抗がん剤治療ないのに…髪の毛が大量に抜けてウィッグを着用

コクリコ 編集者
更新日:2019-12-21 06:29
投稿日:2019-11-26 06:00

ハーフウィッグを買いに行くと…

 ある日、会社を休んでハーフウィッグを買いに行きました。私は肌が弱いので、コットンの生地に人毛が植えられているものがよかったのですが、それは10万円もしました。これで悩みが減るならとエイッと購入しましたが、どうしても似合わなくて。

「髪のことが気になって気になって」とスタイリストをしている友達にくよくよと話すと、彼女がすてきなカチューシャをくれました。気になる部分をこのカチューシャでとりあえず隠しておけば大丈夫だよ、と。

カチューシャのおまじない

 それから2カ月の間、ずっとカチューシャをしていましたが、お世辞かもしれないけど、「カチューシャかわいいね」「おしゃれだね」と言ってもらえると、涙が出るほど嬉しくて、元気になれた気がします。ただ、カチューシャを外すと髪はやっぱり薄くて、脱毛はなかなか止まりません。

 結局、美容外科の毛髪外来を受診しました。原因は絶食によるたんぱく質を含む栄養不足と、ホルモン欠乏による更年期障害によるものである、ということらしいです。そういえば、爪も薄っぺらくて表面がでこぼこで、たんぱく質不足が現れていました。

 海外では術後の回復食(流動食)としてプロテインドリンクが出ることがあるほど、傷の修復にはたくぱく質が必要なのだそう。ところが日本の病院の場合、術後は重湯、くず湯などが回復食として提供され、それらはたんぱく質を含みません。

 食事ができるようになってからも病院食はお肉やお魚といったたんぱく質はちょっとで、あとはおかゆか白米なんですよね。そのちょっとのたんぱく質が傷を治す方に持っていかれると、末端の髪や爪に影響が出るということのようです。

美容界で注目のグロースファクター

 毛髪外来で処方されたのは、いま美容界で注目されているグロースファクターを含む頭皮エッセンスと飲み薬。グロースファクターは、細胞増殖因子や成長因子といわれていて、体内の細胞の増殖をコントロールする働きを持つたんぱく質の一種です。

 実はこのグロースファクターはがん細胞も増殖させる可能性があるので、がんが残っている可能性がある人には処方できないそうなのですが、毛髪外来の先生が「そうは書いているけど、実のところ、がん細胞を増殖させるほどの薬ではない。単なるたんぱく質だからね。ただ、くよくよと日々悩んでいる方が髪によくないから、とりあえず3カ月やってみた方がいい。それと、髪が長いと負担になるからすぐに髪を切って」と言ってくださったので、とりあえず、3カ月治療を受けてみることにしました。

毛髪外来の効果は…

 ばっさり髪を切って、薬を3カ月塗ってみたところ、ぴたっと抜け毛が止まりました。また、朝ごはんやおやつにプロテインドリンクを飲むようにしたこともよかったのかもしれません。

 髪に必要なのは海藻のミネラルじゃない、たんぱく質です。その後、薬は止めていますが、病気をする前よりもハリのある元気な髪が生えました。

 抗がん剤の治療を受けての脱毛には効かないようなのですが、更年期障害での脱毛へは効果がある場合があるので、悩みすぎるようであれば毛髪外来へ行ってみてもいいかと思います。

 私なんか、髪がちょっと抜けたくらいでも大ショックを受けてしまったので、抗がん剤治療の方は本当につらいですよね。。。

コクリコ
記事一覧
編集者
実用書の編集者(社畜)。アラフォー未婚のがんサバイバー2年生(進級しました!)。2018年、子宮頸がんにて広汎子宮全摘出術を受ける。現在ホルモン補充療法をしながら経過観察中。SNSをパトロールするのが趣味。“Twitter探偵”とも呼ばれる。でも幸せになりたい。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


面倒なボスママに好かれる人の特徴3つ。合わせて、ボスママに好かれる人が注意すべきことは…
 ママ友の世界には、周囲に取り巻きのママ友を引き連れて威圧感を与える「ボスママ」が存在します。みんなに慕われるリーダー的...
好きな街、好きな時間。
 こんな街で、まだ日のあるうちに少し灯りがつく時間が好きだ。
【動物&飼い主ほっこり漫画】第90回「バランスゴロちゃん」
【連載第90回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
【女偏漢字探し】「唱」の中に紛れ込んだ漢字は?(難易度★★☆☆☆)
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
友達、同僚、彼氏…重い話LINEの角の立たない返し方3選。会話できない時間を狙い、着信履歴を残す!
 友達や同僚、彼氏など、身近な人から重い話をされたとき、大抵は「力になってあげたい」と思うはず。  でも時間がなかった...
共学なんてバカじゃないの! 暴走するお受験妻が「娘の反抗」でようやく気付けたこと
 横浜に暮らす経営者の妻の愛子。小学生の長女・美愛と横浜山手御三家と呼ばれる女子校に狙いを定めて、中学受験に臨んでいる。...
東京の「Fラン大学」を出たママの誇り。お受験戦争の渦中、優秀な娘に人生を重ねる傲慢な願い
 横浜に暮らす経営者の妻の愛子。長女の美愛はまだまだ甘えん坊の小学生。横浜山手御三家と呼ばれるお嬢様女子校に狙いを定めて...
娘の名門合格を喜べない…男に依存してきた妻が「女子校進学」を強いる理由
 冬の突き刺すような西日が差すリビングに、不安げなマウスの音が響いた。  時計の秒針が12を指したことだけを確認し...
ウェブ連載なのにやり取りはイエデン? 64歳、超アナログおじさんの「何やら新しい現象」
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(64)。多忙な現役時代を経て、56歳...
アルハラ回避! スナック嬢が実践する「酔わない飲み方」3つ。お酒嫌いは「あの飲み物」を垂らしてみて
 みなさんはお酒好きですか?もちろん種類によって好き嫌いがありますよね。実は私、水割りと呼ばれるものが苦手です。焼酎でも...
育休明けのフルタイム復帰、育児家事と両立できるか不安…。キャパオーバーの悲劇を回避する3つの方法
 育休明け、いざ職場にフルタイム復帰することになった時、ママたちの脳裏にはさまざまな不安が押し寄せますよね。子供のことや...
職場バレンタインのトホホなエピソード6選。今年はどうなる? あげても地獄、あげなくても地獄だよ…
 もうすぐ恋する女性の一大イベント、バレンタイン! 好きな男性や彼氏にどんなチョコレートを渡そうか、今からソワソワな女性...
また値上がり!? 40代主婦が物価高を痛感した瞬間と節約サバイバル術4選。買い物は私一人で行きますよ
 続く物価高で、家計のやりくりを頑張っている主婦は多いはず。それでも追いつかないくらいに、物価高の実感は日々高まるばかり...
ねこプロレス第2弾! 挑戦者の尊すぎる“たまたま”ぽろりに延長戦希望
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
春と幸運を呼ぶ「球根付き切花」を長持ちさせる意外な注意点。あー、見るだけでワクワクが止まらない!
 立春を迎え暦の上でも春。猫店長「さぶ」率いる我がお花屋の立地は神奈川の片田舎ですが、1月の終わりごろからど偉いエネルギ...
事例ありき? お役所仕事だな。街路灯ランプをLEDにするだけなのに、なぜかてんやわんや…
 本コラムは、地元の“幽霊商店会”から「相談がある」と言われ、再始動の先導役を担う会長職を拝命することになったバツイチ女...