2. 鉄分の主な働き
「鉄分ってサプリとかで見かけるんですけど、正直あまり役割がわかっていないというか…。ビタミンとかタンパク質に比べて馴染みがないです」
「なるほど。鉄分は、酸素を運ぶヘモグロビンの材料となる成分よ。
だから、鉄分が不足するとヘモグロビンが作られなくなり、貧血状態になるの。つまり、酸素が全身に行きわたらず、息切れやめまい、疲労感といった症状があらわれるわ」
「そうなんですか…。貧血って、立ちくらみくらいしか症状がないと思っていました。だから鉄分が不足しても大したことはないかなって」
「とんでもないわ。鉄分はエネルギーを作り出す過程や、免疫細胞の働きにも関係している、とても重要な成分なの。だから、鉄分が不足すると貧血状態になるだけじゃないわ。
代謝が低下して太りやすくなったり、免疫力が低下して風邪をひきやすくなったりすることもあるの」
「え!」
「だから、健康維持という面だけではなく、太りたくない人にとっては美容という面からも鉄分は女性にとって欠かせない栄養素なのよ」
「それは知りませんでした…。じゃあ、とにかく今日からは鉄分のサプリをたくさん飲みますね!」
笑顔で言い切るサユさんを、えりのボスは慌てて止めます。
「ちょっと待って! サプリで鉄分を摂りすぎるとリスクがあるから、大量に摂取するのはおすすめできないわ。
それに、効率的に摂らないと鉄分を摂取するのも大変になるわ。だから、今から鉄分の摂取方法や、過剰摂取のリスクについて、わかりやすく説明するわね」
「ありがとうございます。よろしくお願いします!」
3. 鉄分の種類と効果的な摂取方法、摂りすぎのリスク
鉄分の種類や効果的な摂取方法、また鉄分を過剰に摂った場合のリスクなど、鉄分摂取に関する基礎的な知識を紹介します。
3-1.ヘム鉄と非ヘム鉄
鉄分は、大きく動物性の「ヘム鉄」と、植物性の「非ヘム鉄」の2つに分けられます。
ヘム鉄はレバーや赤みの肉、魚に多く含まれていて、からだに吸収されやすい特徴を持っています。
一方、非ヘム鉄はほうれん草や小松菜、豆類などに含まれるものの、からだには吸収されにくいのが特徴。非ヘム鉄を効率的に摂取するためには工夫が必要です。
3-2.効果的な摂取方法
鉄分の吸収を助けるのは、ビタミンCやタンパク質、クエン酸などの栄養素です。鉄分を摂るときは、ヘム鉄・非ヘム鉄に関わらず、これらの栄養素を一緒に摂ることを意識しましょう。
一方、お茶やコーヒーに多く含まれるタンニンや過剰なカルシウムは、鉄分の吸収を阻害する働きを持っています。食後すぐにお茶やコーヒーを飲まないように注意してくださいね。
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