目の離婚をしていたことを公表していた元・モーニング娘。の加護亜依。  ...
堺屋大地 2025-02-11 06:00 エンタメ
日曜劇場「御上先生」B面的な楽しみ方。過去出演作の絡み、DNA、ブレイク直前など“ニヤニヤ”てんこ盛り
 今期ドラマでダントツ楽しみなのがTBS日曜劇場「御上先生」(21時~)です。主人公の御上孝を演じる松坂桃李(36)、最...