65歳の男が「完璧な人間=幸せ」じゃないと気づいた瞬間。やっぱり人間は好きなことでしか頑張れない

山口明 プロ童貞・現代アーティスト
更新日:2025-08-09 08:00
投稿日:2025-08-09 08:00
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(65)。多忙な現役時代を経て、56歳の時に仕事中心で働く生き方をドロップアウト。現在は悠々自適な老後(?)を送りながら、還暦過ぎの童貞としてメディアに登場して注目を集めています。

「完璧な人間=幸せ」ではない?

 Hello、本日も童貞なり。
 
 オレは高校時代、とりあえず早く高校を卒業してデザインの専門学校に行くことだけを考えていて、まったく授業や勉強に身が入らなかったから、ほぼ全教科赤点で成績はいつもビリ。

 そんな状況を心配したオレの母親に、三者面談で「山口君は自分の苦手なこと、嫌いなこと、好きなことが分かっているし、自分の進む道も決まってるみたいなので問題ありません」と言ってくれたのが当時の担任、鈴木先生だった。

【読まれています】人生64年ずっと実家暮らしですが何か? 介護に看取り…「子ども部屋おじいさん」が至った境地

 国立大学を卒業したての新人教師だった鈴木先生は、高校時代にすべての教科で成績が良かったみたいで、本人いわく「全方位的に優秀な学生」だったそうなんだけど、逆に「何でもできてしまった」からこそ自分の進む道に悩んで、いろいろと苦労して回り道したらしい。

 オレみたいな出来の悪い人間からしたら贅沢な悩みにも聞こえるんだけど、オールマイティーな人間が必ずしも「幸せな人生」が送れるというわけではないみたい。

 最近、運動会のかけっこで順位を決めなかったり、通信簿をやめる学校があったりするとかいう話もあるけど、これって自分の苦手なことや嫌いなことを知る機会を逃しているのと同じだと思うんだ。

 元劣等生のオレから言わせると、人生のどこかのタイミングで「自分には苦手なことがある」と気付くことで、自然とこれから進むべき道が見えてくるものじゃないのかな?

 やっぱり人間、自分の好きなことや得意なことでしか頑張れないからさ~。

家庭では「ジェネラリストこそ正義」

 かつてビジネスの世界では、多方面の能力や知識を持つ“ジェネラリスト”と呼ばれる人が重宝されていた。

 それが今では、会社や組織から「自分の専門性は何なのか決めろ」とかなんとか言われるみたいで、何かひとつの能力に突出した“スペシャリスト”の価値が上がっている。それなのに、なぜか家庭においてはこのところ逆の現象が起きているようだね。

 女性が当たり前に働くようになり、出産後も働き続ける女性が増えて、仕事と育児、家事の両立はもはや当たり前。男性も同じくらいのスタンスで家事や育児に参加することが求められるようになった。

 もちろん、これまでの男女の役割の片寄りの解消という意味では必要な変化だと思うけど、ビジネスではスペシャリストが求められるのに、家庭では「ジェネラリストこそ正義」なんて、ちょっと矛盾しているような気がするね。

 実際、何から何まで完璧にオールマイティーにこなしている人って、メディアの“幻想”っていうか、実はいないんじゃないの? そんな「完璧に見える人たち」に憧れたり、なれない自分を責めたりするのは、なんだか時代遅れのようにも感じるな~。

 幻想に踊らされて、お互いに「完璧であること」を押し付け合うような夫婦関係なんて、地獄以外の何ものでもない。オレは独り身で良かったなぁ、なんてね(笑)。

山口明
記事一覧
プロ童貞・現代アーティスト
1960年生まれ。プロ童貞しかし、あるときは現代アーティスト。そしてまたあるときはオナニストにして予言者。しかし、その実体は無職のオシャベリ・クソジジイ。毎日、地元MAD CITY(松戸市)の平和を守る為、猫背&早歩きでパトロール。本日も童貞戦線異状なし!!
著書の「ワイルドチェリーライフ山口明 童貞力で一億総クリエーター時代を生きる」が発売中。代理人による公式Xも更新中。

ライフスタイル 新着一覧


踊り子の実態。温厚な私が苛々するのはなぜ?
 踊り子稼業は、仕事も休みも10日単位。まだお客さんだった頃の私は、盆暮れ正月でもないのに10日もオフがあったら、定年退...
高い所での爪とぎは力の証! 講習中のチビ“たまたま”をパチリ
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
宝物の小さな記憶
 夏の思い出を振り返る。  季節の移ろいと共に、宝物も、思い出も、色合いが変わっていくんだね。
ほっこり癒し漫画/第84回「迷いインコ歌をうたう 後編」
【連載第84回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
衆院選で話題を呼んだ「鞍替え出馬」。そもそも「鞍替え」の語源は?
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
介護に遺産…しんどい大人の悩み、相談に「ちょうどいい」相手の見つけ方
 大人こそ行きつけのスナックを見つけて欲しいと言いまくってきた私ですが、このあいだその気持ちに拍車をかける出来事がありま...
えっ、ダイソーで「優秀クッションファンデ」が買えちゃうの? 古いメイク→流行り顔へのアプデにベストかも
 IDATE(アイデイト)は、あの有名ファッションイベント「東京ガールズコレクション(TGC)」とダイソーがコラボして生...
オトナの余裕にキュン! どこまでもついて行きたいダンディ“たまたま”
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
花業界の革命児「雑草」に注目! 秋冬の散歩で見つけたい“おしゃれ雑草”テッパン6種
 猫店長「さぶ」率いる我がお花屋は神奈川の片田舎にありますが、夜はいよいよ暖房のシーズンに(我が家のニャンズは皆20歳近...
更年期は洗濯物が増える!「汗とともに去りたい」と心がチクチクしたら…
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
オカモト「まるでこたつ おやすみスイッチ」は40女の睡眠を守れるか
 早いもので10月ももう後半。金木犀の甘い香りが心地よい季節になりました。秋が深まるにつれ、筆者を苦しめるのが足の冷え。...
若手社員のスピード離職を防ぐ3つの対策。これ以上人が減ったら回らない
 近年、多くの会社で「スピード離職」が問題になっています。せっかく優秀な社員が入社しても、数週間から数カ月の間に退職して...
グループLINEで悪口が始まったときどうしてる? 対処におすすめな万能ワード3選
 グループLINEで悪口が始まったとき、あなたはどう対処していますか? 悪口は、人を傷つけるだけでなく、自分にとっても非...
突然の御開帳! ありがたーい縞三毛猫君の激レア“たまたま”に歓喜
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
呼び声が届く距離感
 どこを見ているの?  私は、こっちだよ。
「病院まで車で送ろうか?」ご近所さんの親切が沁みる…。疲れた心に響く助け合いLINE3選
 人と人が助け合う場面を見ると、心がじんわりと温かくなりますよね。情報に溢れ、毎日バタバタと過ぎていく現代では、人間関係...