「入院の準備をして外来に来てください」
【Note.27】
翌朝になっても39℃の熱が下がらない。せっかく退院したのに、ただ家の布団で寝ているだけで、外の空気も吸っていない。
病院に電話し、主治医であるT先生に取りついでいただき、病状を説明します。
「コクリコさん……、入院の準備をして外来に来てください」
え? 昨日退院したばかりなのに?
まさかの再入院です。タクシーを呼んでC病院に行き、外来に到着すると病室の裏に呼ばれストレッチャーに寝かされ、T先生に腰をたたかれます。
「痛いです」
「痛いかー。うーん。腎臓かな。腎盂炎かな」
え? え?? ほどなくしてストレッチャーのまま病室へ。C病院は常に満床で婦人科病棟ではなく、たまたま空きのあった希少がん病棟での入院です。今回は4人部屋です。この希少がん病棟には、ほかのがんと比べて患者数が少ない皮膚、眼球、骨、口腔、咽頭、脳、神経などのがん患者さんが入院しています。
熱を計ると40℃を越え、ガタガタと震えが止まりません。看護師さんが「解熱剤の点滴を入れなくてはいけないのに、(寒気で)血管がキュッとしまって針が入らない」と言います。電気毛布の温度を最高レベルにしてぐるぐるに体に巻き付け、寒気が落ち着くのを待ちます。
腎盂腎炎かイレウスか
体が温まってきてようやく解熱の点滴をすると、今度は吐き気が襲ってきました。おえー。吐いては寝て、寝ては吐きを数度繰り返し、だくだくに汗をかいて体温が39℃に下がった頃、婦人科病棟からほんまに先生がやってきました。
「戻ってきちゃいましたね……」
「はぁ……」
「動けそうだったら、CTを撮りに行ってほしいんだけど。可能性としては腎盂腎炎か、あとは、言いにくいんだけどまたイレウス……」
イレウス(腸閉塞)!!!!!!
先週まで苦しんだあのイレウスに……またなったの!?
「え。もしイレウスだったらどうするんですか? 手術ですか?」
「手術の前にまたチューブやな。嫌やろうけど」
あのチューブの不快さを思い出して、涙が出てしまいました。
「チューブやりたくない……」
なんで治らないんだよー! あんなに頑張ったのに!
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