遺産は私だけのもの? “超年の差婚”別れとお金のエグい話

神田つばき 女と性 専門ライター
更新日:2019-11-17 12:04
投稿日:2019-10-27 06:00

超年の差結婚の盲点はとっくに縁が切れたはずの関係

自分以外に相続人がいるかも知れない?

 ここでA子さんには新たな悩みが発生しました。実はA子さんの夫は再婚だったのです。離婚したのは夫が40代のころで、元妻には慰謝料として1千万円とマンションを与え、その後は交流もありません。「もしかしたら、夫の遺産は別れた奥さんと2人で分けることになるのだろうか?」 A子さんは気になって、行政書士に聞いてみました。「特に遺言状があれば別ですが、離婚した元妻は法定相続人ではありません。ただし、離婚した妻とのあいだに子供がいれば、その子は法定相続人になりますが……」という返事でした。

 再婚で起こりうるトラブルの一つが、夫の死後に前妻に子がいることがわかった、というケースです。中には、結婚はしなかったけれども、子供が生まれて認知していたという場合があります。いずれも、相手の女性には相続権がありませんが、子供にはあるのです。この場合、A子さんのような現在の妻が遺産の2分の1を相続し、残りが子供のものになります。

前妻に子があった場合の相続の割合は?

 前妻との子が1人なら2分の1、2人なら4分の1ずつが顔も知らない子供たちのものになるのです。最期までの介護期間が長かった場合など、現在の妻は「看病すらしていない他人になぜ?」と思うでしょう。逆に相手方が経済的に困窮していたり、離婚時に約束していた養育費の未払いがあった場合などは、少しでも相続させてほしいと言ってくるでしょう。

 実際には、相手方に連絡を取ると「もうご縁が切れてから長いので」と受け取りを辞退されることも多いようです。超年の差婚の場合、自分が知らない相手の過去が長期間あるわけですから注意が必要です。結婚する前に、過去の家族がどこでどうしているかぐらいは聞いておきましょう。

夫の遺産は1人になってしまった自分の老後資金に充てたい

 しかし、亡くなった夫と前妻のあいだに子がいないことは戸籍謄本で確認できたので、相続人はA子さん1人と確定しました。A子さんの相続する財産は夫と住んでいた家、夫が経営していた会社の株式、預貯金が約3千万円、専業主婦なので夫の年金があり、そのほかに亡くなる月まで掛金を払っていた生命保険もあります。

 A子さんはまだ40歳、落ち着いたら仕事を見つけて、夫の遺産は将来自分が老人ホームに入る費用としてとっておこう、と思いました。このときはまさか、自分が相続できない財産があるとは想像していなかったのです。

 次回に続きます。

神田つばき
記事一覧
女と性 専門ライター
離婚と子宮ガンをきっかけに“目がさめて”女性に生まれたことの愉しみを取り戻すべく、緊縛写真のモデルとライターに。私小説「ゲスママ」、イベント「東京女子エロ画祭」「親であること、毒になること」などを企画。最近は女犯罪者や緊縛表現者に関するZINEの制作・販売を開始。Xnoteblog

関連キーワード

ラブ 新着一覧


「ヒモ彼氏が欲しい」ってマジ? 理由とメリットを徹底解説
 仕事をせずに、金銭面で彼女に頼りっきりの「ヒモ彼氏」。悪い印象を持つ女性も多いようですが、実は今バリキャリ女子の中で「...
恋バナ調査隊 2023-07-08 06:00 ラブ
胸板、血管、ほくろ…何フェチ? 色気を感じる男性の身体部位7選
 女性で、男性の特定の部位に色気を感じる「フェチ」がある人は多いようです。フェチの部位は人によってさまざま。なかには、ほ...
恋バナ調査隊 2023-07-08 06:00 ラブ
「モラハラ男に引っ掛かったのが運の尽き」自信と笑顔を失った41歳独女
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2023-07-08 06:00 ラブ
「ゼニがあるのに何不満?」月6万円で彼女に世話をさせたい成金50代男
「冷酷と激情のあいだvol.150〜女性編〜」では、モラハラ自覚のない彼のモラハラに悩み、自分に自信を失ってしまった亜紀...
並木まき 2023-07-08 06:00 ラブ
草食も肉食も凌駕!人気急上昇「犬系男子」の特徴、幸せな恋ができそう
 男性のタイプといえば、草食系、肉食系などが思い浮かびますよね。中でも最近、人気上昇中なのが「犬系男子」です。今回は犬系...
恋バナ調査隊 2023-07-07 06:00 ラブ
「不倫夫の歯ブラシでトイレ掃除」恐ろしい!サレ妻たちの計画的な復讐法
 夫に不倫された女性をネット上では「サレ妻」と呼びます。一見、「サレ妻」という呼び方から、悲劇のヒロインのように可哀想な...
恋バナ調査隊 2023-07-07 06:00 ラブ
年下彼氏との食事でお金を出していい時・悪い時、最強ホットスポットは?
 近頃は年下の男性と恋愛する女性が多く、経済力の違いに戸惑うケースも増えています。  彼におごってあげるべきかどうか迷...
内藤みか 2023-07-06 06:00 ラブ
“過干渉オカン”になってない?カレに口出しせずに過ごす方法
 カレが大好きなのに、気になるところを見つけては、口出ししたりイライラしてしまう時ってありませんか。  例えば、友...
若林杏樹 2023-07-05 06:00 ラブ
男性のガラスの心を傷つけてる? 夫婦でも言ってはいけない3つのこと
 今回は、夫婦でも言ってはいけないこと3選を紹介します。夫婦になって一緒にいる時間が長くなればなるほど、お互いの悪いとこ...
恋バナ調査隊 2023-07-05 06:00 ラブ
【7月前半にベストなアロマは?】オスとココロに効くフェロモンジャッジ
 素敵な女性はいい香りがする――。  そう感じるのは、肌から放たれるフェロモンの効果。フェロモンが高まると色気だけ...
太田奈月 2023-07-04 06:00 ラブ
「離婚の相」が気になる! 夫と別れたい主婦が相性を占ってもらったら…
「5年後に離婚する主婦 まめ」のニックネームで「セックスレス」をテーマにSNSやメディアの発信をしています。  た...
豆木メイ 2023-07-04 11:28 ラブ
具合悪いからって“バイ菌”扱いする!? 夫を「敵認定」した5つの瞬間
「夫婦関係は、いつも良好」なんて夫婦はごく稀。どんなに仲良く見える夫婦だって、喧嘩をします。言動によっては「夫は敵」と感...
恋バナ調査隊 2023-07-04 06:00 ラブ
永遠のテーマ「お酒を飲む人と飲まない人の結婚」あり派vsなし派の主張
 結婚を考えると、相手とのさまざまな相性が気になりますが、中でも難しいのがお酒に関する相性。お酒好きな人からすれば、結婚...
恋バナ調査隊 2023-07-03 06:00 ラブ
夫に相談した私がバカだった? イライラしたくない人向けの対処法3つ
「男女は脳みその作りから違う」という話はよく言われますよね。特に実感するのが、夫に悩み事を相談した時。相談しているのに、...
恋バナ調査隊 2023-07-03 06:00 ラブ
DV気質、借金大王、束縛魔…ダメ男にいつも引っかかるタイプの特徴4つ
「いつもダメ男に引っかかっている気がする…」「男性を見る目がなくて恋愛するのが怖い」と思っていませんか? それはもしかし...
恋バナ調査隊 2023-07-02 06:00 ラブ
認知症の兆候なの…? 義父との性生活を赤裸々に話す義母、困惑する嫁
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2023-07-01 06:00 ラブ