人前で緊張しないための考え方&あがり症を克服する方法♪

孔井嘉乃 作詞作曲家・ライター
更新日:2019-10-27 06:01
投稿日:2019-10-27 06:00
 結婚式でのスピーチや大勢の前で自己紹介や発表をする時、「どうしても緊張してしまう……」と悩んでいませんか?
 せっかく練習した成果を十分に発揮するためにも、自分自身の苦手意識をなくすためにも、人前で緊張しないための考え方をマスターしていきましょう。

なぜ「緊張」や「あがり」は起こる? メカニズムをチェック!

 実は、緊張するメカニズムについては、科学的に解明がされています。どんなメカニズムで起こるかを知ることが、改善へのヒントとなるはず。まずは、チェックしていきましょう。

「緊張」や「あがり」は脳が引き起こす生理現象

「緊張」や「あがり」は、基本的に誰かに注目された時に起こります。これは、本来動物である人間の“防衛本能”。動物は誰かに見られていると感じると、「襲われるかもしれない」という心理状態になります。すると、脳はすぐに逃げるための行動を起こせるように、体を活発に行動させる自律神経の交感神経を優位にさせるのです。

 それと同時に、「ノルアドレナリン」という心配や恐怖を感じさせる物質が活発に分泌されます。これこそが、「緊張」や「あがり」の原因。つまり、緊張が起こるのは、脳が引き起こす生理現象なのです。

「緊張」や「あがり」は自意識過剰な人に起こりやすい

 実は、「自意識過剰な人ほど緊張しやすい」という考え方があります。たとえばスピーチをする時、緊張しやすい方は「失敗したくない」「面白い話がしたい」など“相手によく思われたい願望”が強く、自分に意識が向いてしまうために緊張をさらに高めてしまいます。

 逆に、人前で緊張が起こりにくい人は「ありのままの自分を見てもらえば良い」という考え方。「よく見せなくても良い」と思うため、緊張が起こりにくいのです。

「場数を踏む」だけでは不十分! 病気の可能性も

「場数を踏めば緊張しなくなる」とよく言われますが、上記でお伝えしたように緊張は脳が起こす生理現象。場数をどんなに踏んだとしても、完全に克服するのは難しいのです。

 むしろ、緊張によって不本意な結果に終わってしまうと苦手意識が発生し、さらに人前が苦手になってしまう場合もあります。また、過度な緊張をよく起こす方は対人恐怖症など、なんらかの病気である可能性もあるそう。専門外来などもあるため、コンプレックスになっている方は一度相談してみても良いかもしれません。

緊張しないためにはどうすれば良い?3つの考え方!

「緊張」や「あがり」のメカニズムが分かったところで、緊張しないための考え方をお伝えしていきます!

人前にいる目的を再認識して相手に意識を向ける

 たとえば大勢の前でスピーチをする時、「緊張しなければ良いな」と思う方がほとんどでしょう。でも、あなたは何のためにそこに立つのか、人前にいる目的を再認識してみてください。「仕事や練習の成果を発表する」ためなのかもしれないし、「大切な友人の結婚式に華を添えるためのスピーチ」なのかもしれません。いずれにせよ「相手に何かを伝える」ために、その場に立つのです。

 だからこそ「緊張したくない」と自分に意識を向けるのではなく、「どうやったら相手に伝わるか」と、相手に意識を向けてみましょう。カッコ悪くても失敗しても「伝わりさえすれば良い」と、どこか吹っ切れるはずですよ。

 緊張を隠すよりも、「緊張しちゃってます!」と、話しても良いかもしれません。そんな中でも必死で伝えようとする気持ちや姿勢に、人は感動したり納得したりするのだと思います。

事前準備・練習を念入りに行う

 前もって人前に出る機会があることが分かっているのであれば、事前準備や練習を念入りに行うことも肝心です。どんなシチュエーションで注目されるのか、想像して練習しましょう。また、この時、成功した時の光景をイメージしておくのも大切なことです。

 中途半端な練習で本番に臨んでしまうと、ただの緊張だけではなく「失敗するかも?」という恐怖によって、より緊張が高まってしまいます。でも、十二分に練習を重ねて本番に取り組んだのであれば、たとえ悪い結果に終わったとしても後悔はせず、次の機会に前向きに取り組めるでしょう。

緊張をするのは当たり前だと割り切る

 “失敗は成功のもと”とも言われますが、「失敗しても良いや!」「どうにでもなる!」と大きな気持ちで取り組んだ方が、意外にも良い結果に終わることも多いです。マイナスイメージだけが先行してしまうものの、緊張は決して悪いことではありません。むしろ、緊張することで、脳は体や筋肉を動かしやすい状態に整えているのですから。

「緊張」は一種の生理現象。だから、思い切って「緊張をすることは当たり前」だと割り切りましょう。緊張すら味方に付けられるような精神状態に持っていけると、ベストですね。

それでも緊張してしまったら? 即効性のある緊張を緩める方法

 緊張をした時、手のひらに「人」と3回書いて飲み込んだことがある方は多いでしょう。そんなジンクスではなく、即効性のある緊張を緩める方法を最後にお伝えしたいと思います。

しっかりと息を吐くことに集中する

 緊張をすると上手に息ができないような、胸が押しつぶされそうな感覚に陥ることってありますよね。このように呼吸が浅くなっている時、人は無意識に「息を吸おう」としてしまいますが、実はその逆! 「息を吐く」ことに集中することが大切なんです。

 しっかりと息を吐くと、自然と息を吸うことができます。呼吸を落ち着かせると、体をリラックスさせる副交感神経が優位に立ちやすくなるため、緊張を緩和させることができますよ。

背筋を伸ばす

 簡単ですが、背筋をスッと伸ばすのも緊張を解くためには有効。姿勢を伸ばすことで人間は「自己肯定感」を高めることができる、というデータがありました。要は、たとえ緊張していたとしても姿勢を正すことで、「大丈夫!上手にできる!」と脳が勝手に錯覚してくれるということなのです。それに、堂々とした態度で人前に出た方が、周りからの印象もぐっとアップしますよね。

「引き込み現象」を利用する

 緊張をするシーンはさまざまですが、特に緊張しやすいのは、これから自分が注目されると分かっている時ではないでしょうか?(たとえば、順番に発表をしなければならない時など)このような場合には、「引き込み現象」を利用してみましょう。人は体外から一定のリズムを与えられると、安定しているリズムに引き込まれるという特性があります。また一定のリズムを感じることで、リラックスを促す「セロトニン」の分泌がアップするそうですよ。

 やり方は簡単! 指先で体の一部をゆっくりと「トントン」と叩くだけ。気持ちが落ち着くのを感じるでしょう。

適度な緊張が時に良い効果を生み出すこともある!

 私はもともと緊張しやすい体質です。今回書いてきた中で、「自意識過剰だったんだ」と言うことに気づきました。(笑)

 音楽家でもある私は、今でも人前でライブをする機会があります。緊張は起こったり、起こらなかったりと、さまざま。でも、緊張をしていた方が良いパフォーマンスに繋がる場合が稀にあります。それは、ライブ中に緊張を忘れて没頭できた瞬間。毎回この状態に持っていければ良いのですが、それが難しいから「ライブ」なんですけどね。

 と、話は飛びますが、「緊張」というといつも思い出すのが、オリンピックの短距離走の選手たち。セットをしてピストルの音が鳴るまでの数秒間、どんな気持ちでいるのでしょう。想像もできません! でも、緊張を力に変えて、良い効果を生み出せる人はたくさんいるのは事実。緊張をするということは、「失敗したくない」「上手にこなしたい」という向上心でもあると、前向きに捉えてみるのも良いのかも?

孔井嘉乃
記事一覧
作詞作曲家・ライター
3歳からピアノを始め、現在は作詞作曲家&シンガーソングライターとして活動中。2014年からウェブライターとしての活動を開始。得意ジャンルは美容、恋愛、ライフスタイル。コスメコンシェルジュ、日本化粧品検定1級、ベビーマッサージ資格、乳児心理+児童心理資格取得。
2016年、ママユニット「mamakanon」を結成。活動5年目にして、YouTube再生回数1,200万回達成。2020年、フレンチシンガーバイオリニストソングライターとのDuo「ellipsis」を結成。両者の絶対音感を活かしてカバー演奏などを行う。
1児のママ。特技は早起き。ウィスキーが好き。

◇孔井嘉乃公式サイトmamakanon公式 YouTubeチャンネルellipsis公式 YouTubeチャンネル

ライフスタイル 新着一覧


LINE誤送信に笑って泣いて…送らなきゃ良かった内容8選!
 多くの人が連絡ツールとして使っているLINEですが、時に誤送信をしてしまうことってありますよね。誤送信といっても、面白...
子どもの運動神経は“養う”もの…遺伝や才能なんて関係ない!
 自分の子は運動ができる子になってほしい——。世界的アスリートになってほしいとまでは言わずとも、健康のことを考えると、子...
他人との距離感に悩むと陥る”ヤマアラシのジレンマ”とは?
 “ヤマアラシのジレンマ”という言葉を聞いたことはありますか? 心理学の分野で用いられる用語で、某アニメの中でも使われた...
話題の音声SNS「Clubhouse」を楽しめるようになる3つのコツ
 突如として話題になった音声SNS「Clubhouse」。他のSNSと違い、招待制かつ音声でコミュニケーションをとるとい...
恋の季節はもうすぐ…雌猫の呼び声に耳を澄ます“にゃんたま”
 冷え込む長い夜が明けて、太陽パワーを充電するにゃんたまω様に出逢いました。  春の訪れがひと足早いこの島の猫たち...
寿司好き“ぼっち女性”に朗報!高級寿司が無料で食べられる?
「われ思う、ゆえに我あり」  かつて偉い歴史上の哲学者が言ったそうですが、最近の私はもっぱら 「われ思う、鮨...
神話で悲劇の恋の花は金運にも効果あり!春の風と“アネモネ”
 花好きなワタクシの母、通称「ママちゃん」は、ワタクシが物心ついた頃にはもうすでに植物まみれの生活を送っておりました。 ...
100億円の価値あり!ありがた~い激レア三毛猫“にゃんたま”
 きょうは、みんなでありがたいにゃんたまωを愛でましょう。  三毛猫のオスが生まれてくるのは3万分の1の確率といわ...
無印良品の白アイテム!シンプルデザインで生活が豊かになる
 無印良品のアイテムは、無駄のないシンプルなデザインが素敵ですよね。以前記事で紹介したオーラルケアアイテムを購入したのを...
友達からの意味不明なLINE…送る気持ちがわからない内容9選
 友達から意味不明なLINEが送られてきたことはありますか? 何が言いたいのか、何が聞きたいのかがわからないと、正直、ど...
まずは捨てることから!風通しを良くして自信を手に入れよう
 新しいことを始めたり、服や物を新調した時は気持ちが躍りますよね。そんな時、古い物を捨てていますか? 実はこの「捨てる」...
「この板最高」爪のお手入れに夢中な“にゃんたま”君をパチリ
 きょうは「この板、最高♪」と使い慣れたお気に入りの爪とぎコーナーで、ガリガリ夢中なにゃんたま君。  猫の爪は内側...
春を運ぶ花「ストック」は幸運も運ぶ! 魅力や花持ちのコツ
 猫店長「さぶ」率いる、我がお花屋さんでは、春先になると欠かさず入荷する、昔から根強い人気のお花がございます。  ...
幼稚園と保育園どっちがいい?働くママが感じる違い&選び方
 一昔前は、「ママが専業主婦なら幼稚園へ、働いているなら保育園へ」という風潮がありました。でも、近年では、預かり保育を行...
“にゃんたま”部分はまるで肌色!繊細で美しい毛色の茶トラ君
 きょうは雨上がり、濡れた毛並みをお手入れするにゃんたまωポロリです。  茶トラの中でも色の薄い毛並みで、にゃんた...
穴があったら入りたい…職場LINEへの恥ずかしい誤爆7選
 連絡ツールとして生活に欠かせないLINEですが、似たようなアイコンだと、つい間違えて送信してしまうこともありますよね。...