平手友梨奈の"相棒"長濱ねる 欅坂46卒業の真相を再考する

こじらぶ ライター
更新日:2020-02-29 06:00
投稿日:2020-02-29 06:00

「まだ“響”でいたい」

"欅坂46の平手友梨奈"から離れて響として過ごしたことは、平手にとって大きな重荷を降ろせる貴重な時間となった/欅坂46オフィシャルレポート(18年9月25日付)より
"欅坂46の平手友梨奈"から離れて響として過ごしたことは、平手にとって大きな重荷を降ろせる貴重な時間となった /欅坂46オフィシャルレポート(18年9月25日付)より

 デビューから17年末の紅白までで、平手は欅坂46センターとして重圧を抱えながら、壮絶なネット叩きや握手会での説教、襲撃事件、ファンのつきまとい行為に遭い、その中でも命を削る曲「不協和音」の“僕”の世界も生きた。

 ここまでの2年で、14歳から16歳になったその少女はグループをいつ卒業してもおかしくないほどの重荷を背負わされていたといえる。

 映画で主人公・鮎喰響として生きることができた平手。映画公式サイトの月川翔監督のコメントには、平手がクランクアップの別れ際に「……まだ響でいたい」とこぼしたとの記述がある。ただ、欅坂46に恩返しをするために戻ると決めた。

18年上半期の写真集女王に君臨した長濱

 平手がそのような18年上半期を過ごしている間に、長濱にも大きな変化が起きていた。元来より持ち前の可愛らしさと愛嬌、そして知性で人気を得ていた彼女だが、17年12月に発売された彼女の1st写真集「ここから」が18年上半期までで、17.5万部(オリコン調べ)を売り上げ、同年の“上半期写真集女王”と呼ばれるまでになり、さらなる大ブレイクを果たした。

 平手が前述した様々な困難に遭い、不安定さを露呈する中で、ファンからは「安定感の長濱」とも評された。いつもニコニコ、しっかり者で優等生、ソロ仕事が増え、たとえグループの活動と重なっても体調不良などで欠席することもほぼなく、「鉄人長濱」とも呼ばれた。

 しかし、そんな彼女もまた大きな重圧と闘っていた。同年3月にAKB48の51stシングルのカップリング曲でユニット“坂道AKB”の「国境のない時代」のセンターに大抜擢されたのだ。

 坂道AKBとは、当時AKB48系グループと、乃木坂46、欅坂46から若手のエース級メンバーで選抜されたユニット。この時の坂道AKBには初代センターの平手が欅坂46でも不在の期間で参加していない。

 そこに変わって長濱がセンターに入る形になったが、同曲は“クールでカッコいい”欅坂46の楽曲に近く、どちらかというと48系グループや一部の乃木坂46楽曲のような“可愛らしく愛嬌いっぱい”のイメージがある長濱は表現に苦しんだ。

 ここでの長濱の葛藤には2つ、理由がある。1つ目は彼女は実際の自分と、世間やファンが思い描く“可愛らしく愛嬌いっぱい”のイメージとの隔たりが大きくかけ離れて行ったこと。2つ目には、かといって自分が体得したい“クールでカッコいい”楽曲のセンターもどうこなしていけば良いか分からなかった。その旨は、振付師TAKAHIRO氏にも相談していた。

 デビュー当初より長濱は、自分は平手と同じようにチヤホヤされたくてアイドルになったわけではなく、早く地元を離れたいという思いで欅坂46に受かり上京したこと、そして平手と「可愛いとか嫌なんだよね」と話したこと、可愛いではなく「すごいグループ」と言われたいことを明かしていた(「BUBUKA」16年8月号より抜粋)。

こじらぶ
記事一覧
ライター
ジャニーズ、秋元康系女性アイドル、ローカル、地下アイドル等数々の現場を経験。Xでもご意見を募集しております。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


趣里は浜辺美波に女優として負けたのか?「ブギウギ」vs「らんまん」で視聴率の明暗が鮮明に
 3月29日に終了した朝の連続テレビ小説「ブギウギ」の全126話の平均視聴率が15.9%だった(個人視聴率は9.0%)。...
2024-04-07 17:03 エンタメ
“お騒がせ”青井実アナが心機一転、なにわ男子の道枝駿佑と似てるって⁉
 世の中の人がNHKに持つイメージといいますと、「真面目」「お堅い」「地味」といったところでしょうか。  そんな中...
逃げ恥の百合ちゃん役が“頭のいい女は頭の悪いふりをするしかない”発言
 穂高(小林薫)に出くわしたことで女子部への出願が母・はる(石田ゆり子)にばれてしまった寅子(伊藤沙莉)。  娘に...
桧山珠美 2024-04-05 15:30 エンタメ
「虎に翼」語りは尾野真千子 NHKアナと俳優のナレーションの違いは?
 寅子(伊藤沙莉)がお見合いに苦戦する中、親友の花江(森田望智)は寅子の兄・直道(上川周作)との結婚準備を順調に進めてい...
桧山珠美 2024-04-05 15:14 エンタメ
「虎に翼」シン・朝ドラの予感!わずか1話、たった15分で心つかんだ描写
 昭和6年・東京。女学校に通う猪爪寅子(伊藤沙莉)は父・直言(岡部たかし)、母・はる(石田ゆり子)から次々とお見合いを勧...
桧山珠美 2024-04-01 22:28 エンタメ
僥倖!世界に挑む赤西仁ほど「サムライマック」のCM向きな俳優はいない
 マクドナルドのCMにイケメンあり!  そんな声をちらほら耳にするようになりました。たとえば4月2日から全国放送さ...
平野らTOBEがドーム公演大成功の一方、暗雲立ち込める旧ジャニの逆転は
 3月14日から17日にかけて、滝沢秀明氏創設のTOBE所属アーティストによる東京ドーム公演「to HEROes ~TO...
こじらぶ 2024-03-30 06:00 エンタメ
ブギウギ最終回、水を差すようでスンマセン! 残念すぎる4つの演出と描写
 スズ子(趣里)のさよならコンサートが始まる。客席には懐かしい多くの面々がかけつけている。茨田りつ子(菊地凛子)、愛子(...
桧山珠美 2024-03-30 11:41 エンタメ
スズ子引退会見、“天敵の文屋”鮫島の「シャッポを脱ぐ」演出を読む
 歌手・福来スズ子(趣里)の引退会見の当日。スズ子は結局、羽鳥善一(草彅剛)とは話ができないまま会見に臨むことになってし...
桧山珠美 2024-03-27 14:30 エンタメ
超鈍感力! 羽鳥の絶縁宣言を屁とも思わないスズ子とタケシは似た者同士
 歌手引退――。スズ子(趣里)はその決断を、愛子(このか)や大野(木野花)に伝えた。  羽鳥善一(草彅剛)に絶縁す...
桧山珠美 2024-03-26 15:40 エンタメ
「GTOリバイバル」注目の新人イケメンは?松嶋菜々子は本当に出るのか
 反町隆史主演「GTO」が26年ぶりに帰ってきます。反町演じる元ヤン教師・鬼塚英吉がさまざまな問題を解決する学園モノで、...
ドヤ顔のアユミとヘイヘイブギー歌唱シーン温存の理由がわかる回だった
 昭和31年、大みそか。第7回オールスター男女歌合戦当日。スズ子(趣里)は、楽しみに会場へと向かう。スズ子が楽屋で支度を...
桧山珠美 2024-03-22 14:30 エンタメ
最終回秒読み…スズ子はブレずにお人よし、NHKと沼袋勉の手腕いかに!?
 愛子(このか)は、翌日の体育の時間に足の早い転校生と競争することになっていた。しかし、勝てる見込みがなく、愛子は学校を...
桧山珠美 2024-03-21 16:07 エンタメ
和田勉が転生したら中村倫也に!? 強烈インパクトで霞んだ礼子娘の初登場
 東京ブギウギのヒットから9年、ブギブームも下火になってきつつある中、スズ子(趣里)や羽鳥善一(草彅剛)のブギは古いとい...
桧山珠美 2024-03-18 14:30 エンタメ
「光る君へ」主人公バージン喪失!大石静氏が描く平安エロ&バイオレンス
 NHK大河ドラマ「光る君へ」は、平安中期の貴族社会を舞台に、吉高由里子演じる主人公のまひろ(紫式部)の生涯を描くもので...
沢尻エリカ不死鳥の如く女優復帰!大衆は真似できぬ人生転落リアルショー
 2月25日、沢尻エリカの女優復帰作となった主演舞台『欲望という名の電車』が千秋楽を迎えました。  「『残念プロフ...
堺屋大地 2024-03-16 06:00 エンタメ