高貴で厳かな「菊」を解説…重陽の節句に花びら浮かべ菊酒を

斑目茂美 開運花師
更新日:2019-08-31 06:00
投稿日:2019-08-31 06:00

菊は清らかな香りが漂う「隠逸花」

菊の別名は「隠逸花」(写真:斑目茂美)
菊の別名は「隠逸花」 (写真:斑目茂美)

 見るからに高貴で威厳のあるお花、日本が誇るべき「菊」は、従来のそれとはまた別に、さまざまな変貌を遂げています。まるで大輪のダリアのように大胆でスタイリッシュなものや、小さなピンポン玉のように可愛らしいものまで、時代のニーズに合わせて進化しているお花なのでございます。

 最近ではイチゴのような甘酸っぱい香りのものまで出現し、今や市場はマム(菊)パラダイスでございます。

 菊は日本人にとって特別なお花。天皇家の紋に使われていることから、サクラと並び「国花」とされておりますが、意外と知られていないのはその別名でござんす。

 菊の大きな特徴はその香り。暗闇の中に漂う清らな香りは、姿見えずとも菊があると分かることから「隠逸花」(いんいつか)と呼ばれておるのでございます。

 お茶をたしなむ方ならば一度は耳にしたことがある「隠逸花」という言葉は、千利休を喩えて詠まれた詩にも登場してまいります。

 隠逸とは世俗から逃れることを申しますが、一介の町人であった千宗易が利休居士の称号をたまわる境地が、まさに隠逸なる存在にも感じたのでしょうか。隠逸な存在こそが、できることなら高貴な職をたまわる者であって欲しかった……というのがワタクシの超個人的な意見でございます。

 ずいぶん以前に、何げなく観光途中で立ち寄ったとある神社に参拝したところ、真っ白な菊のみが飾られた本殿を見たことがございます。

 あまりに厳か。あまりに高貴。ワタクシの中で周囲の音が消え、思わず頭を垂れてしまったことがございます。本当に美しい。そこにあるだけで空気が震えるような、菊とはそんなお花でございます。

斑目茂美
記事一覧
開運花師
半導体エンジニアを経て花業界に転身。イベント・ホテルなどの装飾も手がける生花店を営む傍ら、コンテストで優勝・入賞を重ね、雑誌・新聞等に作品を発表する。神奈川各所にて花教室を開催。障害者支援も花で実践。悩ましくも素敵なお客様を「花」で幸せへと導く道先案内人。ブサかわ猫店長「さぶ」ともに奮闘中。Facebookやってます。

ライフスタイル 新着一覧


ルポ:ギャラ飲み額はトップ級の30分1.35万円!看護師の夢と新たな野望
 経営者や著名人、人気のインフルエンサーも利用する「ギャラ飲み」なるサービスって知っていますか? 東京都内のみならず、全...
これが330円? 3COINSジェルネイルの凄さよ!物価高の今にありがたい
 3COINS(スリーコインズ)で「UV LEDネイルライト」が330円で買えると知り、おうちでジェルネイルデビューをし...
甘えっこ“たまたま”の「マズル、シッポ、にゃんたま」3点セット♪
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
ハーブ育てるなら一択!虫よけ・若返りにローズマリー、ほっぽらかしで◎
 猫店長「さぶ」率いる我がお花屋は、神奈川の片田舎にあります。4月とはいえ1日の寒暖差はすさまじく、朝晩はストーブ、日中...
不倫バレ。“妻の奈津と申します”に戦慄→“なに無視してんだよ”で眠れない
 あなたはこれまでに、緊張感がハンパないLINEのやりとりをした経験があるでしょうか?  今回は、不倫相手の妻や先...
「フェロモン診断」調香師が選ぶ GW旅行の疲れを癒すおすすめの香り
 もうすぐゴールデンウィーク、今年は旅行や帰省の予定を立てている人も多いのでは?  飛行機や電車での移動、長時間の...
新学期早々ピンチ! 子供の「学校に行きたくない」の最適解は?
 子供が「学校行きたくない」と言い出したら、親としてはとても不安になりますよね。理由は、いじめや人間関係、勉強の遅れや体...
黄・紫・桜♪
 春の三原色を見つました。
陽だまりでゴロゴロ♡ お日様パワーを吸収する“たまたま”君
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
ほっこり癒し漫画/第71回「はふはふぴたっ」
【連載第71回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
美人局の語源に「筒」と「陰茎」
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
結婚式前夜、娘の門出を祝う「親として最後の教え」の内容に涙腺崩壊!
 入学や卒業、就職による1人暮らしなど、門出は1つの節目。嬉しい反面、どこか寂しさや不安を感じる瞬間でもありますよね。 ...
占い好きな成功者と占い好きな非成功者の違い…占いライターで一攫千金も
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(63)。多忙な現役時代を経て、56歳...
豊洲の人生勝ち組妻でも幸せじゃない?彼女が裕福と引き換えに諦めた事
 独身時代は都心に暮らしていたが、結婚を機に武蔵境に暮らし始めた千佳。しかし、郊外のこの地を愛せない。そんな時、中学の同...
「夫の駐在時にね…」なぜあのコが?田舎の同級生“玉の輿婚”に心ざわつく
 独身時代は都心に暮らし、華やかな生活をしていた千佳。しかし、結婚を機に都内から離れ、武蔵境に住み始めた。しかし、妥協し...
メガバン妻が悟ったリーマンの限界値 吉祥寺より2駅下った中古マンション
 武蔵野の自然を携えそびえる瀟洒な白亜の建物は、まるでこの場所がヨーロッパの一都市であるかのような錯覚を与えてくれる。 ...