「自慰行為」の語源になった人物の悲劇。“悪いこと”と罰された本当の理由

MARO(上馬キリスト教会ツイッター部)
更新日:2025-09-15 11:45
投稿日:2025-09-15 11:45

自分の胸に手を当てて

 そんなわけで僕たちはつい、表面的な行為だけを見て、他の人を「悪い奴だ」と判断してしまったり、その行為だけを切り取って「これは悪いことだ」と判断してしまったりするわけですが、聖書に記されている神様の怒りの数々というのは、表面的な行為よりもその動機や心に対して下されていることを見落としてはいけないと思います。

 ですから、たとえば性的好奇心の旺盛な思春期の少年少女に「そんなことをしてはいけない!」と目くじらを立てるよりも、「自分は神様の目をごまかしていないだろうか」と自分の胸に手を当ててみるのを先にすべきかと思います。

 他人のことは「行為」しか見えません。でも自分のことは、その奥にある「動機」や「心」まで見えるはずです。

 神様がオナンに怒ったのは自慰という「行為」なのか、神様の目をごまかすという「動機」なのか、あるいはその両方なのか。

 性的な罪はセンシティブな問題である故に、今一度よくよく考えてみたいと思います。

書籍情報『聖書のなかの残念な人たち』

書名 : 聖書のなかの残念な人たち
著者 : MARO(上馬キリスト教会ツイッター部)
発売日: 2025年5月26日
頁数 : 288ページ
定価 : 1,980円(税込)
出版社: 笠間書院

MARO(上馬キリスト教会ツイッター部)
記事一覧
1979年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒、バークリー音楽大学修了。宗教法人専門行政書士。約11万人のフォロワーを持つXアカウント「上馬キリスト教会」(@kamiumach)の運営を行う「まじめ担当」。著書に『上馬キリスト教会の世界一ゆるい聖書入門』(「ふざけ担当」LEONとの共著、講談社)、『人生に悩んだから「聖書」に相談してみた』(KADOKAWA)、『上馬キリスト教会ツイッター部のキリスト教って、何なんだ?』(ダイヤモンド社)など多数

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


鎌倉のCafé&Meal MUJIでちょっと優雅にお仕事 2021.7.14(水)
 先日、鎌倉での取材の後、偶然こんな看板を見つけました。  え? こんな所にワークスペース? しかも無印良品? ...
“なんじゃこりゃ?”なお花が大人気!「エキナセア」の魅力
「やっぱりキテルわ~! すぐに仕入れて!」  猫店長「さぶ」率いる我が花屋。生け花の取り合わせ担当の通称「みっちゃ...
リモートワークの悩みを解消!6つのアイデアで効率アップ♪
 コロナ禍で仕事がリモートワークになり、出勤する手間が省けて嬉しいと思う人は多いよう。でも、その反面、「集中できない」「...
高速シャッターで激写! コロンコロン“にゃんたま”をパチリ
 きょうは、“1000分の1秒”の高速シャッターで写し止めた、ご開帳にゃんたまω。  カメラの高速シャッターは、ス...
愛猫とのコミュニケーションで1年365日、心掛けていること
 うちの実家には今年18歳になるパピヨン・みくちゃんがいます。みくちゃんは言葉を理解しています。お手、おすわり、待て、ち...
SNS全盛時代だからこそ!嫉妬心とうまく付き合うポイント
 自分より何かが秀でてる人のことを羨ましいと思ったこと、きっと誰でもあると思います。もしかしたら嫉妬心からちょっと意地悪...
空前の配信ブーム! 配信者とより親しくなるための基本テク
 最近は多くの配信サイトがあり、数え切れないほどの番組が流れています。そのなかから素敵な配信者を見つけた時は、気に入られ...
後ろ姿がカッコいい! 自信たっぷりオーラ全開“にゃんたま”
 きょうは、後ろ姿がとってもカッコイイにゃんたま君にロックオン。にんげんなら「胸を張って」、ですが、猫の場合は「にゃんた...
ビギナーでも簡単!ブルーベリーを大収穫する3つのポイント
 我が家の猫の額よりも狭いお庭には、実に無計画にさまざまな植物が植えてございます。「鑑賞」のためでなく「実験」と「販売」...
割り込みされたらどうする?相手の心理・注意の仕方・対処法
 スーパーのレジやコンサート、遊園地のアトラクションなど、いろいろな場面で順番待ちをする機会がありますが、よく見かけるの...
奇跡の1枚 まるで「ネコ型宇宙生命体」のような“にゃんたま”
 きょうは、大量に保存してあるにゃんたまω写真の整理作業をしていて偶然見つけた、不思議な一枚です。  よく見ると耳...
愛猫と婚活とパートナー…あなたは何を優先し大事にしますか
「未婚女性がペットを飼うと婚期が遠のくよ」などと、たまに人に言われますが、そんなものはとうに逃しているので、そのことはあ...
夏の定番「かごバッグ」を探しに行ったら… 2021.7.3(土)
 関東もここにきて梅雨らしい天気となってまいりました。ご近所へのお散歩も躊躇われる日々ですが、チョイ前に“生活道具の聖地...
離れるだけで人生好転…さっさと縁を切るべき相手の特徴とは
 男女問題研究家の山崎世美子(せみこ)です。悪いエネルギーって、思うより強くて伝染します。学生時代にとても真面目だった生...
知っていれば怖くない!言い方がキツイ人に欠落しているもの
「この人けっこうキツイ言い方するなぁ…」と感じる人がそばにいたりしませんか?もしくは自分のことを毒舌家だと思っている人は...
我こそは! レンズの前でモデル立候補する“にゃんたま”たち
 私はこの島で「にゃんたまωしか興味がないにんげん」と認識されているよう。  おんにゃの子がサービスポーズで「撮っ...