「子どもがいない人生」は不幸なのか? SNSの“子持ちvs子なし”論争にアラフィフ独女の心がザワつく理由

mirae.(みれ) ライター
更新日:2025-05-13 06:00
投稿日:2025-05-13 06:00
 51歳の独身・独居ライターである私は、いわゆる“子どもを持たない人生”を歩んできました。結婚もしないまま気づけばアラフィフ。周囲の友人たちが母となり、家庭を築いていく中で、私は「子どもが欲しい」と強く思ったこともなければ、この選択を後悔したこともありません。けれど、そのたびに感じるのは、社会からの“静かな圧力”。

 5月2日に放送されたNHK「首都圏情報 ネタドリ!」で“子どものいない人生”を語る女性たちの姿に、私は深く共感を覚えました。今回は、“子どものいない人生”についてお話ししてみたいと思います。

番組から見えた“いらない存在”という痛み

 NHKのドキュメンタリー番組「首都圏情報 ネタドリ!」の特集「広がる“子どものいない人生” 語り始めた女性たち」は、まるで自分の人生がようやく“見つけてもらえた”ような、心震える内容でした。

 番組内で紹介された作家・月岡ツキさんの著書『産む気もないのに生理かよ』では、「子どもを産めというくせに、産んだら産んだで“ちゃんと育てて”と丸投げ。支援は不十分」という、社会の矛盾が痛烈に描かれていました。この言葉には胸を突かれました。

 さらに印象的だったのは、「子持ち家庭への支援が手厚くなる一方で、子どもを持たない私たちは“社会に必要とされていないのでは”と感じてしまう」という声。それはまさに、私自身が長年、静かに感じてきた“取り残され感”そのものでした。

 日常のどこかで、ふと「自分はこの社会にとって余剰なのでは」と思ってしまう。そんな漠然とした孤独や、無力感に襲われる瞬間が、確かにあるのです。

【こちらもどうぞ】アラフィフ独女が『人事の人見』を見て思うこと。平成の働き方はもう通用しない…私たちはどう振る舞うべき?

「老後はどうするの?」の一言が刃になる

 最近のSNSを見ていると、「子持ちVS子なし」とでも言うべき対立構造が、あからさまになりつつあります。お互いの立場を思いやる余裕がなくなり、「わかりあえなさ」だけが浮き彫りになっていくような光景に、どこか胸がざわつきます。

 とりわけ「未婚で子なし」の私のような立場は、しばしば“かわいそう”という視線を向けられます。「老後はどうするの?」「親は孫の顔も見られないなんて可哀想」――悪気なく放たれたその一言一言が、まるで小さな刃のように心をチクチクと刺していくのです。

 けれど、私たちが語らなければ、この“生き方”は社会の中でいつまでも透明なままです。見えない存在である限り、偏見も誤解も、ずっと更新されないまま残り続けてしまう。

 今回の特集は、そんな私たちの存在に初めてスポットが当たったような気がして、言葉にならないほどの救いと痛みを同時に感じました。ようやく“声を上げてもいいんだ”と思えたのです。

mirae.(みれ)
記事一覧
ライター
アラフィフのフリーライター。ライター歴は15年以上。いろいろこじれて48歳で処女卒業。現在は性に奔放で貪欲に、独身生活を謳歌中。
X

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


アイスティーとワッフルとオムライス 趣味は違っても友情は続く
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
冬園芸のスター「パンジー&ビオラ」いつ植えるか問題の正解をズバリ!
 暦も10月。世の中なんだかんだで秋になったのか? まだ暑い日もあって若干疑わしいけど。  猫店長「さぶ」率いる愛...
外見も内面も「おブス化」を止める! いいとこ取りの自分磨きの方法
 仕事や人間関係でクタクタなあなた。ストレスで食べ過ぎてしまったり、逆に食べられなくなったりしていませんか?  年...
「一点豪華主義」ってダサいですか? 将来的に後悔しない切り詰めイズム
 今回は一点豪華主義について、女性のあるあるや良し悪しを紹介していきます。 「一点豪華主義はおしゃれな人に多い」「一点...
犬猫は無理でも鳥は飼いたいな 意外なデメリットと注意すべき3つのこと
「ペットに癒されたいけど、賃貸物件で犬・猫は飼えない」「犬の散歩にいくのは面倒」という人に人気なのが鳥ちゃん! 一人暮ら...
いつもどこかに人がいる都会で「独りになれる瞬間」は短い
 都会のよさのひとつはお互いが無関心なこと。ワンオブゼムでいる心地よさもある。  そこで「独りになる」のはなかなか...
家事地獄の休日、子と遊んで体力の限界…それでもお昼寝は罪ですか?
 ステップファミリー6年目になる占い師ライターtumugiです。私は10代でデキ婚→子ども2人連れて離婚→シングルマザー...
道ににゃんたま様が落ちている! 輝く“たまたま”に五体投地
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
 「妾(めかけ)」は“差別的用語”とは限らない
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
丁寧な言葉をわざと並べてる? 慇懃無礼ってやつだからー!LINE3本
 慇懃無礼(いんぎんぶれい)とは、表面上ではとても丁寧に見えるのに、丁寧すぎて相手を見下した無礼な行動になってしまうこと...
口開けば「要は」って言う人の謎…自分の“イラッと”を減らす予防法3つ
 会話をしていてなんかイラッとする相手っていませんか? 「要は」って言う人もその中のひとり。言っている本人に悪気はないも...
ラブホテルに泊まりました。
 残念ながら、渋谷のスイーツホテルに行く機会は、まだ訪れていない。  サイトの写真でじっくり選んだところ、私が希望...
日本なぜ未発売!? 韓国スタバの飲み物&ダイエットシェイクが可愛過ぎる
 日本では「スタバ」の通称で愛されているコーヒーチェーン店、スターバックス コーヒー(Starbucks Coffee)...
2024-02-26 19:03 ライフスタイル
失礼は承知の上、他人の料理が苦手なんです…克服するには?
 お互いの料理を持ち寄って、ホームパーティーをするのは楽しいですよね。しかし、他人の料理が苦手な人にとっては地獄の時間…...
野良妊婦と呼ばれていたとは…疑心暗鬼のうんち事件もあったシェアハウス
 第1子妊娠中に夫の地方転勤の辞令が下り、妊娠5カ月でこれまで暮らしていた2LDKのマンションから「4畳のシェアハウス」...
今飲んでるLINE「30分で閉店!急いで」って、いやいや。悪ノリのトホホ
 人は、気の知れた友達とお酒を飲むと、テンションが高くなってつい悪ノリな行動をしてしまいがち。  きっとあなたにも...