恐怖のリンパ浮腫疑惑と73歳卵巣がん患者に励まされた晩婚話

コクリコ 編集者
更新日:2019-11-12 06:24
投稿日:2019-10-01 06:00

卵巣がん患者のおばあちゃんとの夜の会話

 さて、術後7日目。

 ホットフラッシュにようやく慣れてきました。そう、ホットフラッシュが来る瞬間が分かるようになったのです。一度寒くなったら来る合図です。リズムをつかめば対処できそう!

 この数日、脚がパンパンにむくんで、入院時から体重がプラス5㎏!!! 人生初の50㎏越え。初めて見た脚の太さにもショックを受けます。もうもうこれってリンパ浮腫なんじゃないの? 器量がよくない私は、脚が細いことだけが唯一の取り柄なのに……。

 年甲斐もなく部屋でしくしく泣いていると(個室です!)、看護士のOさんがリンパマッサージの方法を教えてくれました。

初めてのリンパマッサージ

 リンパマッサージは人生初。ふむふむ。エステやリラクゼーションマッサージとは違って、リンパの流れにそって「さする」。その力加減は、こんなに優しくなでなでしてるだけで、効果あるのかな? と思うぐらい。(ちなみに全裸で行います……!)

 それでもOさんによると、毎日30分しっかりとセルフマッサージを行うことでリンパ浮腫を予防できる“かも”しれないのだそう。リンパ浮腫は今のところ、確実に予防する方法はないそうです。

 この日の夜は脚がさらに太くむくんでしまって、悲しくて必死にリンパマッサージをしました。治れ、治れと念じながら。

(私がなぜリンパ浮腫をこんなに恐れるかは、「リンパ浮腫」で画像検索するとお分かりになるかと思います)

 落ち込んだ気分をリフレッシュさせるために夜景でも見ようかなと、談話室に向かいます。先客がいます。ひとりのおばあちゃんがぽつんと夜景を見ていて、聞けば、73歳で卵巣がんが見つかったのだそう。明日に控えている手術が怖いとおっしゃるので、「きっと大丈夫です。だって私も先週やりましたけど、いま普通に歩いてきましたよ?」と伝え、隣に座ります。

 ちょっと安堵の笑みを浮かべるおばあちゃん。

「元気そうに見えるけど、じゃあ、あなたも(がん)なのね。でもあなたはまだ若いからしっかり治さなくてはいけないわね」

「若くはないんです……もう40歳も越えていて」

「あら、まだまだよ」

「でも私はこんな年でも結婚もしてなくて、子供もいないし、病気にまでなって……さみしいです」

「そう。私には兄がいるんだけど、兄は再婚なの。兄の奥さんは、兄と結婚したのは55歳の時なのよ。奥さんは22歳で卵巣がんを患って、とても苦労したそうなの」

 今から50年ほど前、その時代に子供の産めない若い女性がどれほど苦労したかは想像に難くありません。私なんかの比ではないのです。

「でもね、兄と再婚してね、うちの兄がそんな奥様の苦労を思ってか、とっても優しくて。2人はとーっても幸せそうなの。出会いはきっとあるし、希望はどこにでもある。生きていればね」

 夜景が涙でにじみます。そう、生きていれば希望はある。

 おばあちゃんの手術の成功を祈って、病室へ。今晩は寝られるといいのだけど。

「9割の人は排尿できない」

 術後8日目。

 脚は昨日よりもさらにパンパンにむくんでいます。通常の1.5倍ほどくらいでしょうか。歩きにくい、足首がない、靴下のあとが全然消えない……。

 小学校5年生の時に盲腸で入院した際、同じ病室にいたネフローゼの男の子の脚がこんなふうになっていました。あの子、10歳で大変だったろうな……。

 朝の回診でT先生がいらして、傷跡と脚を見て、「あー、むくみないね! 大丈夫じゃない~」と言うので、「私の脚は本来もっと細いので、これは絶対にむくんでる!」と断固抗議!

 先生、大爆笑。「はいはい、コクリコは細いもんね~」だって。本当にむくんでいるんですってば!!

 そんななか、やっと尿道カテーテルが抜けたーーーーーーーーーーーーーーーー!

 すっきり!!!
 
 本日から排尿トレーニングを開始します。

「9割の人は排尿できないから、落ち込まずに!」

 そうT先生から助言をいただいていたので、出なくても気にしないでいようと思っていたのですが、ちょろっと出ました。わーい! 尿意はまるでないけれど、出せたことが嬉しい!

 強いていえば、便秘しらずの私が、ちょっと便秘している……。でも、それ以外はおおむね順調。

 ほんとに順調?

 体重はまた増えています。昨日よりもプラス0.5kg。

 なんだか悪い予兆の気がする……。次回(10/8公開予定)に続きます。

コクリコ
記事一覧
編集者
実用書の編集者(社畜)。アラフォー未婚のがんサバイバー2年生(進級しました!)。2018年、子宮頸がんにて広汎子宮全摘出術を受ける。現在ホルモン補充療法をしながら経過観察中。SNSをパトロールするのが趣味。“Twitter探偵”とも呼ばれる。でも幸せになりたい。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


子育ては「完璧主義」だと詰む! SNSの“キラキラママ”に振り回されないためには?
 セックスレスやセルフプレジャー、夫婦の在り方をテーマにブログやコラムを執筆している豆木メイです。
小馬鹿にする人って実は…。隠された心理とメンタルを死守するための3つの対処法
 会話の節々で「私のことを小馬鹿にしてる…?」と感じるような言動をとってくる人、いますよね。今回は、他人を小馬鹿にする人...
「寝香水」って知ってる?【10月前半】調香師が睡眠の質を高めるアロマをタイプ別に解説
 少しずつ寒くなる季節の変わり目は、しっかり睡眠をとって自律神経を整えましょう。今回は、調香師ならではの裏ワザ【幸福感に...
秋の祭りを共に過ごす時間
 このひと時が宝物だなって気が付くのは、  まだまだ先の話。
老化、苦労、ボトックスとも無縁な御年50のハローキティちゃん
 踊り子として舞台に立ち、エッセイも書く新井見枝香さんの月イチ連載です。アラフォーいろいろあるけど、楽しいよ…!
見せ場もばっちりにゃん! プロレスごっこの“たまたま”が可愛すぎる~
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
ほっこり癒し漫画/第82回「ウシオの大変身」
【連載第82回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
「破瓜」って何歳? バージン喪失の意味もある!?
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
昭和レトロぎゃふん!「ほの字のカレのため、がんばりマッスル」あえての昭和言葉がエモいLINE3選
 令和の今、昭和は遥か昔の時代に感じますよね。40代女性の皆さんは、必死に「昭和感」が出ないよう、細心の注意を払ってきた...
令和のコメ不足、その手があった!価格高騰の秋も使える我が家の対策6選
 新米シーズンに突入し、少し落ち着きを見せているものの、この夏みんなが気になって仕方なかったニュースといえば、令和の米騒...
刺さるわあ…親の“結婚しろ圧”LINE3選。OVER30が涙した「いつまでも元気でいられないから」
 30代半ばを超えると、親からの結婚に対する圧もより一層強くなってきますよね。  LINEに忍ばせた小さなプレッシャー...
自己顕示欲バンザイ! スナックママが教える「自分らしく生きる」ヒント
 みなさん、SNSとかで目立つ人は好きですか? 私はついこの間まで、正直めちゃくちゃ苦手でした。  でも先日、スナ...
東京のごちゃごちゃに疲れる…貸切コンパクトボートで“泡飲み”東京湾クルージングが当たりだった
 都会とは、長年いると何をしていいのか分からなくなる場所である。おいしいご飯もお酒も、どの街にいても味わえる。新しいスポ...
イイ男が大集合♡ 素敵“たまたま”がいっぱいで目の焦点が合わない~!
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
面倒な“かまってLINE”への返信うざ。寂しがり屋のド定番「寝てないアピ」は華麗にスルーがよろし
 いつも話題の中心にいたくて、寂しがりやな「かまってちゃん」。時々ならいいですが、LINEメッセージでもかまってアピール...
諦めないで!猫と共に送る安全な植物生活。花屋が実践する「3つの心得と6つの対策」
 植物は我々の心豊かな生活を送る癒しですが、残念ながら猫にとって有害なものはたくさんあります。  種類によっては中毒症...