男性が慎重になりすぎて…“強盗押し入りプレイ”の意外な結末

深志美由紀 官能作家
更新日:2019-12-24 18:09
投稿日:2019-12-24 18:00
 さて、出逢い系では積極的に、恋人とはできないようなアヴァンギャルドなプレイを試みていこうと決めた私。次に考えたのは、私が先にホテルに入り、そこに相手が押し入って来る「強盗押し入りプレイ」。
 ドアを開けた瞬間から強引に、悲鳴を上げられないように手で口を塞がれて犯される……というようなイメージプレイです。(危険が伴うので皆さんは絶対に真似しちゃダメですよ!!)

相手を見つけたはいいものの…

 まずはイメージプレイ好きな男性が集うサイトで同じような趣味の相手を見つけ、安全性のためにも個人メールで綿密にプレイの相談をします。

 されたらイヤなNGプレイや、自分の好きな行為、相手の好きな行為をそれぞれ具体的に話し合っていると、彼がふいに言いました。

「あの、本当に通報とかしないですよね?」

 もちろん、あくまで「押し入りプレイ」であって合意の上です。通報などするわけがありません。

 大丈夫ですよ、と言うと一瞬は安心した様子でまた当日の相談に戻るのですが、それからも彼は

「通報しないでくださいね」

「部屋に入ったら男の人が待ってるとかないですよね」

「もしかしてネカマでは?」

「本当に通報だけはやめてください。仕事に響くので……」

 と、何度も何度も念を押すではないですか。

 大丈夫です!

 絶対大丈夫です!

 本当に大丈夫ですから!

 そのたびにそう答えはするものの、正直、ここまで警戒され、慎重になられると既に「無理やりプレイ」としては成り立たないような気が……。

 案の定、当日やってきたのは優しく穏やかな男性。いちおう、サングラスにマスクでそれっぽく押し入ってきてはくれたものの、なごやかにプレイを楽しみ、帰りは一緒に美味しい洋食を食べて帰ったのでありました。

 楽しかったけどちょっと違うような気もした一日でした。

深志美由紀
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官能作家
集英社ノベル大賞佳作受賞にてデビュー。2010年「花鳥籠」
で第一回団鬼六賞優秀作受賞、同作13年映画化。新聞や電子書籍など、男性のみならず女性にも受け入れられる官能小説を多方面で執筆。著書に「ゆっくり破って」(イーストプレス)「美食の報酬」(講談社文庫)など。自他ともに認めるダメ男好きで、自らの体験を活かしたエッセイ漫画なども配信中。

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