アラフィフ独女が見たフジテレビ問題。氷河期世代の私が感じた世代間の「当たり前」のズレ

mirae.(みれ) ライター
更新日:2025-04-14 06:00
投稿日:2025-04-14 06:00
 アラフィフ独女ライターのmirae.(みれ)です。昭和48年生まれの私は、氷河期世代として社会に出たときからセクハラやパワハラが蔓延する職場環境に違和感を抱きながらも、「そんなものだ」と受け入れてきました。

フジテレビ問題の何が問題なのか?

 最近話題になった、フジテレビの性加害問題を見て、私自身の経験と重なる部分が多く、深い憤りと同時に、世代間の価値観のズレにも思いを馳せることになりました。今回はこの問題を基点に“昔は当たり前”とされてきたことを、見つめ直したいと思います。

 フジテレビ問題は、元タレントの中居正広氏とフジテレビの元女性アナウンサーとの間で発生した性加害トラブルに端を発しています。 2024年12月に一部週刊誌の報道で明るみに出たのは記憶に新しいことと思います。

 問題の核心は、加害者個人の行為だけでなく、長年にわたりその行為が“黙認されてきた”フジテレビの組織的な体質にあると言われています。

 また、フジテレビが女性アナウンサーや、同職に限らず、女性社員を視聴率や演出のための「モノ」として扱ってきた風潮も指摘されており、 社内の歪んだパワーバランスによって、立場の弱い人々に沈黙を強いてきたことが、問題を深刻化させました。

 この事件は、単なる一企業の不祥事にとどまらず、日本社会全体に根深く残るジェンダー意識や権力構造の問題を浮き彫りにすることにも繋がっており、社会全体の意識改革が求められています。

【こちらもどうぞ】私が48歳まで処女だったワケ。30代日本人女性の3人に1人が性体験なし

氷河期世代の私が見てきた“セクハラ”

 私たち氷河期世代が社会に出たころ、女性に対するセクハラやパワハラは、職場に“当たり前”のように存在していました。例えば、女性がコピー取りやお茶汲みをするのは当然とされ、会議の場では男性たちをサポート。バリバリの男性営業マンには、必ずと言っていいほど女性の営業アシスタントがついていました。

 さらに飲み会の場では、女性が率先してお酌や料理の取り分けを行い、男性上司の機嫌を取る。それが“気の利く女性”とされていたのです。

 フジテレビ問題のようなあからさまな性的加害がなかったとしても、女性は男性の補佐役という前提が、日本社会に根強くあったのは事実でしょう。

 今でも、同世代や年上の男性たちから「女のくせに」「どうせ女にはわからない」といった視線を浴びることがあります。そうしたことが“当たり前”の環境で育ってきた人々にとっては、それが長年の“常識”として染み付いてしまっており、いつまでも変わらない、変われない人が多いのが厄介です。

 そんな彼らに対して、理不尽な思いをした人もいるとは思います。しかし、“彼らはそういう人たちだ”と頭に入れておくと、多少は気が楽になるかもしれません。もちろん、それが許されるわけでは決してありませんが。

当たり前だったことが、今はそうではないということ

 最近では、セクハラやパワハラに対する社会の目は明らかに変わってきました。昔なら笑って流されていたような発言や態度が、今では問題提起され、処分の対象になる。本当に大きな進歩だと思います。

 私自身も、時折ふと「これは今はNGだけど、昔は普通だったなあ」と感じてしまう瞬間があり、「自分もちゃんとアップデートしなきゃ」と反省します。かつての“普通”が、今では人を傷つける行為になり得ることを認識し、自分自身も時代と共に変わっていく必要があるのだと強く感じています。

 コンプライアンスのアップデートは、他人ごとではなく、自分ごとです。とくにセクハラやパワハラは、自分が受けてきた過去の経験をただ嘆くのではなく、それを糧により良い環境づくりに貢献していくことが、氷河期世代である私たちの役割かもしれません。

mirae.(みれ)
記事一覧
ライター
アラフィフのフリーライター。ライター歴は15年以上。いろいろこじれて48歳で処女卒業。現在は性に奔放で貪欲に、独身生活を謳歌中。
X

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


「デブなのに仕事早すぎw」無神経上司からの笑えねぇLINE3選
 どんな職場にも気の合わない人はいますよね。たいていはスルーしたり、距離をおいたりすればいいと思うのですが、相手が上司だ...
「花粉症の人」「そうじゃない人」の深い溝 2023.3.5(日)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
能町みね子は思う 愛猫の小町は「血のつながった我が子」
 私は、もう一生、海外旅行には行けないかもしれない。うちで、かわいいかわいい猫の「小町」が待っているからです。──そうは...
“胃腸弱すぎ”アラフォーを救う神メニュー3選 2023.3.4(土)
 またしても胃腸をぶっ壊しています。記憶をさかのぼると、昨年もこんな記事を書いておりました。定期便レベルで腹痛に見舞われ...
辛酸なめ子さん「猫奉仕入門」人より高貴な存在に奉じる幸せ
 猫様、神様、仏様!! ネコの前では誰もが下僕……。猫は迷える人間をいつも導いてくれているのです。
昼と夜で違う顔 ガード下で見つけた芸術作品 2023.3.3(金)
 暗闇をバックに造形が際立つ、まるでガード下の芸術作品。  明るい時間にはなんてことない風景なんだけど、まったく違...
イジリとイジメの違いは?関西出身者は思う「わからん人は使用厳禁!」
 みなさんの生活圏には「イジる文化」はありますか? 私は関西出身なので、お笑いの文化が身近にあり、小さな頃からイジリ慣れ...
プレゼン怖い問題 緊張しない5つの方法で苦手意識をなくす!
 会社でのプレゼンや学校での保護者会など、人前で喋るときに緊張して本領発揮できなくなってしまう人はよくいます。たしかに、...
にゃんたま撮影=合法! プリプリな美少年“たまたま”に大注目
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
職場にひとりはいる!? 驚くほど「働かないおじさん」対策法
 会社で働いていると、びっくりするほど仕事をしないおじさんっていませんか?  働き盛りのアラサー、アラフォー女性にとっ...
三匹寄れば文殊の知恵 2023.3.1(水)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
超絶かわいい! 春の花「シレネ サクラコマチ」最強の飾り方
「へー!」  以前なにげなく見ていたNHKの特集番組で、思わず声が出たことがございました。なぜテントウムシは自然と...
写真の黒枠は要注意! 40代なら知っておきたい年賀状マナー
 年々、デジタル化が進む現代では、年に一度、心を込めて書く年賀状の意義も大きくなっていますよね。でも、実は年賀状には意外...
BiSHセントチヒロ・チッチ「ハクと坊のきょうだい猫は人を虜にする」
 私、このコたちを我が家に迎える前から、ふたりのファンだったんです。 「セントチヒロ・チッチ」の名前の通り、私はジ...
「新井モーニング」からのストリップ劇場へ 2023.2.28(火)
 書店員でエッセイストで踊り子。コクハクで連載中の新井見枝香さんが出演するストリップを観に行ってきました。ストリップ初心...
自分を追い詰めないで アラフォー女性管理職5つの悩み&解決法
「課長に昇進したのはいいけど、意外とツラい〜!」そんなアラフォー女性、増えています! 豊富な経験から職場で責任あるポジシ...