更新日:2026-01-03 15:00
投稿日:2026-01-03 15:00
この「ファストファッション」の女は誰?
「あの…突然すみません」
すると、部屋の隅でじっとしていた女性が会話に割って入ってきた。さっきから、目線をチラチラ向けている人がいるのを綾乃は感じていた。
「お受験はどちらのお教室でしたか?」
赤ちゃんを抱いた、黒髪で一重の地味な顔立ちのママさん。にもかかわらず安っぽい原色系のファッションで、自分たちとは違う空気感を悟った。
「はい?」
「突然すみません。ゆるりとお受験するのもいいかなと思って、いろいろお伺いしたいんです」
「ゆるりとお受験」の言葉に苛立ち
綾乃は戸惑った。「ゆるりとお受験」なんて、甘い考え方だと。うっすら苛立ちさえおぼえた。
小受をしてもいいのは、それが当然だと思っている親だけだ。周りはみんなライバル。目覚めさせてはいけない。
一言で意識や価値観の差が露呈することを、綾乃は千代田区居住時に当事者になったからこそわかっていた。
彼女はお受験なんてどうでもよくて、単に自分たちの仲間に入りたいだけだ――綾乃はその申し出を曲解することにした。
「なるほど。それはともかく、クッキー食べませんか?」
「あ…、ありがとうございます」
たっくんママと名乗った彼女に合わせて、綾乃は自らを奏太ママと名乗った。他のママ友もそれに続き、すんなりと彼女は輪の一員となった。
たっくんママの笑顔を眺めながら、綾乃は自分の心の余裕が誇らしく思った。彼女がかつて、背伸びしていた自分のようだったから。
全身ファストファッションの価値観に一線をひきながらも、受け入れている懐の深い自分に酔った。
ライフスタイル 新着一覧
きょうは、お日様で温まった防波堤のコンクリートにぺったりお腹をつけ、ほっこりのにゃんたま君。
お饅頭みたいな平...
毎年母の日が過ぎて1週間ほど経ったころ、花屋には電話やご来店などでご相談にやってくる方がポツポツいらっしゃいます。「花...
ビールが好きです。根っからのビール党です。「ビールはお腹がいっぱいになるから苦手」という意見がわかりません(笑)。むし...
何気ない人の言葉や行動に傷ついたり、落ち込んだりすることってありますよね。実は、そんな人の中には、思い込みが激しい人も...
きょうは、毛繕い中に失礼します。視線はにゃんたま様の見事なωに一点集中。
ポロリ(こぼれ落ちる様)やチラリズム...
好きなことで生きていく……なんて言葉がもてはやされる昨今。そんなこと言われても、好きなことなんてわからないよ!という人...
4月27日の満月は、ピンクムーン(Pink Moon)でした。
アメリカでは4月の満月を「ピンクムーン」と呼ぶ...
連絡ツールとして年代問わず多くの人が使っているLINEアプリは、家族間の連絡にも重宝しますよね。買い物の連絡など、いろ...
さて、わが家のおてんば猫・虹ちゃんですが、クローゼット閉じ込め以外にも何度も事件や事故を起こしています。
うち...
仕事でのミスや人との会話でやらかしたことって、すぐに忘れられますか? 私は何回も反芻してしまい、どんどん凹むタイプです...
あなたの周りに、どんな時でも疲れを感じさせないストレスフリーな人はいますか? ストレス社会とも言われる時代ですが、意識...
にゃんたま君の住む町は、夕方5時になると町の放送スピーカーからドヴォルザーク作曲「新世界より」第二楽章(邦題は「家路」...
全国的かつ国民的銘菓といっても過言ではない鎌倉名物・豊島屋の「鳩サブレー」。我が家もおやつ貯蔵庫に常備しております。子...
ワタクシがまだ、若かりしころ。習っていたお花の教室のお師匠さんは、控えめで物腰が柔らかい、とても美しく静かな女性でござ...
子どもが保育園や幼稚園に入園すると、避けられないのがママ友とのお付き合い。気の合うママだけと付き合えれば良いのですが、...
「ネコ好きの聖地」広島県・尾道。渡り船が行き交う尾道水道と、迷路のように石段が続く坂道。
きょうは絶景を望む山の...
















