CT検査でも異常なく民間療法に頼るも…バセドウ病が再び悪化

めりぃ(つけものがかり) 編集者
更新日:2020-03-03 06:00
投稿日:2020-03-03 06:00
 潜在的な患者も含めるとおよそ30〜60人にひとりの女性がかかると言われている甲状腺疾患。バセドウ病は、甲状腺機能が亢進する病気で、動悸や発汗、めまいや悪心、体重減少に筋力低下など、その症状は全身に及びます。治療法は投薬・アイソトープ・外科的手術の3種類とされ、多くの患者は投薬治療で寛解を目指します。
 これは、投薬治療の末に、手術で甲状腺を全摘し完治に至った筆者が、2年間の闘病生活を振り返るドキュメンタリーです。

CT検査で原因を細かく探ることに

「では、上半身を中心にCTを撮りますね」

 冬が終わり春になっても、“ひどい筋肉症状”に苦しめられ、ついには長い時間座っているだけでも、圧迫感と息苦しさを感じるほどにまで悪化しました。あまりに悪くなる一方なので、ついに病院で、CT検査をして原因を細かく探ることに。

 謎の筋肉症状に苦しんで、はや半年あまり。この頃になると私は「この筋肉症状はバセドウ病のせいじゃなくて、それ以外の病気にかかっていて、見落とされているのでは……」と、ドクターに一抹の不信感を抱くまでに至っていました。

「うーん。CTを見るかぎり甲状腺以外には異常がないですね。甲状腺は確かにかなり大きいけれど、ほかは問題がありません」

 CTの結果を見てドクターからの説明を受けながら、再び絶望的な気持ちが訪れます。というのも、「他の病気が見つかるのもつらいけど、このまま息苦しさが続くのも……。そのうち原因不明のまま窒息死するのでは……」と思うほどに体感はしんどく、なんとかして原因と治療法を知りたかったのです。

「こんなに筋肉が硬いのは異常です」

 他方、バセドウ病の投薬治療は続けているものの、これまでと同様に甲状腺ホルモン「FT3」「FT4」は正常範囲ながら「TRAb」「TSH」は、異常値を示し続けている状態が続いていました。

 いわば「バセドウ病を薬で無理に抑えている状態」ですが、甲状腺ホルモンは正常範囲にあるので、バセドウ病にありがちな症状である動悸や発汗、手の震えなどは基本的に収まっています。ただ、猫アレルギー発症時からどんどん悪化し続ける筋肉のこわばりを、なんとかして軽くできないものかと悩み続けました。

 すでにこの頃、肩から背中、腰にかけては岩が入っているかのようにガチガチに固まっていて、動作にも不便が生じていましたから、試せるものはすべて試すべく、ネットで調べた民間療法を片っぱしからトライ。マッサージや整体にも行き、そのたびに「こんなに筋肉が硬いのは異常です。すぐに病院に行ってください」と言われ「もう行ってます……」「ええーっ」というやり取りの繰り返しでした。

 しかし、原因がはっきりとしないまま、そして対処法すらも見つからないまま、いたずらに時間だけが過ぎていきました……。

血液検査の結果が悪化

 そして、ゆっくりであってもバセドウ病は快方に向かい、症状も安定していたはずなのに、そちらにも陰りが出てきたのです。甲状腺の腫れがどんどんとひどくなり始め、まるでエリマキトカゲみたいに、首に分厚いマフラーを巻いているかのようなひどい腫れ具合になっていました。

 バセドウ病の薬を飲むことでさえ、喉につっかえるような不快感があり、「触ると甲状腺だけでなく周囲もカチカチだし、甲状腺もいつもより硬いような……。イヤな予感がするけど、大丈夫かなぁ?」と、ふたたび不安にさいなまれます。

 そんなある日、いつものように定期診察で大学病院を訪れると、血液検査の結果が悪化したとの説明を受けました。寛解に向かっていたはずのバセドウ病が、ここで再び私の身体に襲いかかってくることに……。

 次回に続きます。

めりぃ(つけものがかり)
記事一覧
編集者
アラフォー編集者。壮絶な結婚生活による人生の荒波をくぐり抜け、バセドウ病発覚。2019年、甲状腺全摘手術を経て、完治。つけものを作らせたらプロ顔負けの腕前だが、今のモットーは「バセドウ病患者のつらさを、もっと世間に知ってもらいたい」。

ライフスタイル 新着一覧


56歳で初めて包丁を握ったYO! 万年実家暮らし男性が力説する「テキトーな自炊」の愉しみ
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(64)。多忙な現役時代を経て、56歳...
主婦vs丸の内バリキャリの「マウント合戦」は漫才よりも笑える。“負け顔”ができる女芸人の観察
 かつて西大井にあったお笑い養成所に通っていた3人の女。SNS・mixiのコミュニティに麻梨乃が書き込むと、2人の同期生...
早稲田卒、商社OLの称号は「貧乏な夢追い人」とは違うの。誰よりも高い“現在地”は私だよね?
 かつて西大井にあったお笑い養成所に通っていた3人の女。約20年後、懐かしさで当時使用していたSNS・mixiのコミュニ...
ゲッ…まだ「mixi」見てるの? 独身女2人の即レスに“意地悪な幸せ”を感じる上から目線の主婦
 mixiでの呼びかけに、応答があったのは2人だけだった。  当然だろう。そこはもう誰もいない公園なのだ。あの頃は...
否定ばかりする人のLINEがしんどい…。我慢せず、受け手側ができる3つの対応策とは?
 LINEのやりとりで、相手から否定ばかりの内容が届いたら対応に困りますよね。  腹が立ち、関係をやめたいと思って...
金運を上げる花5選!植物で開運を狙う基本のキ。黄色いお花だけではない【開運花師おすすめ】
 いくらやりくりを頑張っても、追いつかない物価高。こうなったらもう金運を呼び込むしかないかも?  お花や開運に関する...
辻希美は第5子妊娠の衝撃度。長女希空とは18歳差に…年の差きょうだいの良さと熟考すべきこと
 元モーニング娘。の辻希美(37)と夫の俳優・杉浦太陽(43)が3日、第5子妊娠を発表した。  2007年6月に結...
一気に距離が縮まる会話術! 社長も平社員も、みんな笑顔になる「あの話」は鉄板エピソード
 例えば今目の前に距離を縮めたい相手がいたら、みなさんは何をしますか? 私なら、その人の子供時代の話を聞きます。 ...
「子持ち様」認定されないように…非常識な親バカママ友あるあると3つの対処法
 子供がいると避けて通れないのが、ママ友とのお付き合い。  今回は、思わずイラッとしたママ友の親バカ行動をご紹介。周...
職場の「1on1ミーティング」を苦痛に感じる3つの原因。今すぐ取り入れたい対策方法は?
 近年、企業で取り入れられている「1on1ミーティング」をご存知ですか? 新しい手法を取り入れるのは良いことですが、蓋を...
堤防の上は“たまたま”のランウェイならぬ、ニャンウェイ♡ 見せ場のターンの瞬間をパチリ
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
意外に難しい「ミモザの鉢植え」を成功させたい! ほっぽらかし園芸好きの花屋が教える5つの失敗と対策
 暦の上では3月、ポカポカを通り越して半袖脇汗が止まらない日中があれば、突然寒くなり雪が降る…これは本当に三寒四温なのか...
想定外しかない商店会ワーク。文句ばかり言うおっさんにブチ切れ寸前、寅さんの名台詞で堪えました
 本コラムは、地元の“幽霊商店会”から「相談がある」と言われ、再始動の先導役を担う会長職を拝命することになったバツイチ女...
ぎっくり腰再発かも…? 運動不足解消のため、水泳を始めた中年おばさんの“まさか”
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
“春ピンク”は女性ホルモンを刺激!【調香師が解説】指先から幸せになるピンクフラワー香り術
 色とりどりの花が咲く春は、気分も明るくなって幸せな気分になりますね。花の色に多いピンクですが、女性ホルモンを刺激する色...