男の子なのにどうして? 女の子の服ばかり着たがる理由とは

小阪有花 子どもの心スペシャリスト
更新日:2019-10-25 06:00
投稿日:2019-10-25 06:00
 保育園ではたまに女の子の服を着たがる男の子がいます。その姿を見て、特に心配するまではいかなくても「なんでこの服ばかり選ぶの?」「心は女の子だったり?」と思うお母さんもいるようです。今回は、男の子が女の子の小物や服を身につけたがる理由についてお話しします。

洋服や小物は不安な時に持つお守りみたいなもの

 結論から言うと、幼少期に女の子のファッションや小物を好むのに性別は関係ありません。子どもの服や持ち物を選ぶ基準は、お気に入りだからという理由のほかに、気持ちが安心するものを自然に選んでいます。

 子どもにとっての一番の安心はお母さんです。なので、安心を得るために、お母さんが着ている服になんとなく近いものを選ぶ時があります。お姉ちゃんがいる男の子となると“お姉ちゃんとお母さんが身につけているもの”“お姉ちゃんばかりお母さんと同じでずるい”となるので、その傾向はより強くなります。

 また、構ってほしい表れとして「それを着るの!?」と驚く家族の反応を見て楽しんでいたり、親とは違う自分の意思を主張し、認めてもらうことで自分という存在を確認している場合もあります。

 子どもの不安について、いつも通っている保育園に行くだけなのに何が不安なの? と思うかもしれませんが、子どもは時に漠然とした不安に襲われる瞬間があります。保育園にかかわらず、子どもは大人と比べて新しいことや馴染みのないものに触れる瞬間が多く、好奇心と不安が入り混じる生活を送っています。

 その不安を少しでも解消するべく、身に付けるもは安心できる組み合わせのものを選んでいます。

服の着心地は? お気に入りの服以外は着たくない

 女の子の洋服でなくても、いつも同じ服を着たがったり、絶対に着たくない服が子どもにはあります。その理由は精神的な理由のほかに着心地も関係します。新品の服より、少し着込んだ服の方が生地が柔らかく、馴染みやすいからという理由もあるので、何回か洗ってから着させるのも1つの方法です。

 よくあるのが、タグがあたって痛いという理由です。着ている最中に脱ぎたがる子どもの首を見ると、ちょうどタグの部分が当たって赤くなっているのをよく見ます。

 そのほか、保育園で私が経験した出来事で言うと、Tシャツに書いてある恐竜の絵が怖いと泣いて嫌がる子どもがいたり、テレビの悪役がプリントされているTシャツをある日突然嫌がったり。これはもう、ほっこりエピソードですが、子どもの心はそれほど繊細だということですね。

自分で選ばせたりリメイクするのもいい

 忙しい朝は子どもに服を選ばせる余裕がなく、ついお母さんが選んでしまいがちですよね。そんな時に「僕はこれ!」と女の子の服を出されると、「こっちにしない?」と男の子の服を提案したくなるものです。

 しかし、朝の葛藤ほど疲れるものはありません。その場はすんなり受け入れて、もし気になる場合は、保育園に着いたら着替えようと提案するなどして乗り切りましょう。

 女の子の服をそのままリメイクし、いつも持ち歩けるものに変身させると満足する場合もあるので、こちらもぜひ試してみてください。

まとめ

 幼少期の男の子が女の子の服を着たがることはそこまで珍しくありません。

 もし、子どもの心の変化があったとしても、その違和感を感じるのは小学生辺りからと言われています。

 子どもが着たいという服や小物はできるだけ受け入れてあげて、安心感を得られるようにしてあげたり、個々の主張を大切にしてあげてください。

小阪有花
記事一覧
子どもの心スペシャリスト
保育コンサルタント。アイドル時代の旧芸名は小阪由佳。「ミスマガジン2004」グランプリで芸能界デビュー。09年に引退後、保育園の先生を経て現職に。チャイルドカウンセラー、幼児食インストラクター、ベビーシッター、家族療法カウンセラーなどの資格を持つ。
XInstagram

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


「才色兼備」は女性だけに使われる不適切表現?
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
ずーっといい子ちゃんとか無理!「笑える悪口LINE」で上手に息抜きを
 友達や同僚から人の悪口を聞かされたらあまり良い気分にならないでしょう。でもそれがユニークな悪口だとしたら、思わずクスッ...
ほっこり読み切り漫画/第57回「隣りの芝生はオーノー」
【連載第57回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、突然「コクハク」に登場! 生きものたち、...
これって良心ですか、マウントですか?「おまいう」説教LINE3選
 説教をされて、いい気分になる人はあまりいませんよね。でも、いつもどこか偉そうで、何かと説教をしてくる人はいるもの。 ...
相棒のぬいぐるみは無理! 大人になっても捨てられないもの6選と対処法
 物や情報に溢れた現代では、断捨離やミニマリストに憧れる人が多いですよね! でも、大人になってもどうしても捨てられないも...
40代で振り返ると納得!いろいろあった人生の転機、思い出してみない?
 人生の転機とは、その時には気がつかず、後になってから「転機だった」と気がつくもの。特に40代を過ぎると、人生の前半を振...
今年はお日様が大きく見える そろそろ落ち着いてくれるかな
 この数年で男性の日傘がすっかり定着したのも納得の暑さ。  日陰に逃げても、どこまでも太陽に追いかけられている気が...
記事読んだらソワソワ♡ 予定がない週末は寝溜めより楽しい6つのことを
 子どもの頃は暇さえあれば遊んでいたのに、大人になると週末は「予定もないし、寝溜めしておくか〜」と何もしない1日を過ごし...
人生これで正解? “30代からの思春期”ミッドライフクライシスに勝つ法
 大人のみなさん、「私の人生、これで良かったの?」と考えて不安になる時はありませんか? そしてその不安、名前がついている...
マジで買ってよかった! 猛暑に活躍&まだまだ使い倒す涼感アイテム3選
 8月の東京はなんと31日連続真夏日! いやー、暑かった。9月になったらちょっとは涼しくなるかなと思いきや、まだまだ厳し...
モフらずにはいられない!無防備すぎる“たまたま”にメロメロ
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
“我が城”で1ミリも後悔したくない!自宅の間取り注意すべきポイント8つ
 こだわり抜いて設計したはずの夢のマイホームでも、住み始めたら「え、この間取り不便!」とガッカリすることがあるようです。...
「事故物件に住んでるよ」メンタル強すぎでしょ! 鋼の心臓LINE3選
「強さ」にはさまざまありますが、特に鍛えたいのが「メンタル」。心が強ければ、小さなことに悩まず、ピンチもチャンスと捉えて...
買い物と恋愛は似てる? 人はなかなか手に入らない物が好き
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
仏人男性が「仏花」を彼女に贈ってしまった…仏壇に供える花の定義とは?
 少し前にフランス人男性が、お仏壇に供える花束だと知らずに日本人のガールフレンドにプレゼントした話がSNSで話題になって...
自虐戦略に乗っかる? ドンキ新業態「ドミセ」のドすべりはなぜ不発だった
 ドン・キホーテ(以下「ドンキ」)の新業態「ドミセ」が話題です。売れると踏んで売り出したオリジナル商品の中で、目標売上額...