街頭インタビュー改ざんは「月曜から夜ふかし」だけか? 欲しいコメント取れず現場は四苦八苦
日本テレビ系バラエティー番組「月曜から夜ふかし」は、街頭インタビューでのやりとりを捏造したとして、放送倫理・番組向上機構(BPO)から放送倫理違反を指摘されたが、街頭取材のデッチ上げは「夜ふかし」だけなのか。
自炊で食べることの多い料理を聞かれた中国出身の女性が、鍋料理と答えたのを、「夜ふかし」のチーフディレクターは「これではオチが弱い」と、中国ではカラスをつかまえて煮込んで食べると改ざんしていた。しかし、テレビ業界ではこんなことは日常茶飯事だという。
「このケースでは、インタビューされた人が日本在住だったので、番組を見て発覚しましたが、インバウンド客はインタビューされても番組を見ることはないから、どう編集してもクレームは来ません。また、字幕でなく日本語の吹き替えをかぶせてしまうので、本当にそう話しているのかも確認できない。外国人インタビューは捏造も改ざんも何でもありです」(情報バラエティー制作会社AD)
いや、日本人相手の街頭インタビューだって怪しいものだ。そもそも、街で突然カメラを向けられて、的確なコメントを数分で話せる素人なんていない。拒否されることも多く、TBSアナの安住紳一郎の若いころの経験では、20~50人に声をかけて、答えてくれるのは1人だったという。
ようやく何人か収録できても、さらに編集・加工して、使えるのは10人に1人いるかどうかだろう。歩留まりをよくするため、スタッフは話してほしいエピソードを誘導質問したり、テイク2を撮り直したりと仕込む。最近多いのはイラストで顔を隠した映像で、はたしてその人がしゃべっているのかどうかもわからなくなっている。
「サラリーマンの街録というと、東京・新橋駅前のSL広場が定番ですが、場所柄、一流企業勤めや中央官庁の官僚が多い。決して一般的なサラリーマンの平均的な声とはいえません。それでも、『世のサラリーマンたちは』なんてナレーションで流される。これって虚構でしょ。本当に街頭インタビューで街の声を放送しようとしたら、生中継で行き当たりばったりで聞くしかありません」(前出のAD)
SL広場のほかにも、若者に話を聞くなら渋谷スクランブル交差点、働く女性なら丸の内、買い物客なら戸越銀座商店街などが街録定番スポットなのだそうだ。
(コラムニスト・海原かみな)
エンタメ 新着一覧

                                                            
                                                        














