人はなぜ死者に花を手向けるのか? 古代から続く花のチカラ

斑目茂美 開運花師
更新日:2019-10-12 06:00
投稿日:2019-10-12 06:00

進化するお供え花のこれから

「こちらのお店は何が一番売れますか?」と伺うと、恐らく多くのお花屋さんは「仏花」とお応えになると思います。

「仏花」はお花屋さんにとっては普遍のベストセラー商品。毎日この仏花を求めてさまざまなお客様がいらっしゃいます。季節の変わり目は亡くなるペットも多いようで、毎日のように泣きながら亡くしたペットに手向けるお花をお買い求めにご来店する飼い主さんがいらっしゃいます。

 大概の方は止まらない涙を流しながら、太っているにもほどがある「さぶ店長」のマシュマロのように柔らかい肢体に触り、さぶ店長から発射するデブビームに慰められているようでございます。

 店長!ナイス接客!デブでよかった!!

 死者に花を手向けるという行為は、恐らく人間だけの特別な行為なのだと思われます。ご存知の方も割と多いお話で、最も古い手向けの花の痕跡は、イラクのシャニダール遺跡にて、大量に発掘されたネアンデルタール人のご遺体のそばで検出した、タチアオイなどの様々な種類のお花ではないかといわれております。

 もちろん遺跡でございますから花こそ存在しませんが、洞窟の奥に手厚く埋葬された幼児の遺体の付近からもたくさんの種類の花粉が検出され、世界中が旧人類のこの「そうだったかもしれない」行為に驚いたと言われております。

 現代の日本でさまざまなものが合理化されていく中であっても、葬儀の「装飾花」に関しては年々進化しているような気が致します。

 白木の祭壇の代わりに多くの花を使う「花祭壇」や、プリザーブドフラワーや造花で作られたお供え花の種類の豊富さは目をみはるものがございます。

 命の消えた物体を「ケガレ」と思う一方で、愛する人、愛する動物を亡くした時に、美しい花で最期は旅立たせてあげたいと思う人の優しさは、人間が旧人類と呼ばれていた古代より持ち合わせた、DNAのなせる行為なのかもしれません。

斑目茂美
記事一覧
開運花師
半導体エンジニアを経て花業界に転身。イベント・ホテルなどの装飾も手がける生花店を営む傍ら、コンテストで優勝・入賞を重ね、雑誌・新聞等に作品を発表する。神奈川各所にて花教室を開催。障害者支援も花で実践。悩ましくも素敵なお客様を「花」で幸せへと導く道先案内人。ブサかわ猫店長「さぶ」ともに奮闘中。Facebookやってます。

ライフスタイル 新着一覧


なぜ報われないの?「私って損な性格」と感じる8つのシチュエーション
 家事や育児、お仕事に一生懸命励んでいるのに「どうしてこんなに報われないのだろう?」なんて思っている人はいませんか。もし...
アラフォーは避けて通れない…人前でのスピーチを無難にこなすコツ8つ
 アラフォーになると、後輩や部下からスピーチを頼まれる機会が増えるでしょう。本当は苦手なのに立場的に断れず、当日に後悔し...
職場のモチベを下げる「指示待ち」ちゃん、自ら動く人に変える改善法5つ
  仕事のやり方は、人によって様々。中には自分から動こうとせず、上からの指示を待ち続ける人がいます。常に待ちの態勢を取っ...
『ジブリ映画とストリップ』
 ナウシカもラピュタもトトロも、空を自由に飛び回っていた。ジブリ映画を観ると、それはちっとも不思議なことではなく、自分に...
父「帰ってこなくていい」に続くツンデレ返答に涙…尊すぎるLINE3連発
 人間誰しも、失敗や周囲を呆れさせたりする言動をした経験はあるものですよね。でも、なぜか憎めない人と、周囲をイラつかせる...
リバティアイランド強すぎ! でも職場で女傑と噂されたら…
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
ほっこり読み切り漫画/第60回「はじめましてウシオです」
【連載第60回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、突然「コクハク」に登場! 「しっぽ...
私「おすすめある?」友達「はずれ品があるってこと?(怒)」沸点低っ!
 あなたの周りには、小さなことですぐキレる「沸点が低い人」はいますか? 普通の人がなんとも思わない出来事も、彼らにとって...
ティファニーのシルバーネックレスが黒く変色…さぁどする?
 夏によく身に着けたティファニーのネックレスを久しぶりに出したら、黒く変色していました。公式HPをのぞくと、「ブティック...
元チャゲアス・ASKAはナゾの投稿…身近な人が陰謀論を唱え始めたら?
 ミュージシャンのASKA(65)がSNSで最近、意味深な投稿を続けている。10月24日にはX(旧ツイッター)を更新し、...
切り取られた街を見上げる 「もっと見たい」は人間の性かな
 ふと見上げたら、切り取られた街が隙間からのぞいていた。  これもチラリズムなのか。全体を見せられるよりも刺激され...
海外駐在妻の驚愕実態!閉鎖的な女のドロドロ、とかくママ友が面倒くさい
 海外駐在ママというと、どこか華やかで羨ましいイメージがありますよね。でも、中には、現地でのママ友との面倒くさい関係に疲...
見ず知らずの人に電車代を貸せる? 一生大切にしたい人が分かった話
 みなさんは人を信用しやすい方ですか? それとも疑い深い方ですか?  私はどちらかといえば後者で、人を簡単には信用で...
パワハラ認定は回避を…叱り上手な人が実践するコツ5つ&間違った叱り方
 人を叱るというのは、意外と難しいものですよね。部下や後輩が失敗した時「ビシッと言ってやろう」と思いながらも、パワハラだ...
「俺を撮ってくれよ」な“たまたま”様、地を這うカメラマン冥利です
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
とことん落ちないと浮上できない 放っておいてあげる優しさ
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...