「あんぱん」登美子(松嶋菜々子)の“一瞬の表情”をよく見ると…嵩への言葉は愛ゆえだとわかる

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2025-06-05 16:00
投稿日:2025-06-05 16:00

第10週「生きろ」#49

 のぶ(今田美桜)は、兄のもとに赤紙が届いて不安がる生徒に勇ましい言葉をかける。しかし、次郎(中島歩)の言葉が引っかかり心の中は震えていた。

 次郎にも同じようなことを言ったのではと図星を指す蘭子(河合優実)に、のぶは本心を言う勇気がなかったと意気消沈する。そして嵩(北村匠海)にも、とうとう赤紙が届く。

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【本日のツボ】

のぶ、実家と自宅、どっちに住んでいるのか問題

 ※※以下、ネタバレあります※※

 嵩が兵隊に向いていないのは、誰が見てもあきらか。母、登美子(松嶋菜々子)がそう言ったのは、嵩を傷つけたいわけではなく、「生きて戻ってきて」という愛情ゆえの言葉だったのでは。カフェの廊下で、一瞬、立ち止まった時の表情からそのことが見てとれました。

 それにしても、登美子ですが、3回も再婚していたのは驚きでした。あいかわらずのお美しさは、座間先生(山寺宏一)を一目惚れさせるほどでしたが、ほとんど年をとっていないのが不思議です。いったい登美子はおいくつなのでしょう?

のぶのいるところに事件あり

 疑問といえば、やはり、のぶです。嵩と羽多子(江口のりこ)が朝田パンの前で立ち話をしていたら、都合よく、のぶが帰ってきました。

 その前、自転車で郵便配達中の蘭子と道端を歩きながら、話しをしているのは、おそらく高知へ戻る道と思われます。「もんてきてー」と次郎さんに言えなかったという後悔を蘭子に語る場面でした。

 実家と自宅を行ったりきたり。のぶのいるところに事件あり、という感じ。しかも、嵩の後ろ姿を見ただけで、「嵩も行くがかえ」とすべてわかってしまうのぶ。あの近未来的なオープニングといい、もしかして、のぶは未来人設定? などということは……ありませんか。

桧山珠美
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大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

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